0 編集部が注目した重点ポイント
①報告セグメントを成長領域へ再編する
当期より従来の「ソリューションデザイン事業」を廃止し、専門性を高めた「次世代モビリティ事業」や「プロジェクトマネジメントデザイン事業」などへ事業区分を再編しました。また、オンラインゲーム開発等を手掛けるシンクロジックを新規連結化し、先端IT領域や高付加価値分野へのリソースシフトを強力に推進しています。
②新中計で売上高1200億円を目指す
2027年3月期から2029年3月期までを対象とする新たな中期3カ年計画を策定しました。最終年度となる2029年3月期に売上高1,200億円・営業利益201.6億円の達成を掲げており、AI駆動開発の本格展開やストック型ビジネスの拡大を通じて高収益体質への進化を明確に打ち出しています。
③2桁の増収増益で過去最高益を更新する
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前年比12.9%増の944億円、営業利益が同27.3%増の153.67億円となりました。全段階利益での大幅増益を達成し、稼働率の高水準維持や生成AI・PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)などの高利益率案件への集中が高業績に寄与しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.8
2026年3月期通期の業績は、売上高・各利益項目ともに前期実績を大きく上回り、過去最高水準の業績を達成しました。データ経営の実践による稼働率向上や、若手技術者の戦力化・経験者採用の強化が功を奏し、グループ全体の収益力が大幅に高まっています。
期初に掲げていた業績予想に対する進捗においても極めて堅調な結果となり、各事業領域で上流工程(要件定義・企画など)への関与を強めたことが利益率向上を後押ししました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.9
次世代モビリティ事業
【事業内容】
自動車業界のSDV(ソフトウェア定義車両)化に伴う車載システムやMaaS向けエンジニアリングサービスを提供。
【業績推移】
売上高 7,569百万円(前年同期比+36.6%)、営業利益 3,219百万円(同+63.9%)。
【注目ポイント】
国内主要完成車メーカーとの直接取引や、米国子会社を通じた北米案件の創出が好調です。UXデザインやアジャイル開発に強みを持ち、企画・要件定義などの最上流工程から一貫支援できる人材のニーズが高まっています。
プロジェクトマネジメントデザイン事業
【事業内容】
通信インフラ刷新、AIプラットフォーム構築、IoT・Web系サービスの企画・設計・PMO推進を支援。
【業績推移】
売上高 15,296百万円(前年同期比△2.4%)、営業利益 3,342百万円(同+29.4%)。
【注目ポイント】
生成AIを活用したプラットフォーム再構築やPoC(概念実証)など上流工程へシフトし、高利益率を達成しました。戦略策定から現場完遂まで一気通貫で主導できる高スキルなITコンサルタントやPMの需要が旺盛です。
デジタルインテグレーション事業
【事業内容】
金融(保険・銀行)、公共・法人向け基幹システムのモダナイズ、DXソリューション導入、インフラ構築を実施。
【業績推移】
売上高 10,406百万円(前年同期比+18.1%)、営業利益 2,476百万円(同+26.7%)。
【注目ポイント】
保険業界を中心とした基幹システム刷新案件が牽引し、利益率が大幅改善。AI駆動開発による生産性向上にも着手しており、金融ドメイン知識と最新DX技術を併せ持つシステムエンジニアの活躍の場が広がっています。
IT&DXサービス事業
【事業内容】
伴走型PMO、DX検証、システム運用・保守、ヘルプデスク、BPO等のITアウトソーシングを総合提供。
【業績推移】
売上高 22,356百万円(前年同期比+7.7%)、営業利益 3,146百万円(同+10.5%)。
【注目ポイント】
エンタープライズ顧客向けDX検証サービスや業務プロセスの伴走支援が伸長しました。グループ内の特例子会社を含む有機的連携により、顧客業務の自動化・効率化を支援するBPOスペシャリストの需要が高まっています。
ビジネスソリューション事業
【事業内容】
IT関連ハード・ソフトの法人販売、クラウド導入支援、ゼロトラスト等のセキュリティSI、RPA構築。
【業績推移】
売上高 35,584百万円(前年同期比+19.4%)、営業利益 2,957百万円(同+30.0%)。
【注目ポイント】
Windows 10サポート終了に伴うPCリプレース特需に加え、クラウド移行やマネージドサービスの拡大が寄与しました。特需後もクラウド利活用やセキュリティ要求は高く、法人向けソリューション営業やインフラ技術者が求められています。
DX&ストック型ビジネス事業
【事業内容】
ノーコードDX基盤『Canbus.』等の自社サービス開発・提供、クラウドサービス導入支援。
【業績推移】
売上高 2,892百万円(前年同期比+3.9%)、営業利益 251百万円(同△45.3%)。
【注目ポイント】
大手企業や医療業界向けパッケージ導入が進む一方、将来の契約増を見据えた先行投資(開発・サポート体制強化)で一時的な減益となりました。自社SaaSプロダクトのグロースを支えるプロダクトマネージャーやカスタマーサクセスが活躍できます。
その他事業(注:シンクロジック新規連結)
【事業内容】
海外モビリティ技術支援、5G・IoT機器の製造販売、ソーシャルゲーム企画開発・運営などを展開。
【業績推移】
売上高 1,001百万円(前年同期比+25.5%)、営業損失 26百万円(前期は営業損失19百万円)。
【注目ポイント】
ゲーム開発のシンクロジックを新規連結化したほか、米国での車載受託開発が着実に伸長しました。グループシナジー創出と受託開発のPMO支援を通じ、損益水準は大きく改善傾向に向かっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.19
システナの2027年3月期通期業績予想は、売上高98,000百万円(前期比3.8%増)、営業利益15,960百万円(同3.9%増)を見込んでいます。新株予約権発行に伴う株式報酬費用(8.4億円)等の影響を考慮した新指標EBITDA+S(17,250百万円、同9.0%増)を設定し、実質的な稼ぐ力の拡大を目指します。
また、新中期経営計画(2027年3月期〜2029年3月期)では、最終年度に売上高120,000百万円、営業利益20,160百万円(営業利益率16.8%)を目標に掲げています。「AI関連事業の本格展開」「ストック型ビジネスの拡大」「人的資本経営の進化」を基本方針とし、高度専門人材の獲得と定着、育成に注力する姿勢を鮮明にしています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
システナは高付加価値領域へのシフトを加速させており、単なる開発にとどまらない「実行型PMO」や「最上流の企画・要件定義」が強みとなっています。志望動機を作成する際は、同社が推進する「AI駆動開発」や「SDV(次世代モビリティ)」などの注力分野に対して、自身の技術力やプロジェクトマネジメント経験をどのように還元し、組織の実行力向上に貢献できるかを具体的に述べると効果的です。
面接での逆質問例
1. 「新中期経営計画においてAI駆動開発の本格展開が挙げられていますが、現場の開発プロジェクトで生成AIツールや自動化手法をどの程度導入・活用されていますか?」
2. 「中堅・上位層の即戦力採用を強化されている中で、入社後にPM(プロジェクトマネジメント)の軸として早期に活躍するために期待される役割やフォロー体制について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
スキルアップを目指すには良い環境
新しい技術を学ぶことに対して積極的な社員が多く、スキルアップを目指すには良い環境です。資格取得を支援する制度も整っており、挑戦する意欲を後押ししてくれます。ただし、業務内容に関してはやりがいを感じにくい部分もあり、特に周囲の環境が悪化するとモチベーションが下がることもあります。それでも、同僚たちが親切で協力的なので、職場の人間関係には恵まれていると感じます。全体として、成長意欲がある人には向いている職場ですが、仕事そのものにやりがいを求める人には物足りないかもしれません。
(人事・20代後半・女性) [キャリコネの口コミを読む]仕事とプライベートのバランスが取りやすい環境
営業職として働いていますが、平日は忙しいものの、週末や祝日はしっかりと休むことができ、仕事とプライベートのバランスが取りやすい環境です。年間休日も多めで、プロジェクトによってはシフト制が導入されているため、休日をしっかり確保できるのが魅力です。ただし、有給休暇の取得に関しては、配属されるプロジェクトによって取りやすさが異なるため、事前に確認しておくことをお勧めします。全体的に、働きやすい環境が整っていると感じていますが、プロジェクトによっては改善の余地があるかもしれません。
(コンサルティング営業・40代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- システナ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- システナ 2026年3月期 決算説明資料(2026年5月21日発表)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。