JR東海の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
「日本の大動脈と社会基盤の発展に貢献する」を経営理念に、鉄道事業および関連事業を展開している東海旅客鉄道(以下、JR東海)。リニア新幹線の運行実現まであと一歩です。
口コミからは「旅客の安全安心を守ることがやりがい」「日本のインフラを支えていることに誇りを感じる」など、人々の生活基盤を支えることにやりがいを感じる人が集まっていることが分かります。「リニアを絶対に完成させるんだ!という気概で社内に活気がある」という口コミもあり、特に技術者は未来を担う仕事に関われていることで希望に満ちている様子。リストラのリスクを感じることも少なく、年功序列で給与が上がっていくなど安心して働けるようです。
一方で、単純作業が多い部署ではマンネリ化を感じる人もいたり、残業の多い部署に配属になったり、転勤が多い部門に配属になって不満を感じている人も。年中無休で運行しているため、事故が起こると土日も関係なく呼び出されることもあり、組織への忠誠心が求められる仕事でもあります。
日本のインフラを発展させるために、個人よりも組織を重視して働く。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
中途の場合は新卒と違い、一括採用ではなく各子会社・職種に直接応募する方式です。配属先を確認してから応募しましょう。現在本社の中途採用ではバス乗務員、配送スタッフなどの募集があります。一次審査、二次審査ののちに、運転実技試験が行われます。過去には30代で技術職や営業職などに正社員採用になったとの口コミもあるため、不定期で乗務員以外の募集も行われているようです。こまめにホームページをチェックしましょう。グループ会社では総合職や技術職関連の募集も出ていますので確認してみましょう。
選考期間は2週間から3カ月とばらつきがあります。スケジュールの管理にも注意したいところです。
選考の途中で、クレペリン検査が行われることがあります。単純な計算をひたすら繰り返すのですが、前半の回答数より後半の回答数が上回るように注意しましょう。前半の回答数が多い場合、精神不安定な人と判定されてしまうことがあるからです。
面接は個人・集団の両方ありますが、「明るくハキハキとした答えができ、将来設計がしっかりとできている人が好かれる」とのこと。体育会系の会社ということを意識して、まずは元気よく振る舞いたいところです。
■面接内容の傾向は?
志望動機についてはかなり突っ込まれることが多いようです。「圧迫面接」と感じた人も。「なぜ、なぜ」と納得いかない様子で突っ込まれます。面接官が不機嫌になったのはあなたの回答が悪かったせいではないので、落ち込まずに、冷静になりましょう。そういう面接なのです。そして、志望動機を用意する際には、「その理由なら別の会社でもいいよね。なぜこの会社なのか」と自分に問いかけ、「なぜ攻め」に対応できるようにしておきましょう。
次に、憧れだけではなく仕事として取り組む姿勢もアピールしたいところです。応募職種によっては衣服が汚れるような仕事、体力仕事が必須です。「●●に抵抗はないか」といった質問に対し、「大丈夫です」と自信をもって答えるようにしましょう。前職や学生時代の活動を踏まえ「●●のような経験があるので大丈夫です」と理由を添えて答えられるとベストです。
最後に「普段車を利用している人に鉄道を利用してもらうには」といった思考力を問う質問が出されます。普段から鉄道関連のニュースをチェックし、他社で成功した旅客獲得の戦略や、駅ビル構想の戦略などを調べておきましょう。
JR東海の面接攻略法(面接対策)
■JR東海の経営戦略を理解した上で自己分析をする
JR東海の面接を受ける前に必ずチェックしたいのが、経営戦略です。現在公開されている主力となる戦略をご紹介します。
中央新幹線開業に向けて、より便利で効率的な販売体制を目指す
JR東海の経営戦略を読みとくことで、今後どのような人材が必要とされるかの予想ができます。内容を読み込み経営戦略の実現に向け、自分がどのように役立てるのかを考えておきましょう。
中央新幹線の開業に向け、現在大規模な工事が行われています。2027年に品川―名古屋間の開業を目標にしていましたが、現在では最大8年前倒しにすることが目標となっています。それに伴い急務となっているのが、まずチケット販売のキャッシュレス化。列車の遅延が発生して所定発車時刻を過ぎた場合でも、ネットから乗車予約ができるアプリなどを開発中です。くわえてリニア技術の効率化とコストダウン。最新技術を旅客に安価に提供できるレベルに押し上げている最中です。
こういった職種に直接関わる予定がないとしても、例えば職種がお客様対応なら「今後はチケットレス乗車が増えていくのでお客様対応はこのように変化していくと思う、それに対し●●のように対応できると思う」といった将来予測が可能となるでしょう。自分の目指す職種と関わる部分を探し、自己PRに落とし込みましょう。
■「なぜJR東海に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
東海旅客鉄道の面接では「なぜ東海旅客鉄道なのか」という志望動機がかなり重視されています。面接官はこの質問を通して、本人がやりたい仕事と実際の仕事がマッチしているかどうかをチェックするとともに、企業研究をどの程度やってきたかという側面も併せて審査しています。
業界や職種についてはしっかりと理解している人が多いのですが、面接官を納得させるには、その会社でなければ実現できないことは何かをしっかりと掘り下げる必要があります。そのためには、競業他社を研究し、企業理念や事業内容、経営戦略を見比べてみることが大切です。
具体的には以下のような企業について調べてみましょう。
- 近畿日本鉄道株式会社
- 名古屋鉄道株式会社
- 東武鉄道株式会社
JR東海の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このようにJR東海の採用面接を受ける前には、経営戦略に沿って自己分析すること、他社と比較してJR東海でしかできない何かを志望動機に加えることが必要です。面接の際には「日本のインフラを発展させるために、個人よりも組織を重視して働く」という社風を念頭に置きながら、「中央新幹線開業後の変化に向けて自分の職種でできることをする」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
中途であっても学生時代の勉強やサークル活動、バイトのことまで幅広く聞かれるようなので、今までの人生の各段階から社風や経営戦略に合致するエピソードをできる限りたくさんピックアップしておくと役立つかもしれません。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半男性/機械設計【結果:結果待ち】
20代前半男性/施工管理【結果:面接中止】
20代前半男性/建設コンサルタント【結果:内定を辞退】
20代後半男性/機械設計【結果:最終面接を辞退】
JR東海の採用面接に向けて
JR東海の採用面接を受けるに当たって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 「日本のインフラを発展させるために、個人よりも組織を重視して働く」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 圧迫面接に当たっても「そういう面接だ」と割り切って冷静に対処する。
- 体力をアピールできるエピソードを準備。当日は笑顔で元気よく振る舞う。
- JR東海の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜJR東海か」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。