タマホームの平均年収は693.4万円
タマホームの平均年収は693.4万円です(タマホーム有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考にタマホームの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で450〜500万円、30歳代で640〜690万円、40歳代で830〜880万円という結果になりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.4倍の額です。
■タマホームの平均年収推移
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2021年5月期 | 693.4万円 | 39.8歳 | 7.3年 | 3319人 |
2020年5月期 | 655.1万円 | 38.9歳 | 6.5年 | 3443人 |
2019年5月期 | 644万円 | 38.8歳 | 6.2年 | 3348人 |
2018年5月期 | 638.1万円 | 38.6歳 | 6年 | 3172人 |
2017年5月期 | 636.1万円 | 38.4歳 | 5.9年 | 2948人 |
出典:タマホーム・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
タマホームの平均年収は前年を上回り693.4万円でした。
過去5年間では最高額になりました。
タマホームの年代別平均年収と中央値
■タマホームの年収中央値は30代で660.5万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 472.7万円 | 30.8万円 | 84.8万円 | 425.43万円 |
30代 | 660.5万円 | 42.5万円 | 118.6万円 | 594.45万円 |
40代 | 847.7万円 | 54.2万円 | 152.3万円 | 762.93万円 |
50代 | 1070.7万円 | 68.2万円 | 192.4万円 | 963.63万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
タマホームの年収が高い理由
■「歩合給・報奨金」と「資格取得祝金」
タマホームの年収の高さを支える理由は、営業・工務職を対象とした「歩合給・報奨金」、そして建築・事務職を対象とした「資格取得祝金」です。
「歩合給・報奨金」の仕組みは、まず前期の業績によって「歩合率」が設定されます。これは、口コミによると「0.5~2%」の範囲で変動するもので、優秀な営業マンであれば「青天井式に年収は稼げる」ようで、中には「年収3000万円の人も」いるそうです。しかし逆に成績が芳しくない場合は、歩合率が低くなり、「1棟売っても大した額はもらえない」「生活が苦しくなる」ということも起こりえます。
「資格取得祝金」は、以下の通り、取得した資格別に祝金が支給される制度です。
●1級建築士:50万円/2級建築士:30万円
●宅地建物取引士:15万円
●1級施工管理技士:15万円
●ファイナンシャルプランニング技能士2級:10万円
「歩合給・報奨金」「資格取得祝金」が年収を上げることに直結する仕組みを作ることで、社員の成長意欲を高めるとともに、モチベーションを最大化する役割を果たしていることが伺えます。
タマホームの給与体系・内訳
■住宅手当・資格保有手当が充実
タマホームの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回(6月・12月)の賞与で構成されています。
諸手当は時間外手当、通勤手当、住宅手当、資格保有手当などが代表的なものです。住宅手当については、3つの地域区分によって、以下の通り支給金額が異なります。
①首都圏:月額30,000円
②大都市圏:月額20,000円
③中都市圏:月額10,000円
また資格保有手当については、建築士や建築施工管理技士などの資格保有者に対し、3,500~7,500円の手当が支給されるというものです。
基本給は、基礎給・役職給・能力職務給の3つの要素で構成され、さらに営業・工務職の場合は、これに歩合給・報奨金が追加で支給されます。能力職務給は、前年の業績および役職によって毎年支給額が変更されます。金額のレベルとしては、口コミによると「月2~6万円程度」とのことです。
賞与は半期ごとの業績に連動して支給額が決定される仕組みですが、これについては、「1回あたり1ヶ月分あればいいほう」「年間で1.5~2ヶ月分程度」と、不満を感じさせる口コミも見られます。
タマホーム社員の給与明細(キャリコネ)
営業職は歩合給次第、30代でも20代と同等の年収ケースも
20代営業(非管理職)の 給与明細
20代営業(非管理職)の 給与明細
技術職は資格次第だが、年収が上がらないケースもあり
30代(非管理職)の 給与明細
30代(非管理職)の 給与明細
タマホームの職種別年収
■平均的な営業職の年収は約600万円
タマホームの職種は、「営業」「工務」「設計」「事務」の大きく4つに分類され、さらにそれぞれの職種において、転勤の有無によって「全国社員(全国に転勤あり)」「エリア限定社員(会社が定めたエリア内での転勤あり)」「地域限定社員(転勤なし)」の3つに分かれます。
賃金制度は、「営業」と「工務」、「設計」と「事務」の2つに分かれており、これらの違いは、「歩合給(営業)/報奨金(工務)があるかどうか」です。初任給についても、これら2つのグループごと、また社員形態ごと、そして学歴ごとに設定されています。
<初任給>
【営業、工務】
●全国社員: 210,000円
●エリア限定社員: 190,000円
●地域限定社員:183,000円
【設計、事務】
●全国社員:大学院卒 194,000円、大学卒 184,000円、短大・専門・高卒 176,000円
●エリア限定社員:大学院卒 183,000円、大学卒 173,000円、短大・専門・高卒 165,000円
●地域限定社員:大学院卒 172,000円、大学卒 162,000円、短大・専門・高卒 154,000円
歩合給、報奨金の存在により、同じ年代・資格でも年収には大きな開きがあります。同じ営業主任職であっても、500~1000万円という幅があり、同じ支店であっても、「年収1000万円の社員もいれば、200万もいる」ようです。平均的な営業職の年収としては、「毎月一棟契約がノルマ」を達成する社員で、「600万円程度」とのことです。
タマホーム社員の給与明細(キャリコネ)
営業職は20代で800万超えも
20代営業(非管理職)の 給与明細
20代技術(非管理職)の 給与明細
30代でも成績次第で平均年収以下にもなりえる
30代営業(非管理職)の 給与明細
30代技術(非管理職)の 給与明細
タマホームで年収を上げる方法
■歩合給によって大きく年収が変動する
タマホームの年収の多くの部分は、営業職の場合「歩合給」で占められているため、年収を上げるためには、個人業績を上げることが必要となります。
社内での出世・昇格を進めるには難しい環境であることも事実のようで、「マネジメントレベルの昇進査定は硬直的」「古くからの幹部とコネクションがないと管理職以上への昇格は難しい」という口コミが多く見られます。そうは言ってもモチベーションが保てない環境というわけではなく、「やる気のある人間ほど稼げる仕組み」「やったらやったぶんだけ給料に反映される」と、歩合給の存在が社員を鼓舞する役目を果たしていることが分かります。
工務職の場合も、営業職同様、エクステリアやインテリアの契約金額などの実績によって報奨金を支給されますが、設計・事務職の場合は、こうした仕組みはありません。口コミを見ると、「年収を上げるには、役職を上げるか建築士の資格を取るしかない」というのが実情のようです。
タマホーム社員の口コミ(キャリコネ)
歩合給によって年収が大きく変動する
「月平均1棟の契約で年収600万円程になる 上を目指せば1000万は行くのでは……」
管理職への昇格は難しいが、歩合給がやる気を引き出す
「マネジメントレベルの昇進査定はやはり硬直的 インセンティブの割合も高くやる気のある人間ほど稼げる仕組み……」
タマホームと競合他社の平均年収を比較
タマホームの競合や同業界である積水ハウス、オープンハウスグループ、フジ住宅の4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、タマホームが693.4万円、積水ハウスが799.5万円、オープンハウスグループが644.8万円、フジ住宅が556万円です。
この4社の中で最高額は積水ハウスの799.5万円で、最低額がフジ住宅の556万円。その差はおよそ244万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではタマホームは2番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
積水ハウス | 799.5万円 | 43.3歳 | 16.7年 | 15017人 | 11503.64億円 |
タマホーム | 693.4万円 | 39.8歳 | 7.3年 | 3319人 | 2108.47億円 |
オープンハウスグループ | 644.8万円 | 29.3歳 | 3.2年 | 1089人 | 178.35億円 |
フジ住宅 | 556万円 | 40.9歳 | 9.6年 | 694人 | 971.45億円 |
タマホームの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。