0 編集部が注目した重点ポイント
①後発医薬品事業の分社承継に向け基本合意を締結する
2026年4月24日、グループの後発医薬品事業を「株式会社医薬品共創機構(仮)」へ承継する基本合意を締結しました。2027年4月の承継実行を目指し、経営資源を中核である新医薬品事業へ集中させる大きな構造改革を推進します。転職者にとっては新薬創出・開発分野でのキャリア機会がより明確化されます。
②研究開発費120億円の計上等で営業利益が71.6%減少する
2026年3月期の営業利益は前期比71.6%減の3,567百万円となりました。前年の導出契約一時金収入の反動減に加え、「KRP-A225」等の新規開発候補品にかかる導入一時金の計上により、研究開発費が12,060百万円(前年比14.7%増)へ拡大したことが主な要因です。将来の成長に向けた積極投資を進行しています。
③国内新医薬品が871億円に伸長し新薬比率を拡大する
薬価改定の影響を受けつつも、過活動膀胱治療剤「ベオーバ」やアレルギー性疾患治療剤「デザレックス」などの主力製品が堅調に推移し、国内新医薬品等の売上高は87,113百万円(前年比3.5%増)を達成しました。新薬中心の事業構造へのシフトを着実に進めています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.4
売上高
126,257百万円
前年同期比: -2.9%
営業利益
3,567百万円
前年同期比: -71.6%
経常利益
4,031百万円
前年同期比: -69.5%
親会社株主に帰属する当期純利益
3,448百万円
前年同期比: -62.0%
2026年3月期の通期実績は、売上高126,257百万円(前年比2.9%減)、営業利益3,567百万円(前年比71.6%減)となりました。新薬「ベオーバ」や「デザレックス」の拡大、および後発医薬品における選定療養の影響による増収要因があったものの、前期に計上した自社創製化合物「KRP-M223」のノバルティス社向け契約一時金収入の反動減が大きく響きました。また、新規治療薬候補の導入に伴う開発費増加も利益を押し下げています。
公表されていた通期業績予想に対しては、売上高で99.4%、営業利益で58.5%の達成率となり、研究開発費の先行投入等により利益面では予想を下回る着地となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.10
新医薬品等(国内)
【事業内容】
過活動膀胱治療剤やアレルギー性疾患治療剤などの医療用医薬品の研究開発・製造販売を展開。
【業績推移】
売上高87,113百万円(前年比+3.5%)。薬価改定の影響を超え主力新薬群が堅調に推移。
【注目ポイント】
主力製品「ベオーバ」が自社販売分で258億円(前期比17.1%増)と大きく伸長。中長期的な成長の核として新薬比率の最大化を推進しており、市場浸透に向けたマーケティング・営業戦略の専門人材や、開発パイプラインを加速させる研究開発職の需要が高まっています。
新医薬品(海外)
【事業内容】
自社創製化合物の海外ライセンスアウトおよびグローバル共同開発の推進。
【業績推移】
売上高693百万円(前年比-92.2%)。前期の導出契約一時金収入の反動減が要因。
【注目ポイント】
単年の業績は前年反動減となったものの、海外製薬企業とのライセンスアライアンスはグローバル成長のキーとなります。国際共同治験や海外導出アライアンスを統括できるグローバルライセンス・事業開発スペシャリストの役割が極めて重要です。
後発医薬品事業(分社承継予定)
【事業内容】
キョーリン リメディオ等を通じたジェネリック医薬品の製造販売および安定供給。
【業績推移】
売上高38,451百万円(前年比+3.7%)。選定療養や追補収載品の売上が寄与。
【注目ポイント】
2027年4月を目処に「株式会社医薬品共創機構(仮)」への事業承継が基本合意されました。グループ全体の戦略的再編に伴い、後発品事業の製造・管理体制の統合準備と並行して、新薬事業への人員シフトや組織再構築が進むこととなります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.13
次期(2027年3月期)の連結売上高は121,800百万円(前年比3.5%減)、営業利益は2,000百万円(前年比43.9%減)を見込んでいます。アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の後発品参入予想や薬価改定の影響による減収・減益予想ですが、研究開発面では「KRP-A225」や「KRP-126」などの導入候補品の臨床試験着実な進展が図られています。
後発医薬品事業の分社承継決定により、杏林製薬は「創薬型製薬企業」としての専念体制を強化します。疼痛、自己免疫疾患、神経筋疾患などの重点領域における創薬・臨床開発スペシャリストの採用活動が本格化すると捉えられます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は後発品事業の承継を決め、新薬専業体制への転換という歴史的転換期を迎えています。志望動機では、「Vision 110」における新薬比率の最大化や、導入品(KRP-A225、KRP-126など)の開発・市場浸透の加速に対し、自身の専門性や実務経験をどう活かして貢献できるかを具体的にアピールすることが極めて効果的です。
面接での逆質問例
「後発医薬品事業の分社承継に伴い、新医薬品事業への経営資源集中が進むかと存じます。重点領域(疼痛、自己免疫疾患等)における研究開発および営業体制の強化方針について、中途採用者に期待される役割を含めて教えていただけますでしょうか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
名刺を出してもプライベートで話してもみんなが知っている会社だった
得をしたことはやはり東証一部上場企業なので周りからは羨望の眼差しを向けられたことです。名刺を出してもプライベートで話してもみんなが知っている会社だったので鼻が高かったです。損したことは全国転勤なのでいつどこに行かされるかの恐怖にいつもおびえていたと思います。。
(MR・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]何度も異動願いを出しましたが聞いてもらえませんでした
新人の時から配属された勤務地が非常に僻地でそれに嫌気がさしました。最低でも10年くらいは異動がないとの事実を聞かされて転職するなら早めが良いと思い決意しました。何度も異動願いを出しましたが聞いてもらえませんでした。私にはどうしても田舎暮らしが合わず退職を決意した次第です。
(MR・30代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 杏林製薬株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 杏林製薬株式会社 2026年3月期 決算説明会資料



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