0編集部が注目した重点ポイント
①北米シェール資産を拡大し海外収益を強化
海外セグメントにおいて、北米シェール資産(ロッククリフ・シェブロン資産)の拡大による成長領域へのシフトを推進しています。一方で東京ガスオーストラリア社の解散を決議しており、事業ポートフォリオの入れ替えを通じた海外事業の体制強化が伺えます。
②ホテル改修完了で都市ビジネスが本格稼働
都市ビジネスセグメントにおいて、パークハイアット東京の大規模改修が完了し、通年での本格稼働を開始しました。次期以降は改修完了に伴う収益貢献と販売用不動産の売却加速が見込まれており、不動産関連のキャリア機会が広がっています。
③機動的な自己株式取得で資本効率を改善
「26-28年度中期経営計画」のもと、ROEの最重要指標化を背景に積極的な自己株式取得と累進配当を実行しています。資本効率を意識した経営のもと、生み出した資金を成長領域への投資と株主還元の双方に最適配分する動きが加速しています。
1連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料 P.9
売上高
2兆8,347億円 (前年比+7.5%)
営業利益
1,976億円 (前年比+48.5%)
経常利益
1,937億円 (前年比+70.5%)
当期純利益
2,268億円 (前年比+205.8%)
東京ガスの通期決算は、売上高が2兆8,347億円、経常利益が1,937億円となり、前年比で増収増益の堅調な結果となりました。特に親会社株主に帰属する当期純利益は、不動産等の固定資産売却の加速や為替換算調整勘定取崩益といった特別利益の計上により、前年比+205.8%の大幅な増益を達成しています。
通期実績の進捗状況の評価としては、本業のベースとなるセグメント利益においても前年度比625億円増の増益を確保しており、極めて順調な着地といえます。電力の販売量増やガスの優位な調達、そして北米シェールガス事業の販売単価上昇による海外セグメントの躍進など、各事業における好調さが高い収益性を支える原動力となっています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料 P.23
エネルギー・ソリューション
事業内容:都市ガスの製造・販売、LNG販売、トレーディング、電力、エンジニアリングソリューション等を提供する中核事業です。
業績推移:売上高2兆4,861億円、セグメント利益1,502億円と増収増益を達成しました。
注目ポイント:ガスにおける優位な調達と、電力での小売件数増や夏場の高気温影響による販売量増加が利益成長を力強く牽引しています。エネルギーの安定供給とカーボンニュートラル対応に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)投資が進んでおり、高度な需給管理やエネルギーサービスの企画に携わる人材の需要が高まっています。
💡 注目職種:電力事業の需給管理・トレーディング担当、脱炭素ソリューションの企画・提案営業、エネルギーインフラのエンジニア
ネットワーク
事業内容:安全かつ安定的な都市ガスの託送供給網の運用・管理を担う事業です。
業績推移:売上高3,344億円、セグメント利益41億円となり、増収増益を記録しました。
注目ポイント:低気温影響による家庭向け託送量の増加や減価償却費の減少が収支改善に寄与しました。次期に向けてはコスト低減に努めつつ、インフラの維持更新やAIを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が求められており、レジリエンス強化を支える技術系人材の役割が重要視されています。
💡 注目職種:ガス導管網の設計・保安管理エンジニア、ネットワーク運用へのAI・デジタル技術導入を担うDX推進担当
海外
事業内容:海外における資源開発・投資、エネルギー供給事業を展開しています。
業績推移:売上高2,414億円、セグメント利益738億円と大幅な増収増益を実現しました。
注目ポイント:TGアメリカグループを通じた北米シェールガス事業において、販売単価の上昇と事業拡大が利益へ大きく貢献しています。継続的な事業ポートフォリオ見直しと低コストオペレーションの推進により安定収益基盤の構築を図っており、グローバルな事業投資管理やアセットマネジメント経験者が活躍できる環境です。
💡 注目職種:海外事業投資・アセットマネジメント担当、北米中下流事業に関する事業企画・管理、グローバルリスク管理専門家
都市ビジネス
事業内容:所有する不動産の開発、賃貸事業、および関連サービスの提供を行っています。
業績推移:売上高734億円、セグメント利益97億円となり、当期は減収減益でした。
注目ポイント:当期はパークハイアット東京のリニューアルに伴う費用増で減益となりましたが、改修完了により次期以降は通年での本格稼働と収益化が見込まれます。また、キャピタルリサイクルを目的とした不動産売却も加速しており、グループ資産の価値最大化に向けた不動産開発・流動化のプロフェッショナルが求められています。
💡 注目職種:不動産開発プロジェクトマネージャー、不動産流動化・キャピタルリサイクル戦略担当、施設運営・アセットマネージャー
3今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料 P.11
次期の見通しとしては、足元の中東情勢による地政学的リスク(原油価格の変動等)を一定程度織り込みつつ、連結売上高は4.0%の増収を見込んでいます。一方で、電力事業におけるJEPX(日本卸電力取引所)の高騰による調達単価増や発電所の大規模修繕に伴う固定費増、さらに当期に計上された特別利益の剥落により、段階損益では一時的な減益が予想されています。
しかしながら、「エネルギー」「ソリューション」「海外」の3事業を中核とする成長戦略は揺るがず、AI・デジタル技術の社会実装や北米中下流事業の持ち直し、ホテル事業の通年稼働などポジティブな材料も豊富です。中長期的な資本効率向上(ROE改善)を目指す同社では、不確実な環境下でも確実なリターンを創出できる戦略企画・デジタル人材の採用を一層強化していくと考えられます。
4求職者へのアドバイス
志望動機作成のヒント
東京ガスは現在、エネルギーインフラの枠を超えた事業ポートフォリオの変革期にあります。そのため、「安定したインフラ企業」という側面に加え、「脱炭素社会の実現に向けたGX投資」や「北米を中心とした海外事業への挑戦」「AI・デジタルを活用した顧客接点の強化」にどう貢献できるかをアピールすることが有効です。自身の専門性が、同社の持続的な企業価値向上にどのようにつながるのかを具体的に言語化しましょう。
面接で役立つ逆質問例
- 「26-28年度中期経営計画においてセグメント別ROIC管理が導入されていますが、配属予定の部門において現在最も課題となっているリソース配分のポイントは何でしょうか?」
- 「北米シェールガスなど海外事業の重要性が増していますが、国内の事業部門との連携やナレッジ共有はどのような形で進められていますか?」
- 「電力販売量が順調に増加している一方で、今後の調達コスト変動リスクが指摘されています。収益の安定化に向けて、現場レベルで特に意識されている取り組みについて教えてください。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
ハイクラスな生活は送れます
黙っていても関東の人たちはガスを使って生活するので、昨今の再生可能エネがはやることで多少は揺らぐでしょうが、ハイクラスな生活は送れます
(40代後半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度(2026年3月期) 決算説明会



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