戸建て供給1位の大東建託 「億近い借入をさせ、夢を買わせる仕事」に耐えられない社員も

戸建て供給1位の大東建託 「億近い借入をさせ、夢を買わせる仕事」に耐えられない社員も

市場経済研究所の「全国住宅・マンション供給調査」によると、2018年度の戸建て住宅の供給戸数は大東建託が1位に輝きました。ただし株価は下がり気味で、背景には融資申請の厳格化に伴う事業環境の悪化や、建設コスト高騰の懸念などがあるとされています。現役社員・OBOGの声をまとめてみました。


「資産保護、承継にとって最良の選択なのか?」

企業口コミサイト「キャリコネ」には、大東建託の現役社員・OBOGの書き込みが残されています。コンサルティング営業を担当する30代男性は、社内で耳にする「顧客第一主義」を本当に具現化する仕事の仕方になっているのか、と疑問を呈しています。

「賃貸アパートの経営」が、地主様の資産保護、承継にとって「最良の選択である」という前提に立って営業活動が展開されているわけだが、果たして本当なのか甚だ疑問が残る。
「不確定要素の高い高額商品を夢のようなプランで購入させる」営業戦略が、果たして本当に顧客第一主義と言えるだろうか。(2018.7.9)

大東建託のビジネスモデルは「賃貸経営受託システム」と言われます。賃貸物件の計画、建設から入居者募集、および「35年間一括借上による経営代行」までを、大東建託がオーナーから受託するものです。

ただし、家賃保証が30年間続くわけもなく、5年から10年ほどで家賃の見直しも。老朽化した部屋は建設当時と同じ価格では貸し出せず、入居者の募集や客付けなどオーナーの生殺与奪は会社に握られています。

なぜそのようなリスクのある契約でも、獲得できてしまうのか。この30代営業社員は、きれいな建物が完成する光景には、それだけで「地主様(オーナー)に夢を見させる力」があると語ります。

本来は将来の日本の不動産市場を誰も予測できないにもかかわらず、根拠もなく「これで安泰だ」と思わせてしまう力があるのは事実である。しかし「想定通りいかなかったらどうするか」というリスク認識を前提にプランニングを行うのが本来の資産設計の考え方であり、その点において「億近い借入をして夢を買う」ことを奨励する行為は、明らかに顧客第一主義に逆行していると言わざるを得ない。(2018.7.9)

ノルマで追い詰め「戦死(退社)したら補充」

昨今の「働き方改革」の動きも、会社の業績の足を引っ張っています。2018年には社員を労使協定の上限を超えて残業をさせたうえ、その残業代も支払っていなかったとして、労働基準監督署から是正勧告を受けています。

これを受けて、各職場の朝礼で行われていた唱和も廃止。施工管理を担当する40代男性社員は、それまでの職場の雰囲気を次のように書き残しています。

社風が厳しい。ノルマ、ノルマ、追い詰め、追い詰め、罵声、罵声。特に営業職は兵隊扱い。「戦死(退社)したら補充をする」という考えで、常に募集中。技術職としては給料は良いが、業務内容を考えるとモラルがある感じではない。「塀の向こうに落ちなければ何をやっても良い」という雰囲気。一番大きいのは、先般噂になった「鬼十則」を毎朝全員で唱和。推して知るべき。(2017.5.27)

しかし、企画営業を担当する20代男性は、是正勧告後もノルマ達成へのプレッシャーは強く、退職を余儀なくされています。行動は個人任せで「契約の取れない社員は年収が低い典型的な営業会社」という状況は、いまも変わりないようです。

1000万、2000万の報酬を得ている社員もいるが、平均値で800万~1000万ということに気が付けないとギャップが生まれる。役職により固定給が上がるが、昇格基準は厳しい。固定給の内訳は12万+みなし残業16万+歩合給。一定期間契約をとれない場合には、月18万+歩合給となり退職を余儀なくされる。(2019.1.13)

退職者「商品と戦略が社会倫理に反する」

ノルマがあまりにもきつすぎると、どうなるか。先日問題になったかんぽ生命と同様に、不正な販売方法が横行することになります。施工管理の40代男性は、高い給与を得ながら会社をクビにならないために必要な働き方を、こう表現します。

物を売るのではなく「話し巧みに売りつける」が求められ、できない社員は追い詰められて退社させられる。良い給料が欲しいなら、よほどの覚悟(と自身のモラルの破棄)が求められる。(2017.5.27)

「自身のモラルの破棄」とはなかなか厳しい言葉ですが、コンサルティング影響を担当していた30代男性も、次のような理由で会社を後にしています。

退職理由について:求人情報と実際の就労環境に著しい相違がみられたため。販売商品、営業戦略が社会倫理に反すると感じられたため。(2018.7.9)

こちらも、かなり厳しい言葉です。2018年6月29日付週刊金曜日オンラインには「大東建託、相次ぐ社員自殺の背景」という記事もあがっています。こういう情報とあわせて「戸建て住宅の供給戸数1位」のニュースを見ると、労働環境の浄化は果たして着実に進んでいるのかという不安が拭えません。

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