0 編集部が注目した重点ポイント
①協栄産業連結化と新光商事TOBを実施
2026年3月期第2四半期より協栄産業を連結子会社化したほか、2026年5月には新光商事へのTOB(約460億円)を発表しました。連続的な大規模M&Aによりエレクトロニクス商社としての規模拡大と設計・製造機能の強化が急速に進んでおり、エンジニアや各種営業職でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。
②売上高6,589億円で過去最高益を更新
2026年3月期通期の連結売上高は前期比20.3%増の6,589億41百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比82.0%増の310億99百万円となり、3期ぶりに過去最高を更新しました。汎用メモリの需給逼迫に伴うスポット販売(約411億円)の積極展開と新規連結効果が業績を大きく牽引しています。
③株主還元強化と144億円の自社株消却
中期経営計画に基づき配当性向目標を30〜40%へ引き上げ、年間配当は前期から30円増配の1株当たり140円を実施しました。さらに主要取引銀行から政策保有株式を取得し144億円相当の自己株式を消却するなど、資本効率重視の姿勢を明確に打ち出しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.4
売上高
6,589.4億円
前期比 +20.3%
営業利益
278.2億円
前期比 +17.9%
経常利益
299.3億円
前期比 +32.5%
親会社株主帰属純利益
310.9億円
前期比 +82.0%
2026年3月期通期は、主力の電子部品事業においてAIサーバー向けを中心とした汎用メモリの需給逼迫に対応し、独立系商社の調達力を活かしたスポット販売(約411億円)が大きく売上を押し上げました。加えて第2四半期からの協栄産業(売上高403億60百万円)の新規連結が寄与したほか、企業買収に伴う負ののれん発生益77億97百万円等を計上し、全段階利益で二桁増益を達成しました。
期初公表の通期公表計画(売上高6,200億円、営業利益270億円)に対する達成率は、売上高が106.3%、営業利益が103.1%となり、通期計画を上回るきわめて順調な着地となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.9
電子部品事業(注:第2四半期より協栄産業を新規連結)
【事業内容】
半導体・一般電子部品の開発・販売およびEMS(電子機器の受託生産)事業のグローバル展開。
【業績推移】
売上高5,688億34百万円(前期比20.3%増)、セグメント利益193億4百万円(前期比14.0%増)。
【注目ポイント】
メモリ製品の逼迫に対応した約411億円のスポット販売に加え、協栄産業の新規連結が成長に貢献しました。EMSビジネスでも海外拠点の設備増強が奏功し空調機器・医療機器向けが好調です。調達力とグローバル生産網の強化に伴い、デバイス商社営業や海外工場管理人材の重要性が高まっています。
注目職種:半導体・電子部品営業、EMS生産管理・製造技術エンジニア
情報機器事業
【事業内容】
パソコン・PC周辺機器、家電製品、写真・映像関連商品等の販売および電気・通信工事。
【業績推移】
売上高541億82百万円(前期比27.0%増)、セグメント利益44億44百万円(前期比34.4%増)。
【注目ポイント】
GIGAスクール構想第二期の需要取り込みや、AIパソコン等の新製品効果、Windows10サポート終了に伴う買替需要が寄与しました。大手コンビニや金融機関向けLED工事、太陽光パネル工事も推移しており、文教・法人向けソリューション提案営業の採用ニーズが拡大しています。
注目職種:文教・法人向けITソリューション営業、ネットワーク施工管理
ソフトウェア事業
【事業内容】
CG映像制作、アミューズメント関連商品の企画・開発。
【業績推移】
売上高33億7百万円(前期比2.4%減)、セグメント利益3億65百万円(前期比28.2%減)。
【注目ポイント】
大型受注案件の反動で通期減収減益となったものの、第2四半期以降は黒字化が定着しています。アミューズメントやゲーム分野でのコンテンツ需要に応えるため、高い表現力を持つCG制作クリエイターのスキル発揮の場が維持されています。
注目職種:CGデザイナー、3D CGクリエイター、映像制作ディレクター
その他事業
【事業内容】
エレクトロニクス機器の修理・サポート、アミューズメント機器の製造・販売、スポーツ用品販売。
【業績推移】
売上高326億17百万円(前期比13.1%増)、セグメント利益34億87百万円(前期比28.8%増)。
【注目ポイント】
PC製品の値上げ背景からリサイクル・リユースビジネスが好調に推移し、米国向けアミューズメント機器ビジネスも増収を維持しました。リユース事業開発や機器設計人材の活躍が事業を後押ししています。
注目職種:リサイクル・リユース事業推進、アミューズメント機器設計開発
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.33
2027年3月期の連結業績予想は、売上高6,450億円(前期比2.1%減)、営業利益285億円(前期比2.4%増)を見込んでいます。前期の一時的なスポット販売(約411億円)が剥落するため表目の売上高は減少しますが、売上総利益率の改善と経費管理徹底により実態ベースでの増益基調を維持する見通しです。
また『中期経営計画2027』の2年目として、2026年5月に新光商事へのTOB(買収代金約460億円)を発表しました。新光商事が抱える300名超のエンジニアリソースとLSIデザインセンターを取り込むことで、グループ最上流の設計・開発力とEMS基盤の統合を加速させます。技術開発からM&A統合(PMI)までこなせる専門人材の重要性が急速に高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
加賀電子は、商社機能だけでなくEMS(受託製造)やソフトウェア開発まで手掛ける独自の事業モデルを有しています。近年は協栄産業の買収や新光商事へのTOBなど大胆なM&Aによる規模拡大を推進しており、「商社×製造」のシナジー創出に関心があることを示せると強力です。また、タイの新工場設立に見られるオートメーション化や、独立系商社としての圧倒的な調達力を背景にした提案スタイルに魅力を感じている点をアピールしましょう。
面接での逆質問例
質問例1:
「協栄産業や新光商事といった企業買収が進む中で、貴社の営業・技術組織においてグループ内のシナジー創出や顧客相互開拓のために取り組んでいる具体的プロジェクトはありますか?」
質問例2:
「タイ新工場やシンガポール拠点の立ち上げなど、海外拠点の自動化・小ロット対応が強化されていますが、中途採用者に求められるグローバルでの役割や期待値について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
実力主義の企業
半導体、電子部品、EMS等の商社ですが、他にやりたい事があり、退職しました。 この業界では、順調に拡大してきたと思いますが、今後はなかなか難しいと思います。 本体は出来る人は結構居ると思いますが、40代以上の方もたくさん居て、多少年功序列制に近いものを最後は感じました。 本体は実力主義の企業だと思います。
(法人営業・40代前半・男性) [キャリコネの口コミを読む]最近の若手や中途入社の人には馴染む事が難しい
経営層になればなるほど“加賀イズム”という創業者が掲げる精神を遂行しようとしており、最近の若手や中途入社の人には馴染む事が難しいと思われる。
({年代・性別・職种}) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 加賀電子 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 加賀電子 2026年3月期(第58期)決算説明会資料



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