0編集部が注目した重点ポイント
① 営業利益が23.0%増え、計画を約38億円上回る
2026年3月期通期の営業利益は267億99百万円(前期比123.0%)となり、期初計画230億円に対して計画比116.5%で着地しました。パソコン・携帯電話・エアコンの好調で売上高は7,597億円と前期比2.9%伸び、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比50.3%増と大きく伸びています。
② 駆け込み需要で4Qのエアコン売上が33.4%伸びる
2027年4月の省エネ基準引き上げによる価格上昇懸念、いわゆる「エアコン2027年問題」の駆け込み需要が期末に向けて顕在化し、第4四半期のエアコン売上高は前年同期比133.4%に拡大しました。粗利率の高いエアコンの伸長により、4Qの売上総利益率は29.0%(前年同期28.4%)へ改善しています。
③ 新入社員120名増とベア実施で人への投資を強める
“従業員を大切にする”経営方針のもと、新入社員120名増、ベア(ベースアップ=基本給水準の引き上げ)、パート従業員の時給アップを実施し、人件費は729億円(前期比102.9%)に増加しました。2027年3月期も人件費104.1%を計画しており、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」にも認定されています。
1連結業績ハイライト
出典:株式会社ケーズホールディングス 2026年3月期 決算説明資料 P.10
売上高
7,597億円
前期比 +2.9%
営業利益
268億円
前期比 +23.0%
経常利益
306億円
前期比 +18.0%
親会社株主に帰属する当期純利益
143億円
前期比 +50.3%
売上高は7,597億10百万円(前期比102.9%)、営業利益は267億99百万円(同123.0%)となりました。売上総利益率は通期27.7%と前期並みでしたが、3Qまでは粗利率が低い携帯電話・パソコンの好調で粗利ミックス(商品構成による利益率)が悪化し、4Qに粗利率の高いエアコンが伸びて改善しました。販管費率は24.1%(前期24.7%)に低下しました。なお、前期に続き特別損失として減損損失112億55百万円を計上しています。
通期計画に対する達成率は売上高100.6%、営業利益116.5%、経常利益115.4%、当期純利益143.2%で、全項目で計画を上回る堅調な着地となりました。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:株式会社ケーズホールディングス 2026年3月期 決算説明資料 P.14
映像・音響商品
【事業内容】テレビ、ブルーレイ・DVD等、音響商品を扱う区分です。当第1四半期より売上管理区分が見直され、「映像商品」と「音響商品」を合わせて表示しています。
【業績推移】通期売上高は903億54百万円(前期比98.4%)。テレビは620億54百万円(同100.8%)と微増で、4Q単独ではテレビが108.2%と伸びました。
【注目ポイント】テレビは大型miniLEDの販売が堅調で、2027年3月期はW杯での盛り上がり、65型以上の大型テレビへの買い替え需要、『RGB MiniLED』の登場による高画質モデルの伸長が期待されています。大画面・高画質テレビの関連品としてホームシアターも注目されており、本体と関連品を組み合わせた提案力が売上拡大に直結する領域です。
情報機器
【事業内容】パソコン・情報機器、パソコン周辺機器、携帯電話などを扱う区分で、通期の売上構成比は28.0%です。
【業績推移】通期売上高は2,128億13百万円(前期比114.9%)。パソコン・情報機器が130.1%、携帯電話が118.3%と大きく伸びました。
【注目ポイント】Windows10サポート終了に伴うパソコンの買い替えと、2年前の残価設定販売方式(将来の下取り価値を差し引いて支払う販売方式)からの携帯電話の買い替えサイクル到来が追い風となりました。一方、2027年3月期はパソコンの買い替え需要が一巡し、半導体不足による価格上昇の懸念も示されています。AI搭載パソコンの普及が徐々に進むなか、商品知識に基づく提案力がより重要になる領域です。
家庭電化商品
【事業内容】冷蔵庫、洗濯機、クリーナー、調理家電、理美容・健康器具などを扱う区分で、通期の売上構成比は36.7%と最大です。
【業績推移】通期売上高は2,790億12百万円(前期比98.7%)。冷蔵庫95.4%、洗濯機98.2%と弱含む一方、調理家電は101.8%と前期を上回りました。
【注目ポイント】冷蔵庫は2010年のエコポイント購入者の買い替えサイクル到来、洗濯機は10万円を切るドラム式洗濯乾燥機の登場による縦型からの買い替え増加が見込まれています。洗剤自動投入など付加価値モデルへの買い替えで単価がアップしているとされ、住まいや世帯構成に合わせて最適なモデルを提案する接客力が問われる領域です。
季節商品
【事業内容】エアコンを中心に、季節家電や住設機器などを扱う区分で、気温や補助制度の影響を受けやすい商品群です。
【業績推移】通期売上高は1,272億55百万円(前期比105.8%)。エアコンは1,017億49百万円(同108.7%)で、4Q単独では133.4%と大幅に伸びました。
【注目ポイント】6月の記録的な高温、東京都の「東京ゼロエミポイント」補助拡充に加え、期末には「エアコン2027年問題」の駆け込みが顕在化しました。エアコンは粗利率が高く、構成比上昇が粗利押し上げ要因と位置づけられています。ただし駆け込み需要という性質上、2027年3月期計画でも下期の売上高は前同期比101.1%と上期(105.7%)より伸びが緩やかに設定されています。
その他
【事業内容】上記4区分に含まれない商品等を集計した区分です。
【業績推移】通期売上高は502億75百万円(前期比86.8%)と前期を下回り、売上構成比は7.8%から6.6%に低下しました。
【注目ポイント】本区分の内訳や増減要因について、資料内に具体的な説明はありません。全社的には、パスポート会員限定の現金値引や長期無料保証、「お買上げ商品お調べサービス」などを備えた「ケーズデンキあんしんパスポート」を通じ、購入後のアフターサービスまで含めた顧客接点づくりに取り組んでいます。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:株式会社ケーズホールディングス 2026年3月期 決算説明資料 P.22
2027年3月期は売上高7,850億円(前期比103.3%)、営業利益305億円(同113.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益200億円(同139.7%)を計画しています。インフレマインドの浸透などで“買うなら今”へのマインドの切り替えが進むとみており、粗利率の高いエアコンの構成比上昇により、売上総利益率は28.0%(前期比+0.3pt)を見込みます。
出店面では直営店9店の出店を計画し、店舗設備投資予定額は160億円(改装含む)です。EC(ネット通販)売上の増加による中計目標の達成も目指しています。
一方で、中東情勢の悪化による原油や物価の高騰懸念、商品供給不安定化の影響は、現時点で合理的な算出が困難として業績見通しには織り込まれていません。
4求職者へのアドバイス
HINT志望動機のヒント
同社は、正しいことを確実に実行する「がんばらない(=無理をしない)」経営を標榜し、お客様に伝わる「本当の親切」を実行すべく、「現金値引」「長期無料保証」「あんしんパスポートアプリ」などのサービスを提供しています。
中期経営計画2027の基本方針は“既存店効率の再点検及び接客力強化により中長期的な成長につなげる地盤固めを図る”です。「付加価値の高い商品を、お客様の暮らしに合わせて丁寧に提案したい」という接客への思いと、従業員を大切にする経営方針への共感を結びつけると、説得力のある志望動機になります。
Q&A面接での逆質問例
- 「エアコン2027年問題」の駆け込み需要が落ち着いた後、売場や接客ではどのような商品・提案に力を入れていく方針でしょうか。
- 中期経営計画2027で掲げる「DXにより業務効率化と売上拡大を目指す」取り組みによって、店舗スタッフの業務はどのように変わってきていますか。
- 新入社員の増員やベースアップを進めるなかで、入社後の接客力強化に向けた教育体制はどのように設計されていますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
場所柄海外からのお客様が多い
場所柄海外からのお客様が多いので、言葉が通じない時もあったけど、言葉以外のボディーランゲージとかで何とか伝えあってコミュニケーションを取るのは楽しかった。
(店舗スタッフ関連職・50代前半・女性) [キャリコネの口コミを読む]産後復帰しやすい環境にあると思う
産後復帰しやすい環境にあると思う。仕組みだけで無く、雰囲気も役職者からだけで無く、社員全体の雰囲気が戻りやすいと思った。
(店舗スタッフ関連職・50代前半・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ケーズホールディングス「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
- 株式会社ケーズホールディングス「2026年3月期 決算説明資料」



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。