0 編集部が注目した重点ポイント
①売上高3,411億円で過去最高を更新し営業利益も84.5%増益を果たす
2026年3月期の連結業績は、手持大型工事の順調な進捗により売上高が前期比16.4%増の3,411億円と過去最高を更新しました。採算性の改善施策が結実し、営業利益も前期比84.5%増の163億円へと急拡大しており、収益基盤の力強い回復を示しています。
②2026年6月より新社長体制へ移行し経営基盤を刷新する
2026年6月下旬より久田浩司氏が代表取締役社長に就任し、監査等委員会設置会社へ移行する予定です。監督機能の強化と意思決定の迅速化を図り、ガバナンスを高度化させます。新体制下で事業変革が一段と加速するため、中途採用者にとっても新たな挑戦機会の拡大が期待されます。
③個別受注高4,089億円を達成し好採算工事への入替を加速させる
個別受注高は前期比7.3%増の4,089億円に達し、前年に続き過去最高を塗り替えました。渋谷再開発案件の確実な受注に加え、コスト変動の適正反映と採算重視の選別受注を徹底したことで、手持工事全体の利益率水準が大幅に改善しています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会 P.3
当連結会計年度は、建築および土木における大型施工案件の順調な進捗を背景に、売上高が過去最高を記録しました。営業利益は期初計画比でも71.6%上振れ、資機材や労務費の高騰局面において価格転嫁が進んだことや不採算工事の抑制が寄与しました。純利益には政策保有株式および固定資産の売却益が加わり、最終利益は前期比2倍超の水準に達しています。
期初業績予想に対する達成状況の評価としては、売上高・各利益項目ともに計画を大きく上回って着地しており、業績の進捗は極めて順調な結果となりました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会 P.4
建設事業(建築)
【事業内容】
国内のオフィスビル、商業施設、学校、医療施設、集合住宅等の新築・改修工事全般を展開しています。
【業績推移】
完成工事高は前期比18.0%増の2,592億36百万円、セグメント利益は前期比31.1%増の154億99百万円となりました。
【注目ポイント】
渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期をはじめとする渋谷駅周辺の大規模再開発や、データセンター需要の獲得が進んでいます。都市部特有の難条件施工を遂行するため、BIM(Building Information Modeling:3次元デジタル建築モデル)を活用した設計・施工計画の高度化が急務です。高度な都市開発プロジェクトを統括できる建築施工管理技術者への需要が急増しています。
建設事業(土木)
【事業内容】
鉄道近接工事、山岳・シールドトンネル、道路、上下水道等の都市基盤および社会インフラ整備を行っています。
【業績推移】
完成工事高は前期比8.6%増の743億50百万円、セグメント利益は前期比114.4%増の97億31百万円と倍増しました。
【注目ポイント】
長工期工事における設計変更の獲得や追加工事交渉が奏功し、個別土木の利益率は16.8%へ急改善しました。トンネル工事や鉄道関連の難易度が高い現場において、CIM(Construction Information Modeling:土木3次元モデル)やICT建機を活用した生産性向上が不可欠となっています。独自トンネル技術と現場統括力を併せ持つ専門人材が強く求められています。
不動産事業等
【事業内容】
不動産の売買、賃貸、バリューアッド(不動産再生)事業、および新規領域のインキュベーションを展開しています。
【業績推移】
売上高は前期比52.8%増の75億93百万円、セグメント利益は前期比27.5%減の10億80百万円となりました。
【注目ポイント】
販売用不動産の売却により大幅な増収となった一方、前期に計上された引当金戻入要因が一巡したことで利益率は正常化しました。今後は環境配慮型不動産「TQブランド」の開発推進や、地方主要都市での優良物件取得を進める方針です。建設事業とのシナジーを生かした循環型不動産ビジネスの開拓人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会 P.15
2027年3月期の連結業績予想は、売上高3,340億円(前期比2.1%減)、営業利益165億円(前期比1.2%増)、当期純利益110億円(前期比17.9%減)を見込んでいます。個別受注高は過去最高の4,865億円(前期比19.0%増)を計画しており、豊富な繰越工事高が今後の収益を強力に下支えします。低採算案件の一巡と好採算案件の寄与により、営業利益率は前期の4.8%から4.9%へ向上する見通しです。
一方、中東情勢に伴う資機材価格高騰や労務費上昇の影響は不確定要素として注視されています。同社は長期経営計画に基づき、2021年度から2030年度までの累計で人材およびDX領域に740億円を投じる方針を明確にしており、デジタルの力で施工革新を牽引できる即戦力人材の獲得を強力に推進しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
東急建設は「都市機能を止めない技術」を最大の強みとし、渋谷再開発をはじめとする過酷な条件下での超大型プロジェクトで確固たる地位を築いています。また、2030年に向けてコア事業から戦略事業へのシフトを図り、都市型データセンターや環境不動産といった高付加価値領域への進出を積極化しています。志望動機では、単なる施工管理の経験にとどまらず、BIM/CIMを用いた施工プロセスの合理化実績や、複雑なステークホルダー間の利害を調整して工期・品質を完遂した具体的な成功体験を言語化することが極めて有効です。
面接での逆質問例
・「長期経営計画において人的資本およびDXへ740億円規模の投資を掲げていますが、現場作業所におけるBIM/CIMツールの定着度や業務削減の進捗状況について、どのような手応えや課題を感じていらっしゃいますか?」
・「都市型データセンター事業や再生可能エネルギー関連工事など戦略事業の強化が進む中で、中途入社者が既存のコア技術と新規分野を融合させてリーダーシップを発揮するために期待される行動様式を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
内勤であれば比較的自由な働き方ができる
フレックスタイム制や自宅テレワークが使え、内勤であれば比較的自由な働き方ができるため、部署ごとの判断とはなるが出産・育児・介護は考慮してもらえると思う。
(営業・50代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]堅実にリスクの少ない案件を取りに行く状況
良くも悪くも、グループから安定した受注が可能なため、ガツガツと案件を取りに行くよりも、堅実にリスクの少ない案件を取りに行く状況。昔から景気状況に左右されることが多く、今は建設業の景気が良いので業績も良いが、景気が悪化した場合は、ライバル会社のスピードに負け、業績が悪くなることが容易に想像できる。請負業以外の安定した収益確保が課題と思われる。
(営業・50代後半・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月20日)



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