損益計算書(PL):減収増益は「減損の反動」
2019年12月期決算は減収増益。売上高は2898億円で前期比1.6%減、営業利益は253億円で同15.7%増でした。営業利益率は8.7%で同1.3pt増となりました。
売上減に伴い、売上原価は2121億円と前期比1.4%減り、売上総利益も777億円で同2.4%減になっています。粗利率は26.8%で同0.2pt減と微減です。
販管費等は524億円で前期比9.2%減りました。人件費や開発費などが12億円減ったほか「その他の費用」が39億円減っています。これは主に、独OVALO社の減損の影響がなくなったことによるものです。
ただし「持分法による投資利益」が前期比で63億円減ったことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は179億円となり、前期比14.7%減と最終利益が少なくなっています。
なお、2020年12月期の通期業績予想は、売上高が3030億円(前期比4.6%増)、営業利益が32億円(同26.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が231億円(同28.8%増)と大きく改善する見込みです。
■独OVALO社の減損処理とは?
2017年に買収した独OVALO社の買収価格は8200万ユーロで、「のれん代」は5000万ユーロ。この「のれん代」5000万ユーロについて、2018年に4000万ユーロ(約52億円)、2019年に1000万ユーロ(約13億円)の減損処理しています。
この減損の差額により、大きくコストが減り営業利益が増える結果につながっています。
セグメント分析:「モーションコントロール技術」で国内外に高いシェア
お読み頂きありがとうございます。続きで読めるコンテンツは
3208文字画像4枚
企業戦略の策定や分析をしています。分かりやすい財務分析を目指します。