【平均年収672.1万円】アイシン（旧・アイシン精機）社員の給料は実際いくらもらっているのか？

あらゆるメーカーのミニバンやワンボックスカーなど、さまざまな車種で目にする自動スライドドアは「パワースライドドアシステム」と呼ばれ、トヨタ製の自動車に多く採用されています。

このパワースライドドアシステムはリモコン操作で自動開閉ができ、さらには開閉時の挟み込みを検知する機能がついているなどの特長があります。このシステムの生みの親が、今回取り上げるアイシン（旧・アイシン精機）です。アイシンはトヨタグループに属する大手自動車部品メーカーで、トヨタ自動車だけでなく、国内や海外のさまざまな自動車メーカーとの取引も積極的に行っています。

またベッドや家具などの生活に関係する商品をはじめ、住宅リフォーム、温水洗浄便座やブラインドシャッターなど住宅設備機器、電動車いすを中心にした福祉関連の機器、音響関連の設備など幅広いジャンルの製品を開発しているのです。 メインの自動車部品においては、現在1万点もの「メイド・イン・アイシン」を手がけ、世界市場で事業を展開する、まさにワールドワイドなサプライヤーといっても過言ではありません。

またアイシンは年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。

アイシンの平均年収が高い理由として、まず第一に好調な業績であることが大きく影響しているといえるでしょう。2018年3月期の決算報告を見てみると、売上高にあたる「売上収益」は前年同月期比10％増の3兆9089億円、営業利益は11％増の2538億円、純利益ベースでは6％増の1345億円となっています。

この好業績の背景には、世界的にAT（オートマチックトランスミッション：自動変速機）や車体部品の売れ行きが極めて良かったことがあります。主力製品であるATにおいては、中国向けにフル生産状態が続くなど、さまざまなプラス要因が重なった結果です。

さらに、それらの好調をボーナスに反映させる報酬体制が整っていることも、高年収を維持する大きな要素です。業績が良ければボーナスが上がるこの体制は、「好業績がそのまま高年収につながる企業」と言い換えることができます。ちなみに2018年の春闘においては、アイシン精機は5か月分+36万円で決着しています。

2021年度はコロナ禍の影響がどれくらいでるのかが注目されます。

給与は年齢ごとに設定された給与が支給される、いわゆる年齢給が基本となっています。そのため突然大きくアップすることはありませんが、年齢を重ねるにつれい1年1年着実に伸びていき、そこに役職手当のような形でプラスされていきます。

大体入社7年目の30歳くらいで年収650万円から700万円になり、さらにそこから7～8年経った入社15年目くらいから「課長職」に昇格する人が出てくるようようです。課長職になると年収が1000万円の大台にのることもあります。

給与は年齢が大きく影響しますが、中には査定による「評価」によって、定時昇給以外のタイミングで基本給がアップになるケースもあるようです。目に見える成果を出せば、通常より早いスピードでの昇給も期待できるということです。

米国のトランプ政権が掲げる自動車の追加関税政策において、最大25％の追加関税が発動された場合は、最大で年に約400億円の負担増になると見込まれています。すでに鉄鋼やアルミなどへの追加関税は発動されており、こちらは年間10億円程度の影響が出ています。

現在ATや車体部品などの売り上げが好調で、業績が右肩上がりに伸びているものの、こういった外部の動きから決して油断のできない状況にあることを留意しておく必要がありそうです。

また、2018年6月に現職に就任したばかりの伊勢清貴社長は、古いものや競争力がなくなったものは廃止し、電動化分野に人員や資金を回すといった“スクラップ・アンド・ビルド”を続けていく方針を明言しています。将来どうなっていくか不透明な部分があるこの状態は、就職先として検討する場合の不安要素になるでしょう。

ここまでアイシンの年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか？

アイシン精機は、「メイド・イン・アイシン」として世界で求められる独自の技術力だけでなく、「社員の働きやすさ」でも注目を浴びています。

2017年3月に東洋経済が発表した「有給休暇取得日数が多い会社」100社のうち、トップ10にランクインしています。年間15日の有給休暇を取得できる会社が全体の10％にも満たない状況の中、アイシンはなんと18.8日も取れるのです。

また独身の方には、寮務員が24時間在中する寮もあります。一人部屋のベッドは自社製品のASLEEPマットレスが用意され、クローゼットなどの家具も備え付けです。はじめて1人暮らしをする方も、安心して仕事に打ち込むことができることでしょう。

さらに育児をする従業員のために社内託児所が完備されています。育児と仕事もムリなく両立できる環境が用意されているなど、福利厚生が非常に充実しています。