※本記事は、ソニーグループ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ソニーグループは、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画といったエンタテインメント事業から、イメージング&センシング・ソリューション、エンタテインメント・テクノロジー&サービスといったテクノロジー事業まで、多岐にわたる事業を展開しています。デジタルコンテンツからハードウェアまで幅広い製品とサービスを提供し、グローバルに事業を展開しています。
単体従業員数は2,166名、連結従業員数は94,900名です。同社グループの事業セグメントは、ゲーム&ネットワークサービス、音楽、映画、エンタテインメント・テクノロジー&サービス、イメージング&センシング・ソリューション、その他の6つです。
2025年度には、金融事業のパーシャル・スピンオフを実行し、ソニーフィナンシャルグループを連結除外しました。これにより、同社グループの事業構造に大きな変化がありました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ソニーグループは、多様な事業と人材が競争力の源泉であると考えています。社員一人ひとりのチャレンジ精神を育み、支援する自由闊達な企業文化を大切にしています。多様な経験を持つ人材が、それぞれの専門性を活かして挑戦できる環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、社員が比較的長く勤める傾向があり、安定したキャリア形成が期待できる環境です。平均年齢も高く、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 11,550,986円 |
| 平均勤続年数 | 16.0年 |
| 平均年齢 | 42.7歳 |
| 単体従業員数 | 2,166人 |
| 連結従業員数 | 94,900人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.3% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 会社名 | 43.6歳 | 15.9年 | 10,044,992円 |
同社グループの退職給付制度は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を組み合わせて運用されています。退職一時金制度があり、入社から退職までの期間中、等級ごとに設定された付与額に利息を加えて積み立てを行い、退職時に累計額が支給されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「Creative Entertainment Vision」の実現において、事業と人材の多様性を最も重要視しています。社員一人ひとりの「これをやりたい」というチャレンジ精神と、それを育み支援する自由闊達な企業文化を大切にしています。人材の多様性の進化と、個のチャレンジを支援する企業文化の維持・向上を人材戦略の基本方針としています。
報酬制度においては、国内外のマーケット報酬データをベンチマークし、適切な報酬水準となるよう、社員一人ひとりの役割に応じて個別に報酬を設定しています。また、会社目標・個人目標の達成による業績向上に対するインセンティブとして機能させることを基本方針としています。年齢や勤続年数等の属人的な要素によらず、現在の役割と責任の大きさに基づいて等級を決定するジョブグレード制度を導入しています。報酬は基本給、賞与、株式報酬、退職金で構成されています。
人材戦略の中核として、「属性の多様性」「経験の多様性」「異見を活かすリーダーシップと企業文化」「経営体制」の4つの要素を掲げています。社員が専門性や組織、国境を越える経験機会の提供、多様な視点が交わるプロセスの重視、失敗を恐れず挑戦できる企業文化の醸成に取り組んでいます。具体的な施策として、社内募集制度やキャリアプラス制度、新任管理職研修での「EQリーダーシップ」導入、次世代リーダー育成プログラム「Sony University」や「Sony Cross-Mentoring Program」などを通じて、社員の成長と挑戦を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法の規定に基づき、小数第2位を四捨五入し小数第1位まで表記されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児・介護休業法の規定に基づき、小数第1位以下を切り捨てて算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.5% |
| 男性育児休業取得率 | 84% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 82.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 83.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 66.9% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 80.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 83.5% |
▼ ㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 28.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 71.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 60.9% |
▼ ソニー㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 94% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 81.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 81.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 79.9% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員比率 | 34.4% |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.0% |
属性の多様性
▼ 当社の役員に関する指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役員に占める女性の比率 | 23.3% |
| 役員に占める日本以外の国・地域の出身者の比率 | 36.7% |
▼ 国内主要各社における女性管理職比率(2025年度末実績)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ソニーグループ㈱ | 20.5% |
| ソニー㈱ | 10.1% |
| ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ | 4.6% |
| ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 14.6% |
| ㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント | 28.1% |
▼ 国内主要各社における男性育休取得率(2025年度末実績)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ソニーグループ㈱ | 84% |
| ソニー㈱ | 94% |
| ソニーセミコンダクタソリューションズ㈱ | 92% |
| ㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 100% |
| ㈱ソニー・ミュージックエンタテインメント | 75% |
経験の多様性
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 当社の上級役員及び執行役員コーポレートエグゼクティブにおける海外赴任経験者率 | 75% |
| 当社及び国内の連結子会社における入社者全体に占める他社・他職種経験者の採用比率(2025年度) | 31.3% |
| 社員意識調査における「成長の機会」のスコア(2025年度) | 69ポイント |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ソニーグループは、多岐にわたる事業を展開するグローバル企業です。エンタテインメントとテクノロジーを融合させ、世界中の人々に感動と体験を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ソニーグループは、ゲーム、音楽、映画といったエンタテインメント領域と、イメージング&センシング・ソリューション、エンタテインメント・テクノロジー&サービスといったテクノロジー領域を中核としています。デジタルコンテンツの制作・販売、ネットワークサービスの提供、ハードウェアの製造・販売など、幅広い事業活動を通じて収益を上げています。同社グループの製品やサービスは、それぞれのオペレーティング・セグメントにおいて固有のものです。
同社グループは、海外での事業展開も広範に行っています。為替変動によるリスクにさらされており、先物為替予約や通貨オプション契約などのデリバティブを利用して、リスク軽減を図っています。特定の単一顧客に依存する収益集中はありません。
ゲーム&ネットワークサービス
主にデジタルソフトウェア・アドオンコンテンツの制作・販売、ネットワークサービス事業、家庭用ゲーム機の製造・販売が含まれています。
収益は、ネットワークサービスの増収や自社制作以外のゲームソフトウェア販売の増加があったものの、ハードウェアの販売台数減少により、前期からほぼ横ばいとなりました。
音楽
主に音楽制作、音楽出版、映像メディア・プラットフォーム事業が含まれています。
収益は、音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加、興行・物販からの収入増加、映像メディア・プラットフォームの増収により、前期から増加しています。
映画
主に映画製作、テレビ番組制作、メディアネットワーク事業が含まれています。
収益は、有料会員数の増加やアニメ作品のグローバル配給による貢献があったものの、当年度劇場公開作品からの収入減少により、前期からほぼ横ばいとなりました。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス
主にイメージング事業、サウンド事業、ネットワークサービス事業、ディスプレイ事業が含まれています。
収益は、ディスプレイにおける販売台数減少により、前期から減少しています。
イメージング&センシング・ソリューション
主にイメージセンサー事業が含まれています。
収益は、モバイル機器向けイメージセンサーの増収、製品ミックスの改善、販売数量の増加により、前期から増加しています。
その他事業
ディスク製造事業、記録メディア事業などの様々な事業活動から構成されています。
収益は、前期から減少しています。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゲーム&ネットワークサービス | 4兆5,436億円 | 4兆5,701億円 | 4,148億円 | 4,633億円 | 10.1% |
| エンタテインメント・テクノロジー&サービス | 2兆3,628億円 | 2兆1,848億円 | 1,909億円 | 1,586億円 | 7.3% |
| 音楽 | 1兆8,203億円 | 2兆905億円 | 3,573億円 | 4,470億円 | 21.4% |
| イメージング&センシング・ソリューション | 1兆7,125億円 | 2兆590億円 | 2,611億円 | 3,573億円 | 17.4% |
| 映画 | 1兆4,985億円 | 1兆4,863億円 | 1,173億円 | 1,049億円 | 7.1% |
| その他事業 | 825億円 | 746億円 | △180億円 | △746億円 | - |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ソニーグループの過去5期間の業績推移を見ると、売上収益は継続して増加傾向にあります。営業利益と税引前利益も、直近の期において前期から増加しました。一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益は、直近の期に損失を計上しています。これは、主に金融事業のパーシャル・スピンオフにともなう非継続事業の分類や、ゲーム&ネットワークサービス分野における無形資産の減損などが影響しています。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローは受取超過となっており、本業でのキャッシュ創出は継続しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | - | - | - | 12兆349億円 | 12兆4,796億円 |
| 税引前利益 | 1兆1,175億円 | 1兆2,745億円 | 1兆951億円 | 1兆3,432億円 | 1兆4,224億円 |
| 税引前利益率 | - | - | - | 11.2% | 11.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 8,822億円 | 1兆53億円 | 9,706億円 | 1兆1,416億円 | △3,269億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 142.37 | 162.71 | 157.66 | 188.71 | △54.70 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ソニーグループの従業員1人あたりの売上収益(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益(連結)も前期から増加しています。これは、同社グループの事業規模拡大と収益性の改善傾向を示しています。直近の期における連結従業員数は、金融事業のパーシャル・スピンオフや一部事業の構造改革、子会社持分売却などにより減少しています。これらの指標の推移は、同社グループが事業効率の向上に取り組んでいる状況を反映していると言えます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 107.2百万円 | 131.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 11.4百万円 | 15.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しているものの、将来に向けた積極的な投資を継続している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本は8兆1,190億円であり、自己資本比率は51.8%となっています。これはプライム市場の製造業平均と比較して高い水準です。
ROE(自己資本利益率)は△4.0%であり、プライム市場平均を下回っています。手元資金を示す現金及び現金同等物は2兆2,089億円となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 8兆1,797億円 | 8兆1,190億円 |
| 自己資本比率 | 23.2% | 51.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.5% | △4.0% |
| 現金及び現金同等物 | 2兆9,810億円 | 2兆2,089億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは1兆9,456億円の受取超過となっています。これは、営業債権及び契約資産、棚卸資産、営業債務の減少額が縮小した一方で、非資金調整項目を加味した後の税引前利益が増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△1兆9,705億円の支払超過となりました。これは、投資及び貸付額が増加したことや、金融事業のパーシャル・スピンオフの実行にともなうSFGIの連結除外による影響が主な要因です。一方で、固定資産の購入による支払やビジネスの買収等による支出は減少しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは△8,428億円の支払超過です。自己株式の取得額が増加し、非支配持分からの払込による収入や長期借入債務による調達額が減少したことが影響しています。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは△249億円となり、前期のプラスからマイナスに転換しました。本業で安定した資金を生み出しているものの、将来に向けた積極的な投資によりフリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。これは、事業の成長を重視し、将来の収益拡大に向けた投資を活発に行っている状況を示しています。このような資金の流れは、同社グループが事業拡大と変革を進めるフェーズにあることを示しており、長期的な視点での事業成長とそれに伴う雇用機会の創出が期待されます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2兆3,217億円 | 1兆9,456億円 |
| 投資CF | △9,301億円 | △1兆9,705億円 |
| 財務CF | △2,982億円 | △8,428億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1兆3,916億円 | △249億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、業種ごとに異なる激しい競争に直面しており、収益性低下のリスクがあります。また、世界及び地域の経済動向や政治情勢、外国為替相場の変動も、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、ますます競争が激しくなる市場において、高い専門性や豊富な経験を有する人材の獲得・確保、および良好な関係の維持に依存しています。これらの人材を惹きつけ、確保し、良好な関係を維持できない場合、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ソニーグループは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」という存在意義のもと、多様な事業を展開しています。人々の感動を追求し、持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というPurpose(存在意義)と、「人に近づく」という経営の方向性を掲げています。エンタテインメント、IP、コンテンツクリエイション及びリアルタイム・クリエイション技術を軸とした長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」を推進しています。テクノロジーの力でクリエイターを支援し、リアルとデジタルの両空間でファンに新たな体験を届け、IPの価値を最大化することを目指しています。
また、サステナビリティに関する基本方針として、多様性を強みとした持続的な価値創造と長期視点での企業価値向上を目指しています。さらに、「感動に満ちた世界を創り、次世代へつなぐ」というSony's Sustainability Visionを掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「人」を軸に多様な事業を展開し、この多様性を強みとした持続的な価値創造と長期視点での企業価値向上を目指しています。事業と人材の多様性が今後も同社グループの成長を支えていくと強調しています。AIは新たな価値創出と成長機会をもたらす一方で、人のクリエイティビティが常に中心にあるべきという考えを重視しています。
サステナビリティに関する基本方針では、事業活動がステークホルダーや地球環境に与える影響に十分配慮し、対話を通じて信頼を築くよう努めています。重要トピックの一つとして「多様性」を掲げ、創業以来大切にしてきた価値観であり、イノベーションの源泉であると位置づけています。属性及び経験の多様性の進化、ならびに異見(異なる意見)を活かすリーダーシップと企業文化の醸成が重要であると考えています。
同社グループは、「ソニーグループ人権方針」、「ソニーサプライチェーン行動規範」、「ソニーグループAI倫理ガイドライン」を策定し、運用しています。また、上級役員の業績連動報酬の評価指標として、グループサステナビリティ評価の達成度を設定しています。これにより、経営のサクセッションや人的資本への投資、社会価値創出及びESG(環境・社会・ガバナンス)の観点での取り組み等を評価しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、ウクライナ・ロシア情勢や中東情勢等の不透明さ、米中関係等の地政学リスクの高まり、人工知能(AI)のような技術の急速な進化、地球環境問題や社会の分断への対応等の世界情勢の変化に迅速に対応しています。各事業の収益構造の強化に取り組むとともに、長期視点の経営を重視し、グループ全体の企業価値向上のための取り組みを続けています。
AIは同社グループの各事業にとって最重要テーマの一つであり、新たな価値創出を促し、エンタテインメント領域で新しい成長機会を生み出す可能性があると認識しています。技術的・地政学的な変化が起こる中、各事業を推進していく上で、適応力が重要であると強調しています。
サステナビリティの重要トピックとして「多様性」、「人権の尊重」、「気候変動」を特定し、それぞれに対する戦略と目標、主な取り組みを進めています。人権の尊重においては、新たに「ソニーの製品・コンテンツ・サービスを利用する人の権利と安全への配慮」、「ソニーのクリエイティビティを支える人の心身ともに健やかな働き方の推進」、「ソニーのサプライチェーン上で働く人の公正な労働条件の確保」の3つの重点領域を定めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ソニーグループは、会社法上の指名委員会等設置会社として、経営の機関設計を採用しています。執行側から独立した社外取締役が取締役会の相当数を占め、指名、監査、報酬の各委員会を活用しながら、経営に対する実効性の高い監督を行っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ソニーグループの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、信託銀行が上位を占める傾向にあります。また、MOXLEY AND CO LLCをはじめとする海外の機関投資家も上位に名を連ねており、多様な投資家層に支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 18.06% |
| MOXLEY AND CO LLC | 8.85% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 6.79% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 2.89% |
| GOVERNMENT OF NORWAY | 1.92% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は15名(男性10名・女性5名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表執行役社長CEOは十時裕樹氏が務めています。社外取締役比率は81.8%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 十時 裕樹 | 取締役 代表執行役 社長 CEO | 1987年4月同社入社。ソニー銀行代表取締役、ソニーモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長兼CEOなどを経て、2025年4月より同社代表執行役社長CEO。 |
| 吉田 憲一郎 | 取締役 | 1983年4月同社入社。ソニーコミュニケーションネットワーク代表取締役執行役員社長、同社代表執行役EVP CFOなどを経て、2025年4月より同社代表執行役会長。2026年4月より同社会長。 |
社外取締役は、Wendy Becker氏(取締役会議長・指名委員会議長)、岸上恵子氏(監査委員)、Joseph A. Kraft Jr.氏(監査委員会議長・指名委員・情報セキュリティ担当)、Neil Hunt氏(情報セキュリティ担当)、William Morrow氏(報酬委員会議長)、此本臣吾氏(監査委員)、後藤順子氏(監査委員)、Nora Denzel氏(報酬委員・情報セキュリティ担当)、兵頭誠之氏(指名委員・報酬委員)です。
同社は会社法上の指名委員会等設置会社を採用しており、取締役会の過半数を社外取締役が占めることで、経営に対する実効性の高い監督体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ソニーグループの役員報酬は、取締役と上級役員で異なる基本方針が定められています。取締役報酬は、グローバルな観点から優秀な人材を確保し、監督機能を向上させることを目的とし、定額報酬と株式報酬(譲渡制限付株式または譲渡制限付株式ユニット)で構成されています。上級役員報酬は、短期および中長期の業績向上に対するインセンティブとして機能するよう、定額報酬、業績連動報酬、株式報酬(ストック・オプション、譲渡制限付株式または譲渡制限付株式ユニット)で構成されています。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給されていません。業績連動報酬の確定金額は2026年6月に支給予定です。ストック・オプションおよび譲渡制限付株式ユニット(RSU)の総額には、金融事業のパーシャル・スピンオフに伴う過去の株式報酬価値調整の結果が含まれています。
個人別報酬が開示されている役員は、吉田憲一郎氏(2.04億円)、十時裕樹氏(6.11億円)、御供俊元氏(1.46億円)、小寺剛氏(1.34億円)、井藤安博氏(1.11億円)、陶琳氏(1.63億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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