0編集部が注目した重点ポイント
① 経営体制の大幅刷新でグローバル展開を加速
2026年度第1四半期よりIFRS(国際財務報告基準)の任意適用を開始します。グループ内の会計基準統一によるグローバル経営の推進や資本市場での比較可能性向上を目指しており、管理部門や海外事業に携わる人材にとって、新たな基準での業務構築に関われるチャンスとなります。
② 海外子会社の譲渡で事業ポートフォリオを最適化
前年度(2024年10月末)にライフサイエンスエンジニアリング分野を担っていたアズビルテルスター(ATL)の出資持分を譲渡し、事業ポートフォリオの見直しを実行しました。当期のLA事業の業績にはこの譲渡による減少影響が含まれていますが、経営資源を成長領域に集中させる体制が整っています。
③ 新パーパス策定と本社移転で働き方改革を推進
創業120周年を機に新ブランドステートメントを策定し、2026年5月にアズビル本社を移転します。「集まる本社」をコンセプトに、社員が自由に働く場所を選べる創造的な環境づくりを進めており、多様な人材がコラボレーションしやすい職場環境が期待できます。
1連結業績ハイライト
出典:決算説明資料 P.5
売上高
2,989億円 △0.5%営業利益
473億円 +14.0%経常利益
487億円 +15.6%親会社株主に帰属する当期純利益
385億円 △5.8%
2026年3月期の通期実績は、前年度の海外子会社アズビルテルスター譲渡の影響で売上高が前期比△0.5%となりましたが、為替影響(売上高+3.0億円)や事業譲渡の影響を除けば実質的に増収です。営業利益は、人件費等の増加をこなしつつ、価格転嫁を含めた収益力強化施策により前期比+14.0%と大幅な増益を達成しました。
当期純利益は、前年度に計上された子会社売却益(約76億円)の反動減によりマイナスとなりましたが、本業の収益性は着実に向上しています。通期業績の着地は、不確実な事業環境の中で期初計画を超過しており、極めて堅調な進捗と評価できます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明資料 P.6
ビルディングオートメーション(BA)事業
事業内容:商業建物や生産施設等に空調自動制御、セキュリティ等の製品・エンジニアリング、サービスを提供。
業績推移:売上高1,563億円(前期比+5.1%)、セグメント利益289億円(同+18.6%)。
注目ポイント:国内の都市再開発やデータセンター向けなど、大型案件の受注が好調です。カーボンニュートラル実現に向けた省エネニーズに応えるため、クラウド技術やBIM(Building Information Modeling)を活用した高付加価値サービスの開発を担える人材が求められています。
アドバンスオートメーション(AA)事業
事業内容:プラントや工場向けに制御システム、センサ、エンジニアリングおよびメンテナンス等を提供。
業績推移:売上高1,107億円(前期比+3.6%)、セグメント利益178億円(同+11.3%)。
注目ポイント:国内PA(プロセスオートメーション)の保守需要やFA(ファクトリーオートメーション)の回復により増収。MEMSセンサ等の独自技術を活用したシン・オートメーションの創造を推進しており、AIや先進制御技術を用いて工場の自律化を実現するエンジニアのニーズが拡大しています。
ライフオートメーション(LA)事業
事業内容:ガス・水道等の計量器、および住宅用全館空調システムの製造販売・サービスを提供。
業績推移:売上高333億円(前期比△28.5%)、セグメント利益6億円(同△46.2%)。
注目ポイント:(注:前年度の海外子会社譲渡に伴い単純比較は不可)ガス・水道メーターの法定交換需要という強固な基盤を持ち、現在はメーターデータとクラウドを融合させたSMaaS(Smart Metering as a Service)事業へと移行中です。新たなサービスモデルの企画・開発を担える人材が不可欠です。
その他
事業内容:保険代理業およびグループ内のソフトウェア開発業務等。
業績推移:売上高9億円、セグメント利益11百万円。
注目ポイント:当期よりアズビル情報技術センター(大連)有限公司を新規連結し、グループ内のソフトウェア開発体制を強化しています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明資料 P.14
次期(2027年3月期)の業績計画は、新たに適用するIFRS(国際財務報告基準)ベースで、売上収益3,150億円(前年比+5.4%)、本業の収益力を示す事業利益※は482億円(同+4.3%)の増収増益を計画しています。中東情勢の緊迫化による資源価格や物流・調達面への影響については、現時点で確認できる不確実性を織り込んでいます。
インフレに伴う人件費や部材費の高騰が見込まれる中でも、同社はDX推進や人的資本への成長投資を加速させています。特に、既存の顧客基盤へのサービス提供を行う「ストック事業」の強化が進んでおり、プラントやビルの脱炭素化、安定稼働をサポートするIT技術者やエンジニアにとって、安定した基盤の上で新しい技術に挑戦できる魅力的な環境が用意されています。
※事業利益 = 売上収益 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費(本業の収益力を測る指標)
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
アズビルは、スマートメーターからのデータ活用(SMaaS)や、プラントでのAI活用など、単なる機器売りから高付加価値なサービス提供へのシフトを鮮明にしています。自身の経験(ITインフラ、データ分析、顧客提案など)が、同社の強みである豊富な顧客基盤(ストックビジネス)に対して、どのように新しい価値を生み出し、脱炭素などの社会課題解決に貢献できるかを具体的に語ることが重要です。
面接での逆質問例
- 2026年5月の本社移転において「集まる本社」というコンセプトが掲げられていますが、配属予定の部署では、部門の垣根を超えたコミュニケーションをどのように業務に活かしていく方針でしょうか?
- LA事業で推進されているSMaaS(Smart Metering as a Service)において、現在最も技術的・事業的にブレイクスルーを必要としているのはどのような部分ですか?
- 中期経営計画におけるDX推進と人的資本への投資が印象的ですが、中途入社者が自身の専門性を早期にキャッチアップし、既存のエンジニアリングチームと協業するためのサポート体制について教えてください。
5転職者が知っておきたい現場のリアル
成長を実感できる職場
幅広い業務を経験できる環境で、若手でも責任ある仕事に挑戦する機会が多くあります。先輩のサポートを受けながら、ネットワークの知識や顧客とのコミュニケーションスキルを磨くことができ、社会人としての基礎をしっかりと築けました。
(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]若手社員の待遇については、改善の余地がある
若手社員の待遇については、改善の余地があると感じます。特に、数年働いた後に時給の見直しを求めた際、理由もなく却下されることがあり、透明性に欠ける部分があります。
(20代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- アズビル株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- アズビル株式会社 2025年度(2026年3月期) 決算説明資料



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