0編集部が注目した重点ポイント
① アレグロの連結除外等により売上高は801億円へ減少する
2024年8月に子会社であったAllegro MicroSystems, Inc.を持分法適用関連会社へ変更(連結除外)したこと等により、通期売上高は801億円(前年同期比34.1%減)となりました。パワー半導体専業メーカーとしての事業ポートフォリオ再構築を進めており、主要領域へのリソース集中を図っています。
② 中国市場のシェア下落を受け石川・山形等で構造改革を推進する
中国白物家電市場における自国製半導体シフト等で売上減となり営業損失47億円を計上しました。これに対し、石川サンケンの志賀工場閉鎖に伴う特別退職金24億円の計上や、山形サンケンでの希望退職者募集(約65名)など、固定費削減に向けた構造改革を即座に実行に移しています。
③ 戦略室新設と他社提携により2027年3月期の黒字化を目指す
2026年1月1日付で「アジア戦略室」を新設したほか、ミネベアパワーデバイスとの後工程生産協業・共同開発の技術提携や、株式会社パウデックの買収(次世代GaNデバイス開発)を推進しています。これらの戦略的施策により、2027年3月期通期での営業利益14億円への黒字転換を目指しています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会 P.5
売上高
801億円 (前年同期比 34.1%減)
営業利益
△47億円 (前年は △37億円)
経常利益
△88億円 (前年は △142億円)
当期純利益
△97億円 (前年は 509億円)
2026年3月期の連結業績は、売上高が前年同期比34.1%減の801億円、営業損失が47億円となりました。子会社Allegroの連結除外(持分法適用関連会社化)や、中国白物家電市場における自国製半導体へのシフトに伴うシェア下落、金属建値高騰が主な減収減益要因です。特利として持分変動利益等を計上したものの、石川サンケンでの特別退職金24億円等を計上し、純損失97億円となりました。
進捗状況の評価としては、市場の急変に伴い業績は厳しさを増しましたが、期中に発表された修正予想(売上高788億円、営業損失60億円)との比較では売上・利益ともに想定を上回る着地となりました。固定費削減や後工程の生産再編効果が出始めており、次期の黒字化に向けた構造改革が着実に進展しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会 P.7
自動車市場
事業内容:車載向けパワーモジュールやパワーデバイスの開発・製造・販売を行っています。
業績推移:売上高は313億円(前年同期比0.9%減、構成比39.2%)とほぼ横ばいで推移しました。
注目ポイント:EV(電気自動車)の伸び悩みがあったものの、内燃機関車(ICE)やハイブリッド車(HEV)向け需要が粘り強く維持されました。電動コンプレッサー向けインテリジェントパワーモジュール(IPM)の新規搭載が進むなど、中長期的な車載電動化・高効率化を支えるパワー半導体開発の専門人材が必要とされています。
注目職種:車載向けパワー半導体開発エンジニア、技術営業、品質保証担当
白物家電市場
事業内容:エアコンや洗濯機などの家電省エネ化を実現するパワーモジュールを提供しています。
業績推移:売上高は364億円(前年同期比21.5%減、構成比45.5%)と減少しました。
注目ポイント:中国市場での自国製半導体シフトにより影響を受けましたが、「アジア戦略室」を新設しインドや欧州など新市場への積極提案を進めています。韓国・インド顧客での新規案件獲得を強力に推進するグローバル営業やアプリケーションエンジニアの期待が高まっています。
注目職種:アジア・グローバル営業、フィールドアプリケーションエンジニア(FAE)、マーケティング担当
産機・民生市場
事業内容:産業機器、業務用空調、データセンター向け電源ICやモジュールを供給しています。
業績推移:売上高は107億円(前年同期比9.8%減、構成比13.4%)となりました。
注目ポイント:産業機器全般の調整局面の影響を受けましたが、AIデータセンターのチラー冷却水循環ポンプ向けや業務用空調向けなど、高成長領域への参入を進めています。電力需要加速に対応する高耐圧・高効率製品の開発人材が重要視されています。
注目職種:電源IC回路設計エンジニア、産業機器向けソリューション営業
その他市場
事業内容:旧ユニット事業およびアレグロ製品の売上等を含みます。
業績推移:売上高は15億円(前年は315億円)となりました。
注目ポイント:ノンコア事業の整理・撤退および子会社持分法化に伴う縮小であり、自社の強みであるパワー半導体領域へリソースを集中させる戦略的再編の一環です。
注目職種:事業再編・グループ戦略担当
地域別分析(日本・アジア・欧米)
事業内容:各地域の自動車・家電・産業機器メーカーへパワー半導体を供給しています。
業績推移:日本が314億円(前年比26.3%増)、アジアが444億円(同28.4%減)、欧米が26億円(同10.9%減)でした。
注目ポイント:日本市場での車載向け堅調推移が全体の底上げに貢献しました。今後はアジア戦略室を中心にインドや東南アジアでの新規獲得を強化するとともに、欧米顧客でのデザインイン活動を推進するため、グローバルに活躍できる営業・技術人材が不可欠です。
注目職種:海外営業、グローバルマーケティングスペシャリスト
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会 P.13
2027年3月期の通期業績予想として、売上高865億円(前期比7.9%増)、営業利益14億円(黒字転換)を見込んでいます。白物家電市場でのインド・欧州・韓国顧客の新規獲得や、金属建値高騰に対する適正売価の獲得に加え、石川サンケンの志賀工場閉鎖などの構造改革効果や山形サンケンでの希望退職者募集(約65名規模)を通じた固定費削減策が黒字化を強力に後押しします。
さらに、ミネベアパワーデバイスとの後工程生産協業や株式会社パウデックの買収(次世代GaNデバイス開発)など、外部パートナーシップを活用した成長戦略を推進しています。「モビリティ戦略室」「アジア戦略室」での新体制のもと、構造改革を経て再成長フェーズへと移行する同社において、技術開発から海外営業、生産革新に至る幅広い領域で経験豊富な専門人材が急募されています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
サンケン電気は、アレグロの持分法適用会社化や徹底した構造改革を経て、自社の強みであるパワー半導体(IPM等)に経営リソースを集中させる大きな転換期にあります。志望動機では、同社が推進する「アジア戦略室やモビリティ戦略室を通じた新規市場獲得」や「他社との技術提携・M&Aを活用した製品開発」に対し、自身のスキルや経験をいかに還元できるかを具体的に述べることが重要です。変化に柔軟に対応し、V字回復と再成長を共にする意欲を示すことが高く評価されます。
面接での逆質問例
- 「アジア戦略室」や「モビリティ戦略室」の設立により、従来の開発・営業プロセスにおいてどのようなスピード感や顧客提案の変化が生じていますか。
- ミネベアパワーデバイスとの提携やパウデックの買収など外部リソースの活用を進めていらっしゃいますが、中長期的な製品開発の中で特に注力されている技術領域は何でしょうか。
- 各生産拠点(石川・山形等)での構造改革が進む中、今後の生産性向上や原価低減に向け現場のエンジニアや管理部門にどのような役割が期待されていますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
独自性をほとんど打ち出せていない
とある年には外国人留学生を大量に採用したりするなど、世間のムードに合わせて右へ倣えのことばかりしているような印象があり、独自性をほとんど打ち出せていないです。
(20代後半・ハードウェア関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- サンケン電気 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- サンケン電気 2026年3月期 決算説明会



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