【20年3月期】減収減益の駅探 「役員総入れ替え」で低迷する業績は回復するのか?

【20年3月期】減収減益の駅探 「役員総入れ替え」で低迷する業績は回復するのか?

筆頭株主との委任状争奪戦に敗れ「全役員クビ」の要求を飲まざるを得なくなった駅探。パワハラによる中核社員の退職などもあって長期間にわたって売上高が伸び悩み、営業利益率は3期連続悪化しています。一方で財務安全性は高く、豊富なキャッシュを活かした適切な投資が望まれるところです。財務諸表などを元に会社の現状と課題を整理します。


損益計算書(PL):期中に買収した連結子会社の減損計上し大幅減益

駅探の2020年3月期決算は、売上高が前期比5.6%減の28億6500万円、営業利益は同29.4%減の3億3900万円の減収減益でした。第3四半期まで売上高・利益が前年比で微減していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で第4四半期に大きく落ち込み、業績悪化に追い討ちをかけました。

減収にもかかわらず売上原価は前期比6.6%増の11億7300万円と増え、売上総利益は同12.6%減の16億9200万円と減少。粗利率は同4.7pt減の59.1%に悪化しています。

販売費及び一般管理費は前期比7.0%減の13億5300万円と抑えたものの、営業利益率は同4.0pt減の11.8%と3期連続の悪化となっています。

このほか、2019年11月に買収し連結子会社としたラテラ・インターナショナル(旅行会社向けの国内外の観光ガイドブック事業など)について、新型コロナの影響で当初計画していた業績が見込めないと判断し1億3800万円の減損を計上するなどして、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比92.1%減の2300万円となりました。

21年3月期の業績予想は、新型コロナウイルス感染症の動向を予測することが困難な状況であることから、非開示としています。
 

セグメント分析:「スマホ販売のルール変更」が売上減に影響

お読み頂きありがとうございます。続きで読めるコンテンツは

この記事の執筆者

ビジネス会計の知識を生かして執筆活動を行っています。読者にわかりやすい記事を書けるよう日々精進しています。


関連記事

駅探の筆頭株主による「現経営陣の全員退任」提案が勝利 元社員が明かす「10年以上続くパワハラ体質」

マザーズ上場の駅探の筆頭株主が、現経営陣全員の退任を求める株主提案を発表しました。駅探は反対意見を表明し委任状争奪戦に発展しましたが、会社側の敗北が決定的に。事の発端は長年にわたる経営陣によるパワハラですが、駅探の社内で何が起こっていたのでしょうか。実際にパワハラに遭遇して退職した元従業員2人にインタビューしました。


wiget_w300
wiget_w300
wiget_w300