0 編集部が注目した重点ポイント
①売上高・全利益指標で過去最高を達成する
2026年3月期の通期連結業績において、売上高が前年比7.0%増の2,850億2,400万円、営業利益が16.9%増の163億2,900万円となり、全利益指標で過去最高益を更新しました。売上高の成長に加え、特装車事業などの価格改定効果が着実に利益へ寄与しています。
②航空機事業の受注高が53.9%大幅増加する
防衛省向けUS-2型救難飛行艇(10号機)の受注獲得や、民間航空機(ボーイング787向け部品等)の需要回復を受け、航空機セグメントの受注高が前年比53.9%増の660億2,300万円へ急速に拡大しました。防衛・民需の両輪で事業基盤が大幅強化されています。
③次期も売上高3124億円で最高益を更新する
2027年3月期の通期予想では、売上高3,124億円(前年比9.6%増)、営業利益170億円(4.1%増)を見込み、連続での過去最高益更新を目指します。株主還元策として年間配当58円(6年連続増配)を予定しており、中長期的な成長への投資と還元を両立させています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.3
受注高
3,270億4,600万円
+12.2%(前年同期比)
売上高
2,850億2,400万円
+7.0%(前年同期比)
営業利益
163億2,900万円
+16.9%(前年同期比)
親会社株主に帰属する当期純利益
115億700万円
+28.5%(前年同期比)
新明和工業の2026年3月期通期業績は、受注高が5年連続、売上高が3年連続で過去最高を更新しました。損益面でも人件費や原材料コストの増加があったものの、数量増や売価改定効果(+42億円)が寄与し、営業利益・経常利益・当期純利益の全てで過去最高益を達成する極めて堅調な決算となりました。
期初予想に対しても、売上高で40億2,400万円増、営業利益で13億2,900万円増と計画を大幅に上回って着地しており、事業環境の変化に柔軟に対応しながら高い収益力を発揮しています。受注残高も3,608億2,600万円(前年比13.2%増)と積み上がっており、次期以降の業績を支える潤沢なバックログを確保しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.4
特装車セグメント
【事業内容】
ダンプトラック、テールゲートリフタ、塵芥車などの特装車および林業用機械等の製造・販売、保守・修理事業。
【業績推移】
売上高:1,175億8,300万円(前年比+8.7%)/営業利益:61億6,600万円(前年比+25.9%)
【注目ポイント】
建設・物流関連車両の需要増加に加え、過去に実施した価格改定効果が浸透したことで大幅増益を達成しました。保守・修理事業も拡大しており、ストック型ビジネスの強化が進んでいます。安定したトップシェア製品の開発・生産体制維持に向けて、生産エンジニアやアフターサービス拠点の専門人材への需要が高まっています。
パーキングシステムセグメント
【事業内容】
機械式駐車設備、航空旅客搭乗橋の製造・販売および保守・改修工事。
【業績推移】
売上高:507億4,500万円(前年比+10.9%)/営業利益:49億2,200万円(前年比+47.7%)
【注目ポイント】
機械式駐車設備の新設・サービス事業が共に伸びたほか、航空旅客搭乗橋の海外向け物件が増加し、売上・利益ともに大きく成長しました。都市再開発や空港インフラの更新需要に支えられており、大型構造物の施工管理や保全企画の経験を持つ人材の重要性が高まっています。
産機・環境システムセグメント
【事業内容】
自動電線処理機、真空製品、ごみ処理設備・機器等の製造・販売。
【業績推移】
売上高:273億2,300万円(前年比-17.9%)/営業利益:5億7,100万円(前年比-74.1%)
【注目ポイント】
北米EV市場の調整等に伴う真空製品の出荷減や環境関連プラント案件の減少により一時的に落ち込みました。しかし、欧州・インド等への販路開拓や顧客設備投資の緩和が見込まれており、今後は回復に向けたグローバル営業・技術開発の強化が急務となっています。
流体セグメント
【事業内容】
水処理用水中ポンプ、排水・水処理関連設備機器の製造・販売。
【業績推移】
売上高:299億8,600万円(前年比+9.0%)/営業利益:46億7,900万円(前年比+6.8%)
【注目ポイント】
国内外ともに需要が堅調に推移し、増収増益を維持しています。近年の豪雨災害対策や老朽化インフラの更新需要の高まりを背景に、排水ポンプシステム等の需要が安定拡大しています。水環境インフラ領域での製品開発力強化に向けたエンジニア採用に期待がかかります。
航空機セグメント
【事業内容】
救難飛行艇(US-2)や防衛省向け航空機構造体、民間航空機メーカー(ボーイング社等)向けコンポーネントの製造・販売。
【業績推移】
売上高:415億5,800万円(前年比+23.3%)/営業利益:25億9,300万円(前年比+31.6%)
【注目ポイント】
US-2型救難飛行艇の大型受注(10号機)に加え、ボーイング787や777/777X向け主翼中央翼などの民間向け生産機数が回復し、大幅な増収増益となりました。国際共同開発や防衛案件の最先端製造プロセスを経験できる稀有な環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.13
新明和工業は、2027年3月期の連結通期業績について売上高3,124億円(前年比9.6%増)、営業利益170億円(同4.1%増)を見込んでおり、連続で過去最高営業利益の更新を掲げています。特装車事業での価格改定効果の本格化や、民間航空機向け部材の出荷増が業績を牽引する見通しです。
また、中長期の成長基盤構築に向けて2027年3月期には設備投資額を170億円(前期実績104億円から大幅増)へと拡大する計画を立てています。各事業での自動化・省力化投資や開発設備への投資が活発化するため、設備導入やプロセス改善を主導できるエンジニアや、グローバル展開を担う人材の採用意欲は今後も高水準で推移すると予測されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
新明和工業は、特装車や排水ポンプなどの社会インフラ製品で国内トップクラスのシェアを誇るだけでなく、防衛・民間航空機事業や都市メカトロニクス分野まで多角的な事業展開を行っています。決算実績からも明らかなように、単なる製造業にとどまらず適正な価格改定(売価改善)やストック型サービス事業への移行を着実に成功させており、高い収益性を維持しています。
志望動機を作成する際は、同社の製品が「社会インフラの維持・発展にどう貢献しているか」という視点に加え、「自身の技術力や改善経験を活かして、過去最高益を更新し続ける同社の事業革新・グローバル展開にどう貢献できるか」を具体的にアピールすると効果的です。
面接での逆質問例
面接時に活用できる、決算情報に基づいた具体的な質問例です。
- 「特装車やパーキングシステムで売価改善とサービス事業強化成果が出ていますが、応募職種が関わる現場ではどのようなプロセス改善や顧客価値提案が期待されていますか?」
- 「2027年3月期に向けて設備投資額を170億円へと大きく増額される計画ですが、配属想定部署ではどのような新設備導入やデジタル化・自動化の取り組みが進んでいますか?」
- 「民間航空機向け部材の増産や、産機事業での欧州・インド等への海外展開強化にあたり、現場で求められるグローバル推進体制や人材像について教えていただけますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
会社全体として、優しい人が多い印象
会社全体として、優しい人が多い印象で、また良い製品が作りたいという技術者が多い。 その反面、競合を出し抜くような政治的な駆け引きなどは苦手であり、競合に対して苦戦を強いられる要因のひとつと感じる。
(研究開発・40代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]きちんと評価がされていたと感じる
私は中途採用で入社したが、とくに待遇に差はなく、開発部門なので、業務の遂行能力・技術力や成果に対して、きちんと評価がされていたと感じる。
(研究開発・40代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 新明和工業株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 新明和工業株式会社 2026年3月期 決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。