富士フイルムホールディングスの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

富士フイルムホールディングスの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

富士フイルムホールディングスの2026年3月期2Q決算は、全主要利益項目で過去最高を更新し、通期売上予想を3.3兆円に上方修正。絶好調のイメージング事業に加え、バイオCDMOの北米拠点開設や生成AI向け半導体材料の躍進が光ります。「なぜ今、変革を続ける富士フイルムなのか?」転職希望者が担える次なる役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

全主要利益項目で上期過去最高を更新しました

2026年3月期上期は、売上高・営業利益・純利益のすべてにおいて上期としての過去最高を更新しました。特にイメージング事業が絶好調で、通期の連結売上高予想を3兆3,000億円へと上方修正しています。多角化した事業ポートフォリオが強固な収益基盤となっていることが実証されました。

バイオCDMOの大型拠点が米国に開設されました

2025年9月、米国ノースカロライナ州に北米最大級となるバイオ医薬品の開発製造受託(CDMO)拠点を新設しました。急速に拡大する抗体医薬品の需要を取り込むため、第一次投資設備が年内に稼働を開始します。高度な専門技術を持つ人材にとって、グローバルな成長機会が大きく広がっています。

半導体材料の管理体制を最適化しました

当期よりケミカル試薬事業をエレクトロニクスからヘルスケアセグメントへ移管する組織再編を実施しました。これにより半導体材料事業は先端ノード向けに特化し、生成AI用途で需要が急増するCMPスラリー(研磨剤)などの販売を加速させます。特定領域への集中投資により、キャリアの専門性を深化させられる環境です。

1 連結業績ハイライト

イメージング事業の圧倒的な牽引力により、通期売上高予想を上方修正。全セグメントでの増収を達成し、成長投資と収益拡大を両立させています。
連結業績ハイライト

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.4

売上高

1兆5,724億円

+3.8%

営業利益

1,585億円

+16.9%

純利益

1,202億円

+9.0%

上期連結業績は、売上高・営業利益・当社株主帰属純利益のいずれも上期として過去最高を記録しました。第2四半期単体でも売上高が8,229億円(前年同期比7.5%増)と極めて好調です。好業績の要因は、バイオCDMOの新規設備稼働や、デジタルカメラ・インスタントフォトシステム「instax」の旺盛な需要にあります。

通期予想に対する進捗率は、売上高で47.6%、営業利益で47.9%となっており、第2四半期時点として概ね順調に推移しています。特に利益面では上期に当初予想を上回る実績を積み上げており、下期の成長投資を加速させる余裕が生まれています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

「ヘルスケア」「エレクトロニクス」を成長の柱に据えつつ、全事業で構造改革と付加価値向上を断行しています。各専門領域で高度なスキルが求められています。
事業別業績

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.12

ヘルスケア

【事業内容】メディカルシステム(AI画像診断支援等)、バイオCDMO(受託製造)、ライフサイエンス、医薬品を展開。

【業績推移】売上高4,992億円(前年同期比3.1%増)、営業利益237億円(前年同期比2.8%増)。

【注目ポイント】バイオCDMO事業が牽引役となっており、デンマーク拠点の新設備稼働や米国ノースカロライナ新拠点の開設など、世界規模の供給能力拡大が進んでいます。メディカルシステムではAI技術を活用した独自ソリューションをアフリカ等の新興国へ展開しており、グローバルな課題解決と事業成長を両立できる環境です。※ケミカル試薬事業の移管により前年比はリステートされています。

注目職種:バイオ製造技術エンジニア、AI医療診断ソフトウェア開発、グローバル事業企画

エレクトロニクス

【事業内容】半導体材料(CMPスラリー、フォトレジスト等)、ディスプレイ材料、記録メディア(データテープ)を提供。

【業績推移】売上高2,095億円(前年同期比1.9%増)、営業利益420億円(前年同期比8.2%増)。

【注目ポイント】生成AIの普及に伴い、先端半導体向けのCMPスラリーが過去最高の売上を更新しています。ハイブリッドボンディング用などの新製品販売も開始され、先端パッケージング市場でのシェア拡大を目指しています。市況変動に左右されない、先端ロジック・メモリー向けの高付加価値材料に注力しており、化学・材料工学の専門家にとって最先端の挑戦が可能です。

注目職種:材料開発研究員、半導体プロセスエンジニア、テクニカルマーケティング

ビジネスイノベーション

【事業内容】DX関連ソリューション、オフィス機器(複合機)、グラフィックコミュニケーション(商業印刷)を展開。

【業績推移】売上高5,722億円(前年同期比0.8%増)、営業利益314億円(前年同期比24.1%増)。

【注目ポイント】ビジネスソリューション事業が前年同期比13.8%増と大きく伸長しています。自治体向けサービスやDX関連ソリューションが好調で、モノ売りからコト売りへの転換が加速しています。一方で、低採算機種の絞り込みや体質強化費用を積み増すなど、収益構造の抜本的改革を進めており、組織変革や事業再生に興味のある人材には刺激的なフェーズです。

注目職種:DXコンサルタント、ITソリューションアーキテクト、構造改革推進リーダー

イメージング

【事業内容】インスタントフォトシステム「instax」、デジタルカメラ「X/GFXシリーズ」をグローバルに展開。

【業績推移】売上高2,915億円(前年同期比13.3%増)、営業利益804億円(前年同期比21.5%増)。

【注目ポイント】全社で最も高い利益率(27.6%)を誇るキャッシュカウ事業です。新製品「instax mini 41」やデジタルカメラの好調により、通期売上高予想を300億円上方修正しました。ブランド力と製品企画力が圧倒的であり、グローバル市場でのファン形成やコミュニティ開発を担うクリエイティブな人材にとって、非常にやりがいのあるフィールドです。

注目職種:プロダクトプランナー、グローバルマーケティング、光学設計エンジニア

3 今後の見通しと採用の注目点

イメージング事業の利益でヘルスケアやエレクトロニクスの未来投資を賄う好循環を維持。バイオCDMOの立ち上げが次なる成長の鍵となります。
今後の戦略

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.5

通期業績予想において、売上高は過去最高の3兆3,000億円を目指しています。銀価格の高騰や為替変動、米国の関税政策(全社で約60億円のマイナス影響想定)といった外部リスクを、イメージング事業の増収増益でカバーする計画です。

特筆すべきは半導体材料の2030年目標です。CMPスラリー全体でグローバルシェアNo.1を掲げており、先端パッケージング向けの新製品投入を加速させています。また、バイオCDMOではデンマークと米国の2拠点製造体制を確立し、受注機会を最大化させています。これらの成長領域では、国籍やバックグラウンドを問わず、プロフェッショナルなスキルを持つ人材を積極的に受け入れていることが資料から伺えます。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

富士フイルムは、写真フィルムから「ヘルスケア」「先端材料」へと見事なトランスフォーメーションを遂げた企業です。志望動機では、同社の「変化を恐れない企業文化」と、自身のこれまでのキャリアで「変革を主導した経験」を紐付けるのが効果的です。特に、バイオCDMOや半導体材料といった世界トップを狙える領域で、どのように自身の専門性を還元し、地球規模の笑顔(グループパーパス)に貢献したいかを語ることで、強い共感を得られるでしょう。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「米国ノースカロライナ拠点の開設により、バイオCDMO事業は新たなフェーズに入りますが、グローバルでの品質保証体制の標準化において、現場で今最も必要とされているスキルは何でしょうか?」
  • 「生成AI向け半導体材料が好調ですが、先端パッケージング技術の進化に対し、研究開発と製造現場がどのように連携して開発スピードを維持しているのかお聞きしたいです。」
  • 「ビジネスソリューション事業でDX関連サービスが急成長していますが、既存のハードウェア販売の強みをどのようにデジタルサービスへ転換させているのでしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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住宅手当が多いのが非常に助かる

住宅手当が多いのが非常に助かる。そのほかの項目についても大企業平均といって差し支えないだろう。特にユニークな種類はないが、十分に満足できる内容ではないかと思います。子育てに関するものも手厚く女性社員も多く在籍しています。

(30代前半・法務・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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残業は恒常的に多い

残業は恒常的に多い。また繁忙期においては休日出勤することも多くある。 一方で、有休は比較的取りやすい風土がある。すなわち、自己の裁量に任される部分が大きい。ある一定年度が経過すると、半ば強制的に裁量労働制に移行させられる。これは一長一短あり、効率的に働ける人にとっては良い制度である。とはいえ、経費削減の面が色濃く写る。

(30代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料(2025年11月6日発表)
  • 2026年3月期 第2四半期 決算短信〔米国基準〕(2025年11月6日発表)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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