【平均年収937.2万円】伊藤忠エネクスの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

伊藤忠エネクスの歴史は、1961年に伊藤忠商事と兼ねてから取引協力関係にあった日本鉱業が新たに建設した製油所までさかのぼります。その石油を販売するために、伊藤忠商事の子会社である伊藤忠石油を分割して誕生したのが伊藤忠エネクスです。

創立から59年、半世紀たった今でも、ガソリンや灯油、軽油などのエネルギー販売といった祖業は拡大を続けています。そして現在は国内No.1規模の約2000か所にものぼる、系列カーライフ・ステーションを有するエネルギー商社最大手として君臨するまでに成長しました。

伊藤忠エネクスは今までの実績にあぐらをかかず、将来への成長戦略「Moving ！」を掲げ、電気自動車販売など新しい分野にも積極的に取り組んでいます。また社内では、「長時間勤務の防止」「健康増進」「仕事の質の向上」の3本柱を軸にして働き方改革にも着手しており、企業の成長とともに人材育成にも注力していこうとする本気の姿勢が伝わるでしょう。

また伊藤忠エネクスは年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。

伊藤忠エネクスは年功序列型の給与体系をとっており、管理職の一歩手前までは入社年数に応じて給与が上がる仕組みになっています。1つの目安として、課長職になれば1000万円を超えると考えてよさそうです。また同社では一般的に、マネジメント職には30代後半から就くようになるため、これも1つの基準となるでしょう。

給与の特徴として、賞与の占める割合が大きいことが挙げられます。ひとつの例では、賞与が年間6か月分（夏3か月＋冬3か月）支給された年度もあったようです。賞与は会社の業績に大きく左右されるため、業績が好調な現在はより高い収入が期待できるかもしれません。

年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。

懸念点として、まず1つは1人の営業が扱う商材の多さです。事業の多角展開により、多種多様な商品を取り扱うようになったことが影響し、社内では各商品に対する知識の低さを嘆く声も出ているようです。顧客に最適な提案をするためには、事前学習などの負担は大きくなるでしょう。

そして次に転勤の多さです。公式では3～5年のサイクルで異動ということになっていますが、実際には1年で転勤するということも珍しくはないようです。新しい土地での負担や、その転勤に意味を見出せないほどサイクルが短いことに対する不満が、人によっては消耗につながることもあるといいます。ちなみに現在、伊藤忠エネクスは北海道から沖縄まで15の支店、北海道から長崎まで14の基地を保有しており、常に全国転勤の可能性があり得るのです。

ここまで伊藤忠エネクスの年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか？

伊藤忠エネクスでは年に1度、全社員に希望勤務地を確認する自己申告制度があります。全員の希望が通るとは限らないようですが、希望調査をしてくれるような企業が他にどれだけあるかを鑑みると、自己申告制度があることだけでも、全国に転勤する可能性が高い伊藤忠エネクスの社員にとっては安心材料といえるでしょう。

また伊藤忠エネクスは、対象社員に対して借上社宅や寮を用意しています。地方都市に転勤になった場合、家賃が10万円前後であれば自己負担額は2～3万円前後で済むように借上社宅を準備するなど、非常に手厚い待遇が与えられる点については社員から満足の声も聞かれます。

結論的には、努力や覚悟は必要ですが、就職・転職先として素晴らしい企業であるといって問題ないでしょう。

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