【20年2月期】最高益のセブン&アイHD コロナ下の「新たな消費行動」取り込めるか

【20年2月期】最高益のセブン&アイHD コロナ下の「新たな消費行動」取り込めるか

国内外のコンビニ事業を中心に流通小売業で世界的規模を誇るセブン&アイHD。20年2月期は減収ながらコスト削減で最高益を達成しましたが、新型コロナによる外出自粛の影響で先行きに不透明感が漂っています。頼みの綱はネット通販やネットスーパー。新しい消費を取り込めるでしょうか。財務諸表などを基に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):減収もコスト削減で過去最高益

セブン&アイHDの2020年2月期決算は、売上収益は前期比2.2%減の6兆6444億円営業利益は同3.1%増の4243億円と減収増益でした。

売上原価は前期比3.9%減の4兆2396億円に抑え、売上総利益は同1.1%増の2兆4048億円、粗利率は同1.2pt増の36.2%に改善しています。

販売費及び一般管理費は、前期比0.6%増の1兆9805億円とややコストアップしました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前期比7.5%増の2182億円でした。前期に比べて米国他の海外でのセブンイレブンのリストラ費用が減少したことから前期比での増益率が上昇しています。

なお営業利益以下の各利益はいずれも過去最高益となっています。

2021年2月期の業績予想は、国内の消費税増税や新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大している影響により、現段階では合理的な業績予想の算出が困難であるため未定としています。 

セグメント分析:国内外の「コンビニ事業」で営業利益の8割超

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この記事の執筆者

金融機関で債券畑を経験後、証券アナリストとして株式の調査に携わる。市場動向や株式を中心としたリサーチやレポート執筆などを業務としている。ファイナンシャルプランナー資格も取得し、現在はライターとしても活動中。株式個別銘柄、市況など個人向けのテーマを中心にわかりやすさを心がけた記事を執筆。


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