【20年3月期】コロナ禍で減収減益のJR東海 リニア工事の資金繰りに懸念はないか?

【20年3月期】コロナ禍で減収減益のJR東海 リニア工事の資金繰りに懸念はないか?

東海道新幹線という高収益事業を持つJR東海。しかし、2020年3月期はコロナ禍の影響で利用客が急減し、減収減益となりました。21年3月期もこの状態が続くと、リニア中央新幹線の開業が遅れるおそれもありますが、懸念されるのは巨額融資の返済です。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):コロナ禍の影響で減収減益

JR東海の2020年3月期決算は、売上高は前期比1.8%減の1兆8446億円、営業利益は同7.6%減の6562億円で減収減益でした。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上が減少したことに加えて、リニア中央新幹線建設などの設備投資関連費用や技術開発費が増えたため、減益となっています。

売上原価は前期比2.1%増の9915億円で、粗利率は同2.1pt減の46.3%に悪化。販管費は前期比0.3%減の1970億円に抑えましたが、営業利益率は同2.2pt減の35.6%に悪化しています。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9.3%減の3979億円となりました。

2021年3月期の業績予想については、現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で鉄道等の利用客が大幅に減少しており、今後も業績に影響を与える未確定な要素が多く、現時点では算定が困難であるため未定とのことです。

セグメント分析:運輸業の売上の9割超を「東海道新幹線」が占める

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