0編集部が注目した重点ポイント
①通期純利益173億円を確保し計画を達成
東邦ホールディングスの2026年3月期通期決算は、政策保有株式の縮減に伴う特別利益95億円の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純利益が173億円(計画比110.4%)となりました。仕入原価や先行投資の増加をこなし、通期公表計画を大幅に超過達成しています。
②調剤薬局事業会社を24社から4社へ集約する
2024年3月末に24社あった調剤薬局事業の傘下企業を、2026年4月1日時点で4社へ集約再編を完了しました。処方箋入力センターの設置により店舗業務の集約を進めるなど、事業構造改革を通じて薬局運営の効率化と対人業務の付加価値向上を両立させています。
③新中計で営業利益300億円以上を目指す
新中期経営計画「次代を翔ける」(2026-2028年度)を策定し、500億円以上の成長投資枠を設定しました。スペシャリティ医薬品の流通権拡大や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)、CDMO(医薬品受託製造開発)等の新規事業を加速させ、2028年度に営業利益300億円以上を目指します。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期決算説明会 P.4
売上高
1兆5,533億円
+2.3% (前期比)
営業利益
166億円
▲12.3% (前期比)
経常利益
166億円
▲19.7% (前期比)
当期純利益
173億円
▲12.7% (前期比)
2026年3月期の通期連結業績は、売上高が1兆5,533億円(前期比2.3%増)と増収を確保した一方、仕入原価の上昇や人財・物流への先行投資により、営業利益は166億円(同12.3%減)となりました。政策保有株式の縮減に伴う売却益95億円を計上したことで、純利益は173億円と高水準な最終利益を確保しています。
通期の達成状況の評価としては、公表計画に対して売上高は98.8%、営業利益は80.2%と本業利益の達成は遅れたものの、純利益は計画157億円に対して達成率110.4%となり、通期目標を順調にクリアしました。次代に向けた構造改革が力強く進展しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期決算説明会 P.18
医薬品卸売事業
事業内容:東邦薬品、九州東邦、セイエル、幸燿等が担い、病院や診療所、調剤薬局へ医療用医薬品や医療機器、検査薬の販売を行っています。
業績推移:売上高1兆4,948億円(前期比2.1%増)、営業利益168億円(同11.6%減)。抗がん剤やスペシャリティ医薬品が伸長しました。
注目ポイント:コロナ製品の縮小や仕入原価上昇の一方で、取扱卸限定品や新薬創出加算品の需要が拡大しています。2027年度稼働予定の「TBC東海」建設をはじめとする高度物流網の構築や、医療機関向けAI顧客支援システムの開発推進に向け、高度な専門知識を持つ営業(MS)や物流・IT企画人材の需要が急増しています。
調剤薬局事業
事業内容:ファーマクラスター傘下のファーマみらい、J.みらいメディカル、ファーマダイワ、ケイ・クリエイト等が保険調剤薬局を運営しています。
業績推移:売上高1,005億円(前期比5.2%増)、営業利益13億円(同64.0%増)と大幅増益を達成しました。(注:当期にケイ・クリエイトを新規連結)
注目ポイント:傘下の事業会社を24社から4社へ集約再編したほか、処方箋入力センターの設置により店舗業務の集約と省人化を推進しています。調剤報酬改定に対応し、在宅医療やかかりつけ機能といった対人業務の高付加価値化を進めており、地域医療連携を推進できる専門薬剤師や薬局DXを主導する人材が求められています。
医薬品製造販売事業
事業内容:共創未来ファーマがジェネリック医薬品の製造販売および注射用医薬品の受託製造(CDMO)を展開し、高品質な医薬品を供給しています。
業績推移:売上高115億円(前期比0.9%増)、営業利益2億円(同61.3%減)。ジェネリック新製品を発売した一方、原価上昇が影響しました。
注目ポイント:独自の検証システムに基づく品質管理を進めるとともに、羽田パッケージングセンターでの二次包装機能受託に向けた準備を進めています。抗体医薬や再生医療等製品など新モダリティへの対応とCDMO事業の拡大を図っており、製剤技術者やGMP管理を担う医薬品製造のスペシャリストの価値が高まっています。
その他周辺事業
事業内容:東京臨床薬理研究所、アルフ、ネグジット総研、e健康ショップ、ヘルスケア等が医療・ヘルスケアに関連する周辺サービスを担っています。
業績推移:売上高70億円(前期比2.9%増)、営業利益8億円(同26.9%増)となり、堅調な増収増益を記録しました。
注目ポイント:治験支援や医療経営コンサルティング、ヘルスケア情報サービスの提供を通じ、グループ各社の医療ソリューション機能を多角的に強化しています。医療環境の高度化に伴い、臨床開発支援や医療ITコンサルティングなど、専門特化したノウハウを持つプロフェッショナルの活躍機会が広がっています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期決算説明会 P.17
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上高1兆6,010億円(前期比3.1%増)、営業利益148億円(同10.9%減)を見込んでいます。人財強化や物流機能への先行投資に伴う一時的経費の増加により減益を見込むものの、増収基調を維持する計画です。
新中期経営計画「次代を翔ける」(2026-2028年度)では、2028年度に営業利益300億円以上、ROE 8%以上を掲げ、500億円以上の成長投資枠を設定しました。スペシャリティ医薬品や医療DX、CDMO領域の拡大を進め、「ヘルスケア・トータルソリューション・プロバイダー」への転換を加速させています。変革期をリードできる専門人財への採用ニーズが高まっています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
単に医薬品を供給するだけでなく、新複合型物流センター「TBC東海」の建設や顧客支援AIシステムの開発など、医療現場の課題を解決するトータルソリューション企業への転換姿勢に注目してください。自身が培ってきた営業力、物流企画力、IT開発力などのスキルが、同社の500億円規模の成長投資の中でいかに価値を発揮できるかを具体的に伝えることが有効です。
面接での逆質問例
「新中期経営計画においてスペシャリティ医薬品や再生医療エコシステムの構築に注力されていますが、中途採用者がこれら新規領域の流通網開拓や事業開発をリードする上で、どのような専門性やアクションが期待されていますでしょうか?」
「調剤薬局事業の集約再編や処方箋入力センターの設置など薬局DXによる業務改革が進んでいますが、現場の対人サービス高度化と業務効率化を両立させるために、中核となるリーダー層にはどのような役割が求められますでしょうか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料



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