20代社員「受託ビジネスはワクワク感ゼロ」
NTTデータは全英オープンゴルフにおいて、AI技術を活用して中継映像に自動で選手名やホール番号などの情報をタグ付けする実験を行うと発表しました。来場者は会場設置された専用タブレット端末などで、好きな場面を選んで見ることができるそうです。
先進的な技術に興味が掻き立てられますが、当の会社で働く人たちは必ずしもそうではないようです。NTTデータで法人営業を担当する20代男性は、自社について「仕事の面白みはほとんどありません」と明かしています。
基本的に「受託型ビジネス」なので、例えばクライアントから古くなったハードの更改やセキュリティレベル向上のための対応見積もり依頼が来て、それに対して提案するという流れとなります。
新しいことを生み出したり、世の中の仕組みを変えて行ったりするようなワクワク感はゼロです。(2017.6.12)
この男性によると、金融とテクノロジーを組み合わせたフィンテックなどの流行に「会社も乗ろうともしている」としつつ、「結局やってることはマネジメントだけなので、勢いのあるベンチャー企業とは何もかも違う」と諦め顔です。
NTTデータのようなシステムインテグレーターの役割は、主に「顧客折衝」や「資料作成」「下請け会社の外注管理」。上流工程の方がより儲かる傾向にはありますが、プログラミングのスキルを磨きたい人には「思ってたのと違う」となるのでしょう。
技術力がないまま「なんちゃってPM」に
キャリコネには、同じような書き込みを残す人が多いことに驚きます。プロジェクトマネージャーを務める30代の男性社員は、自社で働くメリットを「若いうちからプロジェクトマネジメント経験を積める」こととしつつ、技術力が磨けなくなることを懸念しています。
十分なプログラミング経験を積めないままマネジメント業務ばかり担当することになってしまうと、技術力が全くないまま「なんちゃってPM」になってしまう可能性がある。自分の担当したい領域を強く上司に訴えていくことが必要。(2018.8.22)
20代の男性システムエンジニアは、せっかく入社した会社を早くも退職済。やはり理想と現実とのギャップに耐えられなかったようです。
実際に手を動かす仕事は外注されており、社員は顧客対応、仕様調整などが主な仕事であった。「技術者として成長したい」というキャリアプランを持っている人間には、実態と希望に乖離が生じる。(2017.9.12)
30代のプロジェクトリーダーは、自社について「開発自体はパートナーに丸投げしたりすることが多く、美味しいところだけ持っていく企業文化」と厳しく評し、下請けや協力会社に対する姿勢を疑う書き込みを残しています。
顧客に対しては非常に丁寧で腰が低い人も多いが、顧客以外のステークホルダーに対するマナーがなっていない。大手というプライドからなのか横柄に接し、自分たちがミスしているにもかかわらず相手がミスしていると勝手に思い込む痛い人間が多い。(2017.2.9)
就活は「会社の事業内容」を十分理解して
受託型ビジネスであること以外にも、メンテナンスを担当する部署に配属されると、希望の仕事ができないこともあるようです。20代のシステムエンジニアは、自らの仕事を皮肉っぽくこう表現します。
いわゆる維持・保守・運用がメインの担当になると、所謂やりがいのようなものを見つけるのが難しい。逆に仕事はある程度に抑えつつも、ある程度の給料を貰い、プライベートを充実させたいという人にはこれ以上ない環境。(2019.4.10)
20代のシステムエンジニアは「大規模なシステム開発は、世の中の流れにはあまり沿っていない」と断じ、自社の将来に対する不安を表します。
コンサルの強いSIerやクラウド系の会社と比べると、将来性は明るいとは言い切れないと感じます。(2019.6.20)
NTTデータは近年、M&Aによる海外展開を加速しています。30代の技術関連職の男性社員は、自社の最大の課題について「グローバルで買収を進めた海外ビジネスを伸ばすこと」と指摘しつつ、それを可能にする人材が足りていないと明かします。
日本本社がいかに海外ビジネスに寄与できるかがキーであるが、海外ビジネスの現場を理解し、語学力を含めた能力のある人材はまだまだ不足している。(2018.9.8)
この他、口コミの中には、福利厚生が充実など好意的な声もあります。しかし、就職人気企業であるだけに、まずは「自分が希望する仕事」と「会社の事業の実態」との間に著しい乖離がないかどうか、きちんと確認しておくことが大事、と訴えたい内容が目につくのも事実です。