0編集部が注目した重点ポイント
①新中計で2029年3月期に営業利益350億円を目指す
カシオ計算機は新たな中期経営計画(2026〜2028年度)を発表しました。コア事業の再成長と戦略投資を最優先とし、2029年3月期に売上高3,150億円、営業利益350億円(営業利益率11.1%)、ROE10%超の達成を目指す方針を掲げています。
②不採算事業の整理と構造改革を推進する
前中計期間において不採算領域だった旧システム事業(HR・SMB事業)の譲渡や全社固定費削減を完遂しました。持続的な成長に向けた経営基盤の強化が進んだことで、時計事業を中心とした強い収益体質への転換が加速しています。
③時計事業の2軸戦略で営業利益率14.7%を達成する
主力の時計事業において、G-SHOCKの再成長とCASIO WATCHの高付加価値化を進める2軸ブランド戦略が奏功しました。通期売上高1,850億円・営業利益率14.7%を記録し、グローバルでの顧客層拡大と収益最大化を牽引しています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算概要 及び 新中期経営計画 P.6
売上高
2,763億円 +5.5%
営業利益
231億円 +62.1%
経常利益
257億円 +81.8%
当期純利益
182億円 +226.0%
2026年3月期の通期連結業績は、売上高2,763億円(前年同期比5.5%増)、営業利益231億円(同62.1%増)、経常利益257億円(同81.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益182億円(同226.0%増)となり、売上高・各利益指標ともに大幅な伸びを示しました。ROEも前年の3.6%から8.0%へ急改善しています。
期初公表の通期計画(売上高2,740億円、営業利益220億円)に対しても、それぞれ2,763億円、231億円で着地しており、通期予想を上回る順調な進捗で成果を収めました。不採算事業の整理と固定費削減の効果が着実に結実しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算概要 及び 新中期経営計画 P.16
時計事業
事業内容:G-SHOCKやCASIO WATCHをはじめとするウオッチおよびクロックの開発・製造・販売を担う中核事業です。
業績推移:売上高1,850億円(前年同期比11.3%増)、営業利益271億円(同33.8%増)、営業利益率14.7%。
注目ポイント:定番モデルの再訴求や若年層向けマーケティングの成果によりG-SHOCKが復調したほか、CASIO WATCHが若い世代や女性層を中心にグローバルで拡大しました。インド・アセアン等の成長エリアへの展開や自社EC・直営戦略の強化に伴い、グローバルマーケティングや店舗企画の専門人材が求められています。
注目の職種:グローバルブランドマーケター、直営EC/店舗企画プロデューサー
コンシューマ事業
事業内容:電子辞書や関数電卓、電子文具などのEdTech(教育)製品および電子ピアノ等のサウンド(楽器)製品を展開しています。
業績推移:売上高821億円(前年同期比0.0%増)、営業利益34億円(同57.8%増)、営業利益率4.2%。
注目ポイント:関数電卓事業が売上構成比約85%・営業利益率16.1%を誇り高収益を維持する一方、サウンド事業は不採算エリアの改革と人員適正化を進行中です。ClassPad.netなど教育ICTサービスの拡充に向け、サービス開発エンジニアや新興国向けの営業企画職の需要が高まっています。
注目の職種:教育ICTサービス開発エンジニア、海外GAKUHAN事業推進担当
その他事業
事業内容:成形部品や金型の製造・販売のほか、事業再編を進める非継続事業等を含んでいます。
業績推移:売上高92億円(前年同期比31.7%減)、営業利益-13億円(前期-20億円から赤字縮小)。
注目ポイント:旧システムセグメントに含まれていたHR・SMB事業の譲渡を完了し合算表記へ移行しました。事業ポートフォリオのスリム化と構造改革を断行したことで、全社の資産効率向上とコア事業への集中が実現されています。
注目の職種:構造改革・PMO担当、サプライチェーン管理スペシャリスト
新規事業(ウェルネス・R&D)
事業内容:AIペット「Moflin(モフリン)」を軸としたパーソナルウェルビーイング領域や、音響・光学アセットを活用した新領域を開発しています。
業績推移:新中期経営計画において独立組織化され、2029年3月期に売上高100億円規模および黒字化を目指します。
注目ポイント:社長直轄の独立組織として再編され、R&D体制との連携を強化しています。グローバル展開やコミュニティビジネスの創出に向けて、0から1を生み出す事業開発人材やAI・ロボティクス技術者の積極的な参画が期待されています。
注目の職種:新規事業開発プロデューサー、AI/ロボティクス設計エンジニア
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算概要 及び 新中期経営計画 P.17
2027年3月期(2026年度)の通期計画は、売上高2,950億円(前期比6.8%増)、営業利益260億円(同12.7%増)とさらなる増収増益を見込んでいます。新中期経営計画(2026〜2028年度)では、手元余剰資金500億円を含めた1,350億円のキャッシュ配分原資を活用し、M&Aやブランド投資などの戦略投資に300億円を最優先配分する方針です。
また、羽村技術センター建て替えや全社AI活用、次世代ERP導入などのDX基盤構築に200億円を投じます。人的資本経営の推進やR&D体制の強化にともない、DXスペシャリスト、グローバル事業推進者、先端技術研究者など多岐にわたる専門キャリアの募集が活性化すると期待されます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
カシオ計算機が進める「コア事業の再成長」と「新規ウェルネス領域の確立」という明確な成長ストーリーへの共感が鍵となります。G-SHOCKやCASIO WATCHの2軸戦略や教育ICT化、AIペット「Moflin」のグローバル展開において、自身の専門スキルがどのように事業拡大へ貢献できるかを具体的に論理展開することが有効です。
面接での逆質問例
- 新中計で掲げられている「戦略投資300億円」の具体的な配分先として、どのようなM&Aやアライアンスを想定していますか?
- AIペット「Moflin」をはじめとする新規事業組織の独立化に伴い、中途採用者に求められるリーダーシップや期待役割は何ですか?
- 全社DXや次世代ERPの導入、業務AI活用を推進する中で、情報システム・DX部門が解決すべき最重要課題は何ですか?
5転職者が知っておきたい現場のリアル
ブランドの認知度は高く信頼性も抜群
G-Shockや電子楽器、電子辞書、プロジェクターなど、幅広い製品を自社で開発・製造し、世界中に展開している企業です。
上級ポジションへの道は狭く
中堅社員までは比較的スムーズに昇進できますが、上級ポジションへの道は狭く、限られた人しか挑戦できないのが現状です。
(30代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算概要 及び 新中期経営計画
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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