0 編集部が注目した重点ポイント
①川越工場を閉鎖し約109億円を投資して再編を進める
関東地区の生産体制整備として、2028年度上期中を目途に川越工場の生産を終了し、海老名工場や野田工場、ルナ物産へ生産機能を集約することを決定しました。約109億円の設備投資を実施し、省人化と生産性向上を図るため、生産技術やサプライチェーン再構築を担う人材の役割が高まります。
②海外粉ミルクを撤退し成長市場へ戦略転換する
需要減が続く中国市場を踏まえ、雪印香港の撤退を決定した一方、国産CODEX規格品(国際食品規格基準品)によるベトナム拡販やカンボジア展開へ舵を切りました。赤字事業の解消と成長国への集中を進めており、海外事業の構造改革を牽引できるグローバルビジネス経験者への期待が広がっています。
③純利益が328億円へ急拡大し自己株取得を拡大する
政策保有株式の縮減等に伴う売却益により、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比136.6%増の328億円を達成しました。200億円の自社株買い実施に加え、次期も100億円の取得枠を設定するなど、資本効率改善と株主還元を積極的に推し進める姿勢を明確にしています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明会 P.5
売上高
615,761百万円
前年比: △0.0%
営業利益
18,266百万円
前年比: △4.5%
経常利益
20,486百万円
前年比: +1.1%
親会社株主に帰属する当期純利益
32,897百万円
前年比: +136.6%
2026年3月期通期の売上高は615,761百万円(前年同期比0.0%減)とほぼ前年並みで推移しました。営業利益は18,266百万円(同4.5%減)となりましたが、各種コストアップに対する価格改定の浸透や後半の物量回復により、第4四半期単体では増益へ転換しています。さらに、投資有価証券売却益29,992百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は32,897百万円と大幅な増益を記録しました。
公表計画に対する進捗状況としては、売上高が達成率100.1%、営業利益が達成率96.1%、純利益が達成率109.6%となり、全体として堅調な着地を達成しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明会 P.7
乳製品セグメント
【事業内容】
チーズ、バター、粉乳等の乳製品、油脂、機能性食品、粉ミルク等の製造および販売を手がけています。
【業績推移】
売上高は268,428百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント営業利益は10,515百万円(同1.1%増)の増収増益となりました。
【注目ポイント】
バターが価格改定後も底堅い需要を維持したほか、主力の「さけるチーズ」がプロモーション強化により過去最高の売上高を記録しました。中長期ではなかしべつ工場や阿見工場への約475億円のチーズ設備投資を進めており、製造技術者や商品開発、高付加価値ブランドのマーケティングを主導できる専門人材の重要性が極めて高まっています。
注目の募集職種:食品生産技術エンジニア、チーズ製品開発担当、ブランドマーケター
飲料・デザート類セグメント
【事業内容】
牛乳類、果汁飲料等の飲料、ヨーグルト、チルドデザートの製造および販売を行っています。
【業績推移】
売上高は260,271百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント営業利益は3,905百万円(同30.9%減)となりました。
【注目ポイント】
価格改定による物量減や野菜飲料の販売終了が響き減益となったものの、「恵megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」や「MBPドリンク」は堅調に拡大しています。生産面では川越工場の生産終了に伴い海老名・野田工場へ生産集約を図るなど、サプライチェーンの最適化を推進しており、SCM(供給網管理)改革や工場再編プロジェクト管理を推進する人材が求められます。
注目の募集職種:SCM企画推進担当、工場再編プロジェクトリーダー、機能性飲料プロモーター
飼料・種苗セグメント
【事業内容】
牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売および造園事業を展開しています(主に雪印種苗株式会社)。
【業績推移】
売上高は47,942百万円(前年同期比1.1%減)、セグメント営業利益は710百万円(同95.3%増)の大幅増益を達成しました。
【注目ポイント】
配合飼料の販売単価下落により減収となった一方、輸入原料価格の安定に伴う原価低減により利益率が大幅に改善しました。国内酪農の持続可能性を支える基盤事業として、環境配慮型酪農(リジェネラティブ農業)の普及や飼料設計コンサルティングを手がける専門人材の役割が一段と高まっています。
注目の募集職種:酪農向け飼料営業・技術指導員、種苗研究開発担当
その他事業
【事業内容】
共同配送センター事業(三和流通産業等)および不動産賃貸事業等を展開しています。
【業績推移】
売上高は39,118百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント営業利益は3,346百万円(同25.0%増)の増益となりました。
【注目ポイント】
グループ物流の効率化と共配ネットワークの運用強化により、高い収益性を確保しています。物流の「2024年問題」に対応した共同配送モデルの構築や、物流DXによる拠点オペレーションの最適化を主導できるロジスティクスエキスパートの活躍機会が広がっています。
注目の募集職種:物流ネットワーク企画担当、物流センター運営管理者
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明会 P.9
2027年3月期(2026年度)の連結業績予想は、売上高645,000百万円(前年比4.7%増)、営業利益21,000百万円(同15.0%増)、経常利益21,800百万円(同6.4%増)と大幅な営業増益への転換を見込んでいます。親会社株主に帰属する当期純利益は政策保有株式売却益の剥落により24,500百万円(同25.5%減)となる見通しですが、本業の収益力は確実に高まります。
成長戦略の柱として、マレーシアでのPBF(植物性代替食品)工場建設やベトナムでのチーズ工場稼働など、アジア市場での展開を本格化させています。さらに国内では、生成AI導入(月間4,800時間削減)や女性管理職比率向上(2025年度10.3%達成)など無形資産投資を積極化しており、組織変革と事業拡大の両面で専門人材の採用が活発化する見通しです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、「Next Design 2030」を掲げ、川越工場の集約や神戸工場の生産終了、海外粉ミルク事業の再編など、既存アセットの大変革を断行しています。面接では、単なる食品メーカーへの親近感にとどまらず、「構造改革期にある生産現場やSCMの高度化にどう貢献できるか」、あるいは「『さけるチーズ』や機能性素材(MBP)のような高付加価値領域の市場開拓に自身の専門性をどう結びつけられるか」を提示することが説得力のある志望動機につながります。
面接での逆質問例
質問例1:「中期計画において国内製造拠点の20~30%の協業・再編を掲げられていますが、今回の川越工場集約に伴う生産性向上・省人化技術の実装において、中途採用者に最も期待されるミッションは何でしょうか?」
質問例2:「海外事業において香港からの撤退とベトナム・カンボジアへの集中を進められていますが、東南アジアでのプロセスチーズや機能性素材の展開を加速させる上で、現在直面している最大の組織的課題は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
育休はとりやすく、復職率も100に近い
産休や、育休はとりやすく、復職率も100に近いと思う。営業だと時間のコントロールは大変だがサポートはあるのでこのあたりはホワイト企業だと思う
(ルートセールス・30代前半・女性) [キャリコネの口コミを読む]やってもやらなくても同じような評価
頑張ってる人ほと評価されない仕組みになっていてやる気のある人や優秀な人から辞めていく仕組みになっている。やってもやらなくても同じような評価。
(ルートセールス・30代前半・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 雪印メグミルク株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日公表)
- 雪印メグミルク株式会社 2025年度 決算説明会資料(2026年5月14日公表)



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