0 編集部が注目した重点ポイント
①カカクコムの非公開化に伴いメディア事業を再編する
EQTとのコンソーシアムにより持分法適用会社であるカカクコムの株式公開買付けを実施し、非公開化を推進します。取引完了時には関係会社株式売却益約300億円を計上予定であり、獲得した資金を決済周辺領域や株主還元へ集中的に投下することで事業構造の最適化を図ります。
②投資事業のファンド型移行で業績の安定化を図る
Ion Pacific社との戦略的提携を通じて直接保有ポートフォリオの大部分を共同ファンドへ移行し、投資事業のオフバランス化を加速させます。従来のBS投資からファンド運用モデルへ転換することで、公正価値変動による業績ボラティリティを低減し、安定的な経営基盤を構築します。
③りそなグループと連携しデジタル金融事業へ進出する
りそなグループとの協業に基づき「Digital Garage Bank」構想を始動し、中小企業向け次世代BaaS(Banking as a Service)領域へ新たに参入します。決済と金融を融合したプラットフォームを構築することで、新たな手数料・金利収益モデルの確立を目指します。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.8
2026年3月期の通期連結業績は、収益が前期比7.0%増の40,971百万円となり、税引前利益は2,966百万円と前期の10,216百万円の損失から大幅に改善して黒字転換を達成しました。主力のプラットフォームソリューション(PS)セグメントにおいて、KDDIグループ向け大型案件の稼働やQRコード決済の伸長により、決済取扱高が前期比21.1%増の9.1兆円へと順調に拡大したことが全社の増収に寄与しました。
利益面においては、前期にグローバル投資インキュベーション(GII)セグメントで計上された営業投資有価証券の評価損が一巡したことが大きな損益改善要因となりました。事業ポートフォリオの再編や次世代成長領域への集中投資を進めており、基礎事業の収益力をベースとした業績回復が明確な着地を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.20
プラットフォームソリューション(PS)
事業内容:国内最大級の決済代行サービス(DG Financial Technology)を中心とし、マーケティングおよび周辺DX機能を提供。
業績推移:収益25,193百万円(前期比+11.3%)、税引前利益9,074百万円(前期比+3.6%)。取扱高は9.1兆円に到達。
注目ポイント:KDDIグループ向け決済プラットフォーム「NESTA」の本格稼働に加え、共通QRコード「Cloud Pay」や「Cloud Pay ビジネス」の展開が加速しています。一方、テイクレート競争や固定費増への対応として組織・開発体制の刷新を進めており、プロダクト開発やセールスエンジニアの増強が不可欠となっています。
ロングタームインキュベーション(LTI)
事業内容:カカクコムとの連携を含むメディア事業、アプリ外課金「アプリペイ」、不動産DX「Musubell」等の新規事業を展開。
業績推移:収益12,651百万円(前期比-6.8%)、税引前利益1,752百万円(前期比+80.8%)。新規事業の損益改善が貢献。
注目ポイント:カカクコムの非公開化に伴い事業構成の再編が見込まれるものの、「アプリペイ」や「Musubell」などの戦略新規事業が収益化フェーズへ移行し、事業損失が大幅に縮小しました。メディアと決済・DXを掛け合わせた独自のビジネスモデル開発において、事業企画やプロダクトマネージャーの需要が高まっています。
グローバル投資インキュベーション(GII)
事業内容:国内外の有望スタートアップ(Fintech、AI等)への投資・育成およびエコシステム構築。
業績推移:収益1,147百万円(前期比+97.0%)、税引前損失1,218百万円(前期の8,946百万円の損失から大幅赤字縮小)。
注目ポイント:Ion Pacific社との戦略的提携により、保有資産の大部分を共同ファンドへ移行する「ファンド型投資」へのシフトを推進しています。バランスシートを圧迫しない資本循環モデルへ転換し、投資先スタートアップと自社決済事業(PS)とのオープンイノベーションを推進する事業共創人材の重要性が増しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.13
デジタルガレージは、保有スタートアップ株式の公正価値評価の変動等を理由に翌期の連結業績予想を非開示としていますが、事業ポートフォリオ再編を含む新中期経営計画の公表に向けた準備を進めています。特に注力されるのは、りそなグループとの戦略連携による「Digital Garage Bank(DG Bank)」構想です。中小企業向けにBaaSやAIを活用した金融オーケストレーション基盤を提供する予定であり、金融×ITの融合領域において大規模なプロダクト開発と組織強化が予想されます。
さらに、カカクコム再編で生じる売却益を活用した約200億円規模の成長投資や、投資事業のファンド型への転換によって経営基盤の安定化(Stabilization)を図ります。決済事業(DG Financial Technology)のマネジメント体制刷新や組織再編も同時に進むため、エンジニア層のみならず、組織改革や金融プロダクト立ち上げを牽引できるハイクラス人材の採用機会が拡大しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
デジタルガレージは「第二創業」として、単なる決済代行を超えた「決済×金融×データ×AI」の統合プラットフォーム企業への変革を推進しています。選考では、KDDIやりそなグループ等の大型アライアンスを活かした事業規模拡大に対し、自身の専門性(金融システム開発、SaaS事業立上げ、データ解析等)をどう掛け合わせられるかを提示することが強力なアピールになります。また、投資事業のファンド化やメディア事業再編など、動的なポートフォリオ転換に柔軟に対応できる不確実性への耐性と主体性が評価されます。
面接での逆質問例
①「りそなグループとの協業による『DG Bank』プロジェクトにおいて、貴社が主導するBaaS基盤構築で直面している開発・組織上の課題は何でしょうか?」
②「カカクコムの非公開化とメディア事業再編に伴い、主力のPS(決済)セグメントと各戦略新規事業間のデータ連携・顧客相互送客は今後どのように進化させる計画ですか?」
③「決済事業におけるテイクレート競争から脱却するために、新体制下で注力する高付加価値サービス(データ分析・AI導入等)の開発優先順位について教えていただけますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
派閥争いが恒常化しており、誰につくかというのが非常に大事
・どの会社でもある話だが、ベンチャーマインド等を標榜してるが、派閥争いが恒常化しており、誰につくかというのが非常に大事。 ・運が悪いと仕事のパフォーマンスが良くても、あるレイヤー以上の出世は望めない。 ・一部の優秀なミドルマネジメント層の退職が相次いでおり、空洞化していると聞く。
(法人営業・30代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- デジタルガレージ 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- デジタルガレージ 2026年3月期 決算説明資料



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