0編集部が注目した重点ポイント
①次期より3セグメントへ事業体制を再編する
2027年3月期より、従来の5セグメント体制から「マテリアル」「エレクトロニクス」「ライフサイエンス」の3セグメントへ集約します。成長分野への資本配分を加速し意思決定を迅速化する方針であり、今後の成長領域において専門人材の活躍機会が拡大する可能性があります。
②各段階利益で過去最高となる数値を更新する
2026年3月期通期の業績は、売上高が前期比+2.9%の9,727億円、営業利益が同+14.5%の447億円となりました。売上高および各段階利益において過去最高を更新しており、収益基盤の強化による確かな成果が現れています。
③M&Aを完了し新規分野へ積極的な投資を行う
ライフサイエンス分野等において、ナガセダイアグノスティックス株式会社の設立やナガセサークレアグループの株式取得などのM&Aを完了しました。新素材開発を加速するバイオ研究所の開設など、最先端技術への先行投資も強力に推進しています。
1連結業績ハイライト
出典:2025年度 期末決算説明資料 P.6
売上高
9,727億円
前期比 +2.9%
営業利益
447億円
前期比 +14.5%
経常利益
440億円
前期比 +14.9%
親会社株主に帰属する当期純利益
331億円
前期比 +29.8%
2026年3月期通期の業績は、中東情勢の影響による先取り需要の追い風もあり、第4四半期が想定以上に好調に推移しました。事前の通期見通しに対して売上高・各段階利益ともに上振れて着地しており、進捗は非常に順調と評価できます。
ROIC経営の追求により売上総利益率は前期から1.0ポイント改善し19.3%となりました。中国でのガラス基板の薄型加工事業に関する撤退損を計上した一方で、ナガセダイアグノスティックス等のM&Aに伴う負ののれん発生益や投資有価証券売却益を取り込み、純利益は前期比+29.8%と大幅な増益を達成し、企業の稼ぐ力が確実に強まっています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 期末決算説明資料 P.12
機能素材
事業内容: 塗料・ウレタン原料・エレクトロニクスケミカルなどの素材を提供する事業です。
業績推移: 売上高は前期比-0.1%の1,536億円、営業利益は同+1.0%の93億円でした。
注目ポイント: 塗料原料は自動車・建築用の需要減で減少したものの、半導体材料の原料販売が増加しました。一般管理費の削減により増益を確保しており、半導体向け素材の提案営業やサプライチェーン管理を担う人材が重宝される環境です。
注目職種
法人営業、サプライチェーン企画
加工材料
事業内容: 家電OA機器や電子、自動車業界向けにプラスチック素材などを提供する事業です。
業績推移: 売上高は前期比-1.9%の2,066億円、営業利益は同+14.4%の76億円でした。
注目ポイント: OA等電機・電子業界向け樹脂の販売数量は減少しましたが、プロダクトミックスの改善により利益率が向上しました。高付加価値製品の販売戦略の立案やマーケティングに関する知見を持つ人材の活躍が期待されます。
注目職種
事業企画、マーケティング、ソリューション営業
電子・エネルギー
事業内容: 半導体、電子部品、ディスプレイなどの業界向けに材料や装置を提供する事業です。
業績推移: 売上高は前期比+7.2%の1,728億円、営業利益は同+20.8%の148億円でした。
注目ポイント: ナガセケムテックスの変性エポキシ樹脂がAI半導体向けに堅調に推移し、装置関連も好調でした。成長ドライバーとなる部門であり、先端半導体分野での技術営業やエンジニアが強く求められています。
注目職種
半導体技術営業、研究開発(R&D)、製造エンジニア
モビリティ
事業内容: 自動車全般や関連業界向けに機能性塗料や軽量化部品、CASE関連(自動運転等)素材を提供する事業です。
業績推移: 売上高は前期比-1.4%の1,302億円、営業利益は同-10.7%の37億円でした。
注目ポイント: 樹脂や内外装向け機能素材の販売が減少し減益となりました。自動車産業の変革期にあたり、EV化や自動運転に関連する新規素材の開発・提案を主導できるイノベーション人材のニーズが存在します。
注目職種
モビリティ向け技術営業、新規事業開発
生活関連
事業内容: 医薬品原料や食品素材、化粧品原料などを提供するライフサイエンス領域の事業です。
業績推移: 売上高は前期比+7.7%の3,092億円、営業利益は同+187.2%の98億円でした。
注目ポイント: Prinovaグループのシェア拡大やナガセヴィータの利益率改善により大幅な増益を達成しました。M&Aを含めた積極投資が続いており、海外事業管理や食品・バイオ分野の専門職にとって魅力的なフィールドです。
注目職種
海外事業統括、バイオ研究員、ライフサイエンス営業
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 期末決算説明資料 P.22
次期(2027年3月期)の通期業績見通しは、売上高1兆円(前期比+2.8%)、営業利益450億円(同+0.6%)を見込んでおり、中東情勢の影響等の不透明な外部環境下でも増収増益と過去最高の更新を目指しています。
新たにスタートする中期経営計画「Walk the Talk 2028」では、営業利益500億円以上、ROE9.0%以上を目標に掲げています。エレクトロニクスおよびライフサイエンスセグメントを成長の牽引役と位置づけ、ロボティクス・AI等の最先端技術を有するバイオ研究所の開設など、次世代への先行投資を加速させています。
一方で、中東情勢の緊迫化によるサプライチェーンの混乱リスクやインフレ圧力といった課題も認識されています。こうした変化に対応すべく変革に耐えうる強靭な事業基盤の構築を進めており、グローバルでのリスクマネジメントや、組織の垣根を越えて新規事業開発を推進できる人材の価値がかつてなく高まっています。
4求職者へのアドバイス
HINT志望動機のヒント
長瀬産業は「商社・製造・研究」の3つの機能を併せ持つユニークなビジネスモデルを展開しています。志望動機では、単なる商社としての顔だけでなく、バイオ技術やAIを活用したモノづくり・研究開発機能への強い関心を示すことが有効です。また、次期からの3セグメント再編に見られるような「変革へのスピード感」に共感し、自ら新たな価値を創出する主体性と課題解決への意欲をアピールすると良いでしょう。
Q&A面接での逆質問例
- 次期からマテリアル・エレクトロニクス・ライフサイエンスの3セグメント体制へ再編されるとのことですが、部門間の連携やシナジー創出について現場ではどのような取り組みが想定されていますか。
- Prinovaグループやナガセサークレアなど海外M&Aを積極的に完了されていますが、グローバルでの事業統合プロセスやローカル拠点との連携において、現場が最も注力している課題は何でしょうか。
- AI半導体向けの樹脂販売が好調と伺いました。今後さらに最先端領域の顧客ニーズを開拓していく上で、中途採用者に期待される専門性やマインドセットについてお聞かせください。
5転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 期末決算説明資料



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