0 編集部が注目した重点ポイント
① 米国データセンター事業へ1,800億円を戦略投資する
世界最大マーケットである米国にて、2.8GWの開発機会に参画しています。自社グループの強みを活かし、1,800億円の投資を計画。ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)向けの開発を推進しており、専門性の高い技術職や事業開発職でのキャリア機会が急拡大しています。
② 丸の内オフィスの賃料を最大20%以上増額改定する
インフレ環境下で「プライム・プレミアム」な物件の需要が際立っています。丸の内エリアでは賃料改定時の増額妥結率がほぼすべてとなり、増額幅は5%から20%以上に達しました。価値に見合った賃料設定を重視する戦略により、丸の内事業の営業利益は1,000億円超を見込んでいます。
③ 2027年度までに政策保有株式を50%以上削減する
資産効率の追求に向け、政策保有株式の削減を加速させています。2027年度までに50%以上の削減を目標に掲げ、回収した資金は追加の自己株式取得などの株主還元や成長投資へ充当。資本効率(ROE)向上を重視する経営体制への刷新が鮮明になっており、財務戦略部門の重要性が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) P.1
営業収益
743,204百万円
+15.9%
営業利益
107,590百万円
+7.7%
親会社株主純利益
58,071百万円
+16.1%
当第2四半期累計の連結業績は、営業利益が1,075億円(前年同期比7.7%増)となり、着実な利益成長を実現しました。特に親会社株主に帰属する中間純利益は580億円と、前年同期の500億円から大きく増加しています。これは、オフィスリーシングの好調に加え、国内外での物件売却によるキャピタルゲインが寄与した結果です。
通期予想の営業利益3,250億円に対する進捗率は約33.1%となっており、現時点では進捗が遅れている状況です。ただし、不動産業界の特性として下半期に利益が偏重する傾向があり、通期業績予想の修正は行われていません。今後の大型物件の引き渡しやさらなる資産売却の進捗が注視されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:CEO Presentation P.2
丸の内事業(国内ビル事業)
【事業内容】丸の内エリアを中心に、プライム・プレミアムなオフィスの賃貸・管理および街づくりを展開する基幹事業。
【業績推移】営業利益は1,000億円超を目指し、インフレ環境下で過去最高の賃料増額を達成中。
【注目ポイント】単なるオフィス提供ではなく「投資」としてのオフィス価値が評価されています。物価連動賃料(CPI連動)の導入など、高度なリーシング戦略を担う人材や、エリア全体の価値を高める開発プロフェッショナルが不可欠となっています。
海外事業(米国・データセンター等)
【事業内容】米国でのデータセンター開発や、オーストラリアにおける住宅アセットの開発・販売を推進。
【業績推移】米国にて2.8GW規模の開発に参画。厳選投資した資産が順次回収期へ移行中。
【注目ポイント】データセンターは将来の成長ドライバーです。現地子会社のTA Realty等の強みを活かし、ハイパースケーラーのニーズを捉える専門性が求められています。グローバルな投資管理や、特定の技術アセットに精通した人材への期待が高まっています。
海外事業(豪州・住宅)
【事業内容】オーストラリア(シドニー等)での住宅アセットを中心とした不動産開発事業。
【業績推移】資産残高は1,600億円を突破。好調な人口増に支えられた高い需要を享受しています。
【注目ポイント】現地有力デベロッパーとのパートナーシップにより、175 Liverpool Street(300戸、2031年予定)などの大規模PJが進行中。透明性の高い不動産マーケットでの開発実績は、グローバル人材にとって大きなキャリア実績となります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:CEO Presentation P.12
2030年のROE10%達成を目指し、2025年度は8%程度を確保する見込みです。成長のドライバーは、東京および主要都市のプライムエリアにおける大規模開発(Torch Towerなど)のリーシング進捗と、海外での戦略的投資の回収です。特に、2025年9月には米国でNOVA Business Park Ph1が竣工するなど、データセンター事業の収益化が具体化し始めています。
一方で、金利上昇や工事費高騰というリスクも認識されており、資産売却による資金回収と再投資の「循環」をいかに加速させるかが問われています。また、7年間で3,800億円の自己株式取得を実施するなど、資本効率を重視する姿勢は一貫しており、コーポレート部門においても高い投資判断能力が求められる環境です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
三菱地所は現在、従来のデベロッパーから「資本効率とグローバル成長を両立する企業」へと変革を遂げています。「丸の内の賃料増額戦略」に見られるような価値最大化の視点や、「米国データセンターへの1,800億円投資」に代表される新領域への挑戦を志望動機の軸に据えるのが有効です。「安定した基盤の上で、いかに新しい価値や効率性を付加できるか」という提案力が評価されます。
面接での逆質問例
- 「インフレ環境下で物価連動賃料の導入を進めていますが、現場での交渉やリーシング戦略において最も重視しているスキルは何でしょうか?」
- 「米国データセンター事業において、TA Realty等のグループ会社とどのように連携し、日本国内とは異なるスピード感で事業を推進していますか?」
- 「ROE10%達成に向けた政策保有株式の売却が進んでいますが、回収資金の再投資先としてどのような新領域を優先的に検討されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
社員は穏やかな人が多く社員同士の仲が良い
社員は穏やかな人が多く、社員同士の仲が良い。 また、社員数が多くないため、プライベートでも部活動、部旅行がある部署もある。
(20代前半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- FY2025 (2026年3月期) 第2四半期決算 CEO Presentation



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。