ソフトバンク vs. KDDI 口コミ分析でわかる働きがい・働きやすさ対決

ソフトバンク vs. KDDI 口コミ分析でわかる働きがい・働きやすさ対決

ソフトバンクとKDDIの社員は自社の働きやすさについてどう感じているのでしょうか。ライバル関係にある企業との比較でどの項目で違いは? 口コミ投稿者の主観による点数付けと、投稿された口コミから読み取れる本質的な満足度の分析を通じて企業を評価します。


就職活動と同様に転職先候補として、仕事の内容が似通っている同業他社を選択肢にする場合も少なくありません。待遇面を見比べるのは容易だとしても、勤務先の状況や雰囲気など内情を比較することはなかなか難しいものです。そういう場合にもっとも有効的なのは口コミを活用すること。今回は日本を代表する電気通信事業者のソフトバンクとKDDIの2社を比較します。


【図1】働きやすさ評価チャート(キャリコネに掲載されている各社のチャートを編集部にて合成)

グラフが重なるほど、両社の口コミ評価は拮抗しています。「働きやすさ」の総合評価ではソフトバンクは3.0、KDDIは3.4と、やや差が出ました。

「仕事のやりがい」の項目ではソフトバンクがやや優勢ですが、他の項目ではKDDIがポイントを多く獲得しています。

両社ともにほとんどの項目が3を上回っているため、社員の満足度は高いようです。特に休日数ではソフトバンクは3.3、KDDIは3.8となっており、休暇をとりやすい会社といえるでしょう。

モチベーションのソフトバンク、働く環境の満足度が高いKDDI

【図2】独自口コミ分析結果(提供:キャリコネ働き方研究所)

続いて、実際に投稿された口コミを分析していきます。

同じく投稿者の主観的な目線での情報ですが、アメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した二要因理論を応用し口コミを分析、数値化しました。

二要因理論にならい、動機づけ要因に「達成」「承認」「仕事」「責任」「昇進と成長」、不満誘発要因に「経営方針」「監督」「人間関係」「作業環境」「賃金と雇用の安定」を設定し、1つの口コミに対し、プラス評価なのかマイナス評価なのかを判断してポイントを加算していきます。そうして算出された結果が【図2】のグラフで、各項目が獲得した数値は左の表に記載しました。

2社を比較したところ、動機づけ要因(モチベーション)ではソフトバンクが3.4ポイント、KDDIが-2.0ポイントと、やや差がついています。

これは、KDDIよりも、ソフトバンクのほうが、仕事に対する「やる気」「意欲」を維持しやすい、すなわち積極的な動機付けが行われている環境である、ということを意味しているのでしょうか。

一方、職場環境への満足感を感じる要因となる、衛生要因(満足度)ではKDDIの方が優勢となっています。

まずは動機づけ要因のポジティブ意見/ネガティブ意見をみながら、両社の違い、そして共通点を類推していきましょう。


動機付け要因

【図3】

まずモチベーション、仕事のやる気を高めたポジティブ要因を分析します。

ソフトバンク、KDDIの両社ともに高水準となったのは「承認」と「仕事」の項目です。実際の口コミを見ていきましょう。

まずは「承認」の項目です。「承認」は評価基準の正当性やそれによる報酬などについての口コミを集計しています。

ソフトバンクでは「若い社員を中心に目立つ業務が配布され、実務的なノウハウがなくてもプロジェクトリーダーなどで役割実績がつけば出世できる。社員はグレード制度があり、出世は管理職が決める。面談や適性、昇格試験はない。30代まではチャンスが多くなるため、働きやすい。」

KDDIでは「現在は課長補佐以上に昇進するために英語力が必須となっている。毎年の業績と上司からの評価は必須。情報セキュリティ事故や個人情報に関する事故を起こした場合の評価、また、車両事故を起こした場合なども大きく影響する。管理職に成るためには、語学力、コミュニケーション力、成果等の相当な力が必要になってきつつある。年功序列から成果主義になりつつある。」

この様な口コミが見られました。ソフトバンクでは他にも「30代まではチャンスが多くなる」という声が多く聞かれたため、若いうちに目立てるよう頑張ることで出世コースに乗れるのだと思われます。一方KDDIでは一般的なスキルに加えて語学力が必要となっています。語学が堪能な方にとってはチャンスといえるでしょう。


次に「仕事」の項目です。

ソフトバンクでは「常に新しいサービスが始まるので、新規プロジェクトを常に立ち上げていくというのが醍醐味。通常では考えられないスピード感が求められるため、没頭できれば非常に楽しい。皆アイディアを常に考えているので、会議なども闊達に行われることがほとんど。」「若手でも大きな仕事の裁量権を任せてもらえる環境がある。新規事業でも積極的に挑戦する風土があるため、自身のやりたいことは手を挙げて実施可能。グループ会社が1300社以上と多々あるので、その会社でやりたい事業・仕事に挑戦することもできる。もちろん海外で仕事をすることもできる。」

KDDIでは「自身が何をするべきかが明確となっており、目標に向けて取り組む事ができる。また他の部とも協力体制が整っている為、自身がやりたい事ができる環境だと思う。構想していた事が実現したり、目標を達成した際にはやりがいを大きく感じる。」「総合通信事業者なので、業種の範囲は非常に広い。固定通信、移動通信、ケーブル事業などを幅広くサービス展開しているので、若い内は本部単位での異動もよく行われ、やりがいのある仕事に出会うこともできます。」

どちらの会社でも、社員がいきいきと働いている様子が伺えます。特にソフトバンクはやりたいことに挑戦できる社風のようです。KDDIでは一体感を持って仕事に取り組める環境が整っています。

ソフトバンク社員の口コミ(キャリコネ)

仕事のスピード感について

「仕事の面白みは色々あると思いますが、個人的にはスピード感がある会社で 意思決定が速いというところだと思います。一日の流れで計画Aだったのが定時までに……

【図4】

それでは、モチベーションを下げたネガティブ要因を見ていきます。

ポジティブ意見も多かった「承認」と「仕事」の項目にネガティブ意見が集まっています。
「承認」では両社ともにポジティブ意見のほうが多いため大きな問題はなさそうですが、KDDIの「仕事」の項目ではネガティブ意見のほうが多くなっています。
実際の口コミを見ていきましょう。

ソフトバンクでは「チャレンジングな会社ではあるので上司との風通しも良い。ただ理解のない上司の下になると独占的で日本企業なお堅い感じもする。営業はどの企業を担当するかによっても会社での運命が変わる。」「営業、マーケ、商品開発等の各部署が完全に縦割で、連携して何かプロジェクトを行うことは無い。サービスの主旨や取組方針は本質に則しており、大元は合っていると感じるが、営業部に数字として落ちてきたときに、本質とは離れた方向で走り、結果として顧客満足の低下に繋がっていると感じる。」

KDDIでは「典型的な大企業。誰もリスクをとりたがらないし、情熱もない。部長以上の役職者は上ばかりみて仕事をしており、モチベーションの源泉は社内な上からの評価。」「単調であることが多く、特に運用部門、建設部門ではやりがいを見出すことが難しいかもしれません。開発部門や企画部門に配属されれば、アカデミックなことや事業の今後の企画に携わることができるため、仕事の内容は面白くなりますが、その分残業時間が多いなど、仕事はきつくなります。全体の雰囲気としてはまったりしているため、自分からガシガシやるタイプの人には少しぬるいかもしれません。」

両社の口コミをみると、社風が大きく違うと感じました。ソフトバンクは挑戦的な社風であり、チャレンジする上での体制の改善点が出てきています。一方KDDIはやや保守的な社風ゆえに、情熱のある社員にとって物足りない環境になっているようです。

KDDI社員の口コミ(キャリコネ)

やりがいとスピード感について

「扱うプロジェクトは大きなものが多く、取引企業も大企業ばかり。 そこにやりがいを感じることもある。ただし、仕事の進め方は遅く、調整のための……

満足度要因

【図5】

続いて、満足感を高めたポジティブ要因を見てみましょう。

「経営方針」「監督(上司の監督スキル)」「人間関係」「作業環境」「賃金と雇用の安定」という5つの要因がありますが、これらの要因について「不十分である」と感じたときに、人は不満足感を覚えます。ただし、これらの要因がたとえ満たされたとしても、いわば当たり前であるべきことなので、積極的な満足感をもたらすとは限りません。

目立つのは「作業環境」の項目です。両社ともに高得点を獲得しています。実際の口コミで比較してみましょう。

ソフトバンクでは「残業はほとんどありません。ただし、電話がかかってくることはよくあります。iPhone商戦で短期的に忙しい時期なとが存在します。そういう時さえ我慢できれば、ワークライフバランスはかなりよい方だと思います。」「有給はとりやすい。制度が充実している。ゴールデンウィークや夏季休暇、年末年始休暇にくっつけて有給を取得するので、有給取得率は他の企業と比較すると高いかと思う。住宅補助制度や通勤手当、単身赴任手当てなども充実しており、福利厚生は申し分ない条件がそろっていると感じた。」「ほとんどの女性社員が出産後戻ってきます。休職中の給与も恵まれています。産休中には同じ立場の産休ママを集めたコミュニティの場も社内にもうけてくれます。出産祝い金もあります。」

KDDIでは「働き方改革を全社的に推進しており、残業は多くない。休日出勤もしばらくしていない。またスーパーフレックス制度や在宅勤務制度が充実しているので、それらを利用してワークライフバランスを調整している人が多い。」「育児は非常にしやすい環境が整っている。女性は非常に働きやすいと感じる。育児をこなしながらの管理職も存在。課長だけではなく稀に部長も存在。そうとう仕事ができる人だが。在宅勤務もでき、スーパーフレックスで何時出社でもOKなので、とても働きやすいのではないかと感じている。」「男性でも育休を1ヶ月~1年程度取得する方がいる。」

両社ともに残業はあまり多くなく、休日も気兼ねなく取れる環境のようです。出産や子育てもしやすく、特にKDDIでは男性でも育休取得や、時短勤務をできるという口コミがありました。両社の違いを比較してみると、ソフトバンクでは福利厚生や手当に関する口コミが多くなっており、KDDIではスーパーフレックス制度での在宅勤務に関しての口コミが多くなっています。

KDDI社員の口コミ(キャリコネ)

福利厚生について

「大企業ということで、福利厚生は充実しています。目に見えやすいところだと、 社宅、住宅手当、海外トレーニング制度など。影にある重要なところは……

不満足度要因

【図6】

それでは最後に、不満足を感じるネガティブ要因を見ていきましょう。
「経営方針」と「作業環境」の項目に意見が集まりました。「作業環境」に関してはポジティブな意見のほうが多いことも考慮に入れておきましょう。

まず「経営方針」についてです。

ソフトバンクでは「孫正義の存在は圧倒的。しかし、既に国内事業からは離れており、数年前にあったこの人のかじ取りは感じられない。この人が退くタイミングがこの会社の本当の正念場だと思う。」「人工知能、シンギュラリティの時代を迎え、通信会社からさらに先の会社に進もうとしており、先行きは明るいのではないか。一方、会社の成長に対して組織の体制が整っておらず、役員クラスは良し悪しは別に外部の人材が中心。」

KDDIでは「経営者の理念については、どちらかというと、マスコミや社内情報を通じて周知していた。直接、情報を得られる環境ではなく、理念を強調する上司も特におらず、距離感がある印象。」「3キャリアの同質化が進んでいることと国内市場の縮小化が進んでいるので、将来的な成長は見込めない。主力の携帯事業が頭打ちなので、増えすぎた従業員を減らすか、給料カットをするかしないと生き残っていくことはできないと思う。頼みの金融部門の伸び率だと携帯事業の縮小をカバーできるとは思えない。」

この様な意見が見られました。どちらの経営方針に共感できるか、ぜひ多数の口コミを読んだ上で検討していただきたいです。


次に「作業環境」についてです。

ソフトバンクでは「残業は一般的に多いと思います。しかし、自分の仕事の進め方次第で調整は可能だとおもいます。新たなプロジェクトなどが発生した場合は、やはり業務多忙になります。」「福利厚生はベネフィットの割引ぐらいで、ほぼ皆無に等しい。新入社員には住宅手当がしばらくつくらしいが、それも微々たるもののように思える。」

KDDIでは「平日休みの場合であっても社内メールが多く、報告や回答を求められる。収入は決して悪くないが、実際の拘束時間は長く、役職が上がる程、傾向は強くなる。」「完全に部署による。ただ若手は比較的帰らせる傾向があるが、管理職になると22-23時まで残業してる人も多い。」

ソフトバンクではまだ残業が多いという声と、福利厚生が充実していないとの口コミがありました。一方KDDIでは管理職の拘束時間の長さに関する口コミがみられます。

ソフトバンク社員の口コミ(キャリコネ)

経営者の評価について

「孫会長から国内通信事業(ソフトバンク株式会社)を任された宮内社長は、 経営者色が強いとは思えず、今後どうなっていくか不安定。ここ数年……

かなり社風の違う二社。どちらの社風が自分に合うか?

ソフトバンクとKDDIという電気通信事業者のツートップ。つねに比較されてきたライバル同士であり、また大企業ゆえの好待遇も互角の人気企業です。

それでも口コミを分析すると、両社の違いが見えてきました。ソフトバンクはスピード感を持って、やりがいをもって仕事ができます。一方、KDDIはのんびりした社風と充実した福利厚生が魅力です。

どちらの企業タイプが自分に合っているのか見極め、口コミの情報を活かして転職活動をすることをオススメします。


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