京都銀行の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
設立は戦中に遡る京都銀行の歴史。当初は京都府北部を中心に営業していましたが、のちに京都市内に進出。戦後は、舞鶴港を経由して帰国した外地からの引揚者のために外貨の両替をおこなうという、重大な業務を担った時期もありました。また、京都に本社を置く大企業の主力銀行としてその成長を支えるとともに、地域社会に根ざした金融機関として業容を拡大させてきた同社。2019年度には10年連続でメインバンク社数が京都府下トップになるなど、立ち位置は確固たるもの。その利を活かし、滋賀県・大阪府・奈良県・兵庫県をもサービス地域とする「広域型地銀」として事業展開しています。
そんな京都銀行の口コミに並ぶ「(たたき上げを美徳とする)体育会系の社風」「完全トップダウン式」「年功序列」といった言葉からは、良くも悪くも日本的な企業風土がうかがえます。「我慢強くイエスマンをしていれば自然に昇格する」との意見も聞かれるなど、同社でスムーズに昇進するためには、実力に加えて忍耐力や社内政治力が重要となるよう。「男性社会といえる要素が根深く残っている」という女性社員の口コミも見受けられ、女性の活躍推進においても保守的な面があることは否めません。
一方で、勤務時間が厳格に管理されている点、カレンダーどおりに勤務できる点など、ワークライフバランスに配慮した労働環境があることを評価する口コミも多数。長時間残業は推奨されていないため、勤務時間内の業務進行スケジュールがタイトになることがあるようですが、プライベートの充実を図りたい人には適した環境だと言えるでしょう。
さらに、「上場企業が多く、業務にやりがいを感じる」「京都の社会の動きが本当によく分かる」といった、やりがいに言及する声も少なからず聞かれます。「新入社員はPRのため祇園祭に駆り出される」(口コミより)など、京都ならではの業務もあり、地域社会に貢献しつつ成長したいと考える人にとっては充実したフィールドがあるようです。
保守的な面はあるものの、京都の発展への貢献を追求する。こうした京都銀行の社風にフィットしつつ、効率的に業務をこなして成果を挙げられる人材であるかどうかは、面接時に採用側が見極めたいポイントのひとつでしょう。自己分析・企業研究の両面から対策をおこない、最適な自己PR法を見つけましょう。
■選考は何次まで?
京都銀行の選考プロセスは、コーポレートサイトにリンクされた求人サイトを経由したエントリーからスタートします。エントリー情報を基にした書類選考通過者に面接の案内が届きます。面接回数について募集要項には記載はありませんが、口コミによると2~3回であることが一般的なようです。
2020年6月現在、京都銀行では、個人・法人向け営業からシステム企画や監査業務まで、本支店での銀行業務全般の職種において中途採用をおこなっています。募集メッセージには、専門的スキルを備えた人材を求める旨が明記されているため、自分の希望する職種ではどのような方法でキャリアやスキルをアピールするのが効果的か、しっかりと対策を練った上で面接に臨む必要があります。
■面接内容の傾向は?
面接では、京都銀行での業務に活かせるスキルや素養が問われます。
志望動機や前職での経験など、中途採用面接としては一般的な内容の質問が多いようですが、それらの質問は「入社したらどのように貢献できるか」という切り口になっています。特に「前職で得たものをできるだけたくさん教えてください」「前職での学びは?」のように、これまでのキャリアの中でどのような経験をし、どのようなスキルを築いてきたかが重視されます。このような質問に対応できるよう、自分のキャリアを説明する準備をしておきましょう。過去に経験した業務を俯瞰し、現在の自分の強みにつながる業務を軸にした構成にすると、スキルのアピールにもなります。具体例を交えつつ説明できるとよいでしょう。
もちろん、オーソドックスな質問に対しての回答は事前に用意しておくなど、基本的な準備は怠らないようにしましょう。
京都銀行の面接攻略法(面接対策)
■京都銀行の中期経営計画「Phase Change 2020」を理解した上で自己分析をする
面接に臨む前に必ず押さえておきたいのが京都銀行の中期経営計画「Phase Change 2020」です。2020~2022年を対象として策定されたこの計画では、従来路線の戦略では対応の難しい事業環境を受け、新しいフェーズにおいても成長するための各施策が掲げられています。
社員の満足度向上と顧客満足度向上、このふたつの取り組みを循環させることで、各方面からフェーズチェンジを目指すのがこの計画の骨子です。「事業領域」「サービス展開」「就労環境の整備を含めた人材戦略」をメインとし、そのフェーズチェンジに取り組むとしています。
特に事業領域では、これまでどおり銀行業を主軸としつつ、法人向け業務・個人向け業務ともにコンサルティング力を強化していきます。法人向け業務においては、(信託業務に参入した)前中期経営計画での取り組みをベースに、恵まれた営業マーケットや地域ネットワークを強みとして顧客の課題解決に焦点を当て、コンサルティング営業を推進します。個人向け業務においては、顧客層を3つの層に分け、本部・営業店が一体となり、それぞれの層に応じたアプローチで営業をおこないます。
社員の満足度施策である人材戦略では、社員ひとりひとりのキャリア支援に重点を置きます。多様なキャリアプランの整備や公正な評価制度、人材と組織との連携といった戦略により、社員のやりがいやモチベーションを向上させることで、全社的な戦力アップにつなげたい考えです。中途採用においても、このような人材戦略に沿って主体的にキャリアアップしようとする人材が求められます。また、「地域社会への奉仕・貢献」をモットーとする京都銀行。地域社会に根ざした顧客本位の営業活動を重視するため、「顧客目線に立った発想ができる」ことも大切な要素です。自分のキャリアを説明する際には、こうした視点を盛り込むとよいでしょう。
■「なぜ京都銀行に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
京都銀行だけでなく、中途採用面接では一般的な「なぜ当社か?」という質問。志望動機を問うことで面接官は企業研究の度合いやその深度を計ろうとしています。これらを探ることで、入社にかける応募者の熱意や、その後のキャリアビジョンまでも知ることができるからです。
面接官のこのような意図に的確に応えるためには、他社研究が有効です。企業研究の過程で同業他社について比較する手法を取ることで、京都銀行のカラーや強み、さらに今後の戦略をしっかりと理解することができます。具体的には、以下のような金融機関について調べておくことをおすすめします。
- 京都中央信用金庫
- 京都信用金庫
- 株式会社関西みらい銀行
京都銀行の採用面接で実際に聞かれた質問内容
京都銀行のカラーや戦略、求める人物像などが具体的に把握できたのではないでしょうか。採用面接を受けるにあたっては、これまでのキャリアの整理や、中期経営計画を理解した上での自己PR、熱意の伝わる志望動機の作成といった対策が重要となります。
「保守的な面はあるものの、京都の発展への貢献を追求する社風」を踏まえ、「顧客目線に立ち、これまでのキャリアを活かして主体的に業務に取り組める人材」であると印象づけられるようなエピソードを過去の経験の中から選定し、必要に応じて披露できる準備をしておくとよいでしょう。
以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。ここまで取り組んできた面接対策の仕上げとして、自分のキャリアを反映した回答を用意し、ぜひ質疑応答のシミュレーションをしてみてください。
[20代前半・女性/カウンターセールス] 【結果:結果待ち】
[20代前半・女性/財務・会計関連職] 【結果:二次面接で不採用】
[20代前半・男性/販売アドバイザー] 【結果:面接中止】
[20代後半・男性/ルートセールス] 【結果:入社】
京都銀行の採用面接に向けて
京都銀行の採用面接を受けるにあたって、押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「保守的な面はあるものの、京都の発展への貢献を追求する社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- 京都銀行の中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析をおこない、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜ京都銀行なのか」に対する答えを明確にしておく。
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大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。