0 編集部が注目した重点ポイント
①営業利益1,352億円で過去最高益を更新する
2026年3月期は、完成工事高の進捗や不動産賃貸事業のストック収益拡大に加え、不動産開発事業の伸長が大きく寄与しました。連結営業利益は前年同期比13.8%増の1,352億56百万円に達し、過去最高益の更新を達成しています。
②不動産開発が売上1,470億円と急成長を遂げる
株式会社アスコットの連結子会社化や投資用マンション・収益不動産販売が好調に推移し、開発事業の売上高は前年同期比186.5%増と跳ね上がりました。従来の請負主軸から脱却し、事業ポートフォリオの多角化を加速させています。
③THEグローバル社の完全子会社化へTOBを開始する
2026年4月に株式会社THEグローバル社の完全子会社化を目指す株式公開買付けを開始しました。首都圏都心部におけるマンション開発力・仕入力の強化を狙いとしており、都市型開発領域でのキャリア機会が一段と拡大する見通しです。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会 P.5
当期の実績は、期初計画(営業利益1,250億円)を102億円上回り、計画を大きく超過して着地しました。建築費や人件費の高騰といった逆風があったものの、請負建築における価格改定の浸透や、高水準の賃貸入居率(家賃ベース居住用98.0%)に伴う家賃収入増が業績を強力に下支えしています。
期初に掲げた通期業績計画に対する達成率は、売上高・各利益項目ともに100%を超えており、極めて順調な事業進捗を証明する結果となりました。強固なストック収益を基盤に、成長投資を拡大させる好循環が確立されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会 P.54
建設事業
【事業内容】
賃貸住宅を中心とした土木・建築工事の企画・設計・施工全般を担います。
【業績推移】
完成工事高は5,442億83百万円(前期比0.6%増)、営業利益は人件費等の上昇により451億48百万円(同4.2%減)となりました。
【注目ポイント】
資材価格や労務費の上昇に対し、適切な価格改定を推進したことで完成工事総利益率は25.4%へ改善しました。三大都市圏へのエリアシフトやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス:断熱性能を高め省エネ・創エネを行う住宅)仕様の提案強化を進めており、高付加価値提案を行える施工管理や設計人材の需要が高水準で続いています。
不動産賃貸事業
【事業内容】
一括借上(サブリース)、賃貸仲介、建物管理、家賃保証事業等を展開します。
【業績推移】
売上高は1兆2,030億91百万円(前期比3.3%増)、営業利益は855億54百万円(同6.5%増)と増収増益を達成しました。
【注目ポイント】
管理戸数は135万戸を突破し、居住用入居率98.0%という極めて高水準な運用実績を誇ります。大東建託パートナーズや大東建託リーシングを中心に、管理家賃単価の上昇と入居者向け付加価値サービスの拡充が進んでおり、プロパティマネジメントおよび賃貸仲介営業の組織力強化が最重要視されています。
不動産開発事業
【事業内容】
収益不動産の買取再販・開発販売、都市型投資用マンションの開発等を行います。
【業績推移】
売上高は1,470億83百万円(前期比186.5%増)、営業利益は185億35百万円(同259.8%増)と爆発的な拡大を記録しました。
【注目ポイント】
株式会社アスコットの連結化に加え、大東建託アセットソリューションによる収益不動産販売が大幅に伸長しました。首都圏での事業基盤が急拡大しており、用地仕入れから企画、機関投資家等への売却までを手掛けるディベロッパー経験者や不動産アクイジション人材の採用が加速しています。
金融事業
【事業内容】
施主向け建築資金融資事業や少額短期保険の引き受け等を手掛けます。
【業績推移】
売上高は128億8百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益は調達金利上昇の影響を受け63億86百万円(同4.5%減)となりました。
【注目ポイント】
金利上昇環境において、施主の円滑な資金調達を支援する大東ファイナンスの重要性が高まっています。総資産の10%超を占める基幹機能として、財務・融資審査の高度化を担う金融専門人材の存在価値が向上しています。
その他の事業
【事業内容】
LPガス・都市ガス供給、デイサービス等の介護・保育事業、海外ホテル事業等を運営します。
【業績推移】
売上高は902億83百万円(前期比5.7%増)、営業利益は195億19百万円(同1.8%減)となりました。
【注目ポイント】
ガスパルグループによるLPガス供給戸数の増加やケアパートナーにおける施設拡充が進んでいます。なお持分法適用関連会社であった株式会社ソラストの株式譲渡を予定しており、生活インフラ領域におけるグループシナジーの高い事業への選択と集中を推進しています。
地域別動向(受注・管理戸数の傾向)
【事業内容】
全国各エリア(首都圏・関東・東海・近畿・その他都市圏等)における事業展開状況です。
【業績推移】
関東エリアの受注高は2,195億円(首都圏1,835億円で前期比7.1%増)となり、東海862億円、近畿865億円と三大都市圏が牽引しています。
【注目ポイント】
管理戸数は関東が37.6万戸(全体の28.5%、首都圏20.0%)、東海21.4万戸、近畿16.2万戸、九州・沖縄17.6万戸と全国に厚い基盤を持ちます。人口動態や家賃相場に応じた都市部への営業戦力シフトと地域密着型管理の強化が同時に進行しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会 P.31
2027年3月期の連結業績予想は、売上高2兆500億円(当期比3.3%増)、営業利益1,420億円(同5.0%増)、経常利益1,400億円(同0.6%増)、当期純利益1,080億円(同9.1%増)を見込んでいます。中期経営計画(2024~2026年度)の重点方針である「人的資本経営の推進」「強固なコア事業の確立」「注力分野(不動産開発等)への対応」が着実に実を結びつつあります。
特に不動産開発セグメントでは売上高1,800億円を計画しており、THEグローバル社の完全子会社化(計画数値には未織込み)が完了すればさらなる上積みが期待されます。事業領域の急拡大に伴い、ディベロッパー機能やM&A後の事業統合(PMI)を牽引できる即戦力人材の獲得が最重要テーマとなっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
大東建託は従来の「賃貸住宅の請負建築」にとどまらず、135万戸超の管理ストックを基盤とした総合不動産・住生活グループへの進化を遂げています。特に近年はアスコットの連結やTHEグローバル社の買収提案など、都市型不動産開発事業の強化が目覚ましいスピードで進行しています。
志望動機を作成する際は、「安定したストックビジネス基盤の上で、新規事業や開発事業のスケールにどう貢献できるか」という視点を盛り込むことが有効です。建築・設計・施工管理の経験者であれば高付加価値なZEHや中層建築への対応力を、営業・企画職であれば用地仕入や出口戦略の多様化に対する自らの専門性を結びつけると説得力が高まります。
面接での逆質問例
面接の場では、公開情報への深い理解を示しつつ、現場組織の課題や今後の戦略に関する質問を投げかけることで熱意とビジネス感度をアピールできます。
- 「不動産開発事業の売上が急拡大していますが、アスコット社や今後予定されるTHEグローバル社とのグループ間シナジー創出における最大の現場課題は何でしょうか?」
- 「建築費高騰に対して価格改定や三大都市圏へのシフトを進められていますが、営業現場における提案内容の変化や顧客の反応をどのように捉えていますか?」
- 「中期経営計画の『一丁目一番地』として人的資本経営を掲げられていますが、中途入社者が早期に活躍し働きがいを実感するための育成・支援体制について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
有給休暇は比較的取得しやすく
有給休暇は比較的取得しやすく、休暇制度は整っていると感じます。ただし、営業成績が芳しくないと、週末に遊ぶ余裕がなくなることもあります。
(システムエンジニア・40代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 大東建託株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日公表)
- 大東建託株式会社 2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月30日公表)



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