0 編集部が注目した重点ポイント
① トクヤマ社からセメント販売事業を取得する
国内セメント事業の強固な基盤構築に向け、2026年度下期よりトクヤマ社のセメント販売事業をカーブアウトにより取得し完全子会社化します。国内シェアとサプライチェーンが大幅に強化されるため、事業統合や販売シナジー創出を担う人材の活躍機会が拡大します。
② 価格改定と原価改善で営業利益746億円を確保する
国内セメント需要の減少に直面しながらも、セメント・固化材の販売価格適正化や石炭調達コスト低下などの原価改善を推進しました。国内セメント事業の営業利益が279億円へ急拡大し、確かな収益構造の改革が進んでいます。
③ 環境事業や米国生コン買収で成長基盤を広げる
資源や環境事業が着実な利益成長を支えるほか、米国市場では2026年上半期に北・南カリフォルニアの生コン事業用資産を約7億1,200万ドルで買収予定です。環太平洋地域における事業基盤の再構築が進展しており、グローバルな事業推進人材の需要が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度決算説明資料 P.6
売上高
8,984億円 (前年比 +0.2%)
営業利益
746億円 (前年比 -4.0%)
経常利益
750億円 (前年比 -0.4%)
当期純利益
254億円 (前年比 -55.8%)
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が8,984億41百万円(前年比+0.2%)、営業利益が746億20百万円(同-4.0%)、経常利益が750億87百万円(同-0.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益が254億01百万円(同-55.8%)となりました。フィリピン子会社における減損損失253億円の計上等により純利益は減収減益となりましたが、国内での価格適正化とコスト低減が奏功し、本業の営業利益は746億円と高水準の収益力を堅持しています。
次期(2027年3月期)の通期予想については、売上高1兆270億円、営業利益760億円、親会社株主に帰属する当期純利益480億円を見込んでいます。減損損失の一巡やトクヤマ社のセメント販売事業承継による数量増を取り込み、通期目標に向けて概ね順調な回復軌道を辿る見通しです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度決算説明資料 P.20
セメント
事業内容:各種セメント、生コンクリートの製造販売、および米国・アジア等での海外セメント・生コン展開。
業績推移:売上高は6,679億円(前年比-0.0%)、営業利益は493億円(同-9.4%)。国内営業利益は279億円(同+74.2%)へ大幅増加しました。
注目ポイント:国内需要減に対し価格改定効果で国内益が大きく向上しました。2026年度はトクヤマ社のセメント販売事業承継や米国生コン資産買収が控えており、PMI(買収後の組織統合)やグローバル販売戦略を主導する人材への期待が高まっています。
注目職種:営業企画、事業開発・PMI担当、海外事業管理、プラント技術者
資源
事業内容:骨材、石灰石製品、土壌ソリューション(固化不溶化材)等の開発・製造販売。
業績推移:売上高は908億円(前年比+3.0%)、営業利益は100億円(同+4.5%)と増収増益を記録しました。
注目ポイント:北海道新幹線工事向けなどの土壌ソリューション事業が好調に推移し、価格転嫁も浸透しました。インフラ開発を裏支えする資源技術やソリューション営業のフィールドで力を発揮できます。
注目職種:鉱山技術者、土壌ソリューション営業、製品開発
環境事業
事業内容:各種産業廃棄物・都市ごみ・石炭灰・建設発生土等の受け入れ・処理およびリサイクル。
業績推移:売上高は817億円(前年比+1.1%)、営業利益は92億円(同+3.2%)と着実に伸長しました。
注目ポイント:リニア建設発生土の埠頭中継や石炭灰処理が拡大し、循環型社会のキープレイヤーとして存在感を高めています。セメント製造でのリサイクル率40%超を支える環境技術・営業人材の需要が持続しています。
注目職種:環境技術エンジニア、廃棄物受託営業、リサイクル開発
建材・建築土木
事業内容:コンクリート二次製品、ALC(軽量気泡コンクリート)、補修・補強材料等の提供。
業績推移:売上高は434億円(前年比-2.0%)、営業利益は18億円(同-20.0%)となりました。
注目ポイント:人件費や運賃の上昇影響を受けましたが、国土強靭化や老朽化インフラの補修ニーズは強固です。防災・減災テクノロジーや施工省力化製品の開発・管理人材が求められています。
注目職種:施工管理、構造設計、建材開発エンジニア
その他
事業内容:不動産事業、エンジニアリング、情報処理、金融、運輸・倉庫、電力供給事業等。
業績推移:売上高は805億円(前年比+2.5%)、営業利益は41億円(同+6.6%)と成長しました。
注目ポイント:グループ全体の物流網、ITインフラ、アセット活用を多角的にサポートしています。グループDXやサプライチェーン効率化を牽引する専門職の貢献機会が広がっています。
注目職種:社内SE、物流アナリスト、不動産開発
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度決算説明資料 P.32
太平洋セメントは「26中期経営計画」の最終年度に向け、基盤強化と成長投資を強力に推し進めています。国内では2026年度下期からトクヤマ社のセメント販売事業をカーブアウトにより譲り受け、国内需要減の中でも強固なシェアと営業網を確保する計画です。また米国では、7億1,200万ドル規模の生コン事業用資産の買収契約を締結し、2026年度は売上高1兆270億円、営業利益760億円への拡大を展望しています。
さらに、2050年カーボンニュートラルに向けた「C2SPキルン®」でのCO2回収やCCU(炭酸化・メタネーション)技術開発、持株売却を通じた資本効率向上など経営改革も積極的です。グローバルアライアンスや環境革新技術を主導できる中途人材の獲得ニーズが高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
社会インフラを支える業界トップ企業としての圧倒的基盤に加え、トクヤマ社セメント販売事業の取得や米国での大規模な生コン資産買収に見られる攻撃的なアライアンス・M&A戦略に魅力を感じた旨を伝えると効果的です。また、CO2回収や資源リサイクルなど、カーボンニュートラル社会の実現に技術で挑む姿勢に共感を示すことがアピールに繋がります。
面接での逆質問例
- 「トクヤマ社からのセメント販売事業承継に伴い、新設受皿会社や貴社内部での組織統合や営業シナジー発揮に向けて、中途採用者に期待される役割は何でしょうか?」
- 「2050年カーボンニュートラルに向けたCO2回収技術(C2SPキルン®)やリサイクル推進において、現場のエンジニアが挑戦できる機会や研究環境について教えていただけますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
頑張っても昇給スピードは変わらない
年収は管理職手前までは低く抑えられており、頑張っても昇給スピードは変わらないので、若手がモチベーションを失う要因となっている。
(20代後半・経理・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度決算説明資料



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