東海道新幹線に格安で乗れるJR東海社員 「仕事の裁量の小ささ」に不満抱く声も

東海道新幹線に格安で乗れるJR東海社員 「仕事の裁量の小ささ」に不満抱く声も

JR東海の業績が好調です。2019年3月期の売上高は1兆8781億円で、前期比3.1%増。JR東日本の3兆20億円には及びませんが、営業利益は7097億円と、JR東日本の4848億円を大きく上回っています。社内の状況はどうなっているのでしょうか。現役・OBOGの声をまとめます。


日本のインフラを支える「誇り」はあるが

JR東海の高い収益性を支えるのは、なんといっても東海道新幹線の旅客収入で、運輸収入の約9割を占めています。ただし2020年3月期には、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の工事本格化による費用増を見込み、営業利益の前期比4.8%減を予定しています。

駅ビルなど周辺事業の収益が増えているとはいえ、公共交通機関である鉄道は、典型的なインフラ産業。堅実で地味な仕事が中心になるのは仕方がありません。

企業口コミサイト「キャリコネ」には、現役社員・OBOGから会社の内情に関する書き込みが残されています。20代の男性社員は、インフラを担う鉄道会社で働くメリットとデメリットをこう説明します。

日本のインフラを支えているという誇りがあり、自分が安全を支えていると思うと充実感もわいてくる。しかし仕事自体は単純なので、やりがいを感じにくい人も存在する。(2019.4.6)

技術関連職の男性社員も、会社が担う役割の大きさにやりがいを感じつつ、自らの仕事の裁量の小ささに不満を抱いています。これは働く人のストレスに大きな影響を及ぼすものです。

東海道新幹線やリニアを支えているのだと考えるとやりがいを感じる。しかし、一般社員の裁量はかなり小さいため、日々の業務に対するやりがいは感じにくい。(2018.11.22)

「転勤」は多いが「社宅」は整備

技術関連職の20代男性は「あまり尖った人は好まない」という職場の印象を持ったそうです。決められたことを決められたようにこなす必要があるのは、仕方のないことでしょう。

仕事は2年から3年おきにローテーションされますが、基本的に引き継ぎマニュアルに沿ってそつなくこなしていく感じです。自分のアイディアを生かした案を考えてもなかなかそれを実現するのは難しく、自由闊達な風土ではないと感じました。(2015.8.18)

ただし着実に仕事をこなしていれば、居心地は悪くないようです。20代の男性社員たちがメリットにあげる福利厚生は「自社線パス」。期せずして2人とも「転勤」「社宅」に言及しているところも印象的です。

電車好き、特に在来線を好んで乗車する人ならパスを使って無料でどこまででも行けます。新幹線も格安で乗れるため、東京から新大阪までの移動ならば負担をあまり感じず移動できます。転勤は多いですが比較的新しい社宅も多く不自由はないです。(2015.8.18)

東海道新幹線に格安で乗れるのが最大の長所。自社の施設も割引がきくので、旅行に行きやすい。転勤が多いので当然だが、社宅はしっかり整備されている。しかし、プライベートの確保が難しいので(充実した福利厚生)制度を活用しきれない。(2019.4.6)

出世が望めるのは「総合職」だけ?

出世のスピードは総合職が早く、それ以外の職種は「同い年であれば同等の給与というイメージ」とのこと。インフラらしく、評価は加点方式ではなく減点方式のようです。

ルールに従って、ミスを起こさぬように仕事を続けることができれば年功序列で出世していきます。また、ミスを起こしやすい部署に配属することもあるため、運も大きいかと思います。(2017.1.9)

総合職はほぼ横並びで出世し、差がつくのは40代から。プロフェッショナル職は体育会系で上司といい関係を築ける人間が出世するが、総合職と比べると格段に遅い。(2019.4.6)

事業の規模があまりに大きいため、全体感を持って仕事ができる人は、上層部の一部の人に限られるようです。出世の条件は「高学歴」の「総合職」。そして「ミス」をしないこと。これをどう捉えるかは、入社を志望する前に考えておくべきでしょう。

この記事の執筆者


関連記事

JR東海 vs. JR東日本 口コミ分析でわかる働きがい・働きやすさ対決

JR東海 vs. JR東日本 口コミ分析でわかる働きがい・働きやすさ対決

JR東海とJR東日本の社員は自社の働きやすさについてどう感じているのでしょうか。ライバル関係にある企業との違いは? 口コミ投稿者の主観による点数付けと、投稿された口コミから読み取れる本質的な満足度の分析を通じて企業を評価します。


【財務分析】営業利益率37.8%のJR東海 「リニア中央新幹線」の建設投資で減益へ

【財務分析】営業利益率37.8%のJR東海 「リニア中央新幹線」の建設投資で減益へ

JRグループの中で群を抜く高収益体質のJR東海。その背景には交通の大動脈「東海道新幹線」というドル箱路線を有していることにあります。2027年に時速500キロで品川~名古屋間を40分で結ぶ「リニア中央新幹線」の開通を予定しているJR東海の現状と将来を、財務諸表から分析します。