0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期事業利益計画を240億円へさらに上方修正する
2025年12月期の通期業績予想において、事業利益を当初計画から20%引き上げ、240億円へと上方修正しました。第3四半期累計の事業利益は前年同期比1.7倍の245億円に達しており、収益性重視の営業活動や価格改定の効果、さらには変革を通じたコスト削減が利益成長を強力に牽引しています。
② 報告セグメントを3区分へ刷新し経営管理を高度化する
2025年度より、従来の単一セグメントから「ベンディング」「OTC」「フードサービス」の3つの報告セグメントへ変更しました。各ビジネスユニットの特性に応じた迅速な意思決定とマネジメント体制の構築を進めており、各事業領域における専門人材のキャリア機会がより明確化される構造へと進化しています。
③ 株主還元を大幅拡充し持続的な企業価値向上を図る
新中期経営計画「Vision 2030」に基づき、累進配当方針への変更や300億円規模の自己株式取得など、当社史上最大規模の株主還元策を発表しました。業績向上を還元へ繋げる好循環を体現しており、強固な収益基盤の構築と資本効率(ROIC)の向上に向けた変革の意志が鮮明になっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年 第3四半期 決算説明会 P.7
売上収益
6,835億円
(+1.0%)
事業利益
245億円
(+66.5%)
EBITDA
556億円
(+13.8%)
※事業利益:売上収益から売上原価、販管費を控除し、経常的に発生する損益を加減算した指標。営業活動の経常的な実力を示します。
第3四半期累計の実績は、売上収益が前年同期比1.0%増の6,835億円、事業利益は前年同期比66.5%増の245億円となりました。販売数量は価格改定や前年の特需の反動により1%減少したものの、1ケース当たりの納価改善が寄与し、増収増益を確保しています。なお、営業利益は▲701億円の赤字となっていますが、これは将来の資本配分最適化に向けたベンディング事業の固定資産減損(約893億円)というキャッシュアウトを伴わない一時的な要因によるものです。
2025年通期の事業利益計画は、当初の200億円から240億円へ上方修正されました。第3四半期時点での事業利益実績(245億円)は、修正後の通期計画(240億円)を既に上回っており、進捗状況は極めて順調と評価できます。第4四半期に予定している戦略的なマーケティング投資や、2026年の利益成長に向けた基盤強化を織り込んだ上での野心的な目標設定となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年 第3四半期 決算説明会 P.24
ベンディング事業
事業内容:国内の自動販売機チャネルにおける飲料の製造・販売およびマーケティング、自動販売機関連のオペレーション事業。
業績推移:売上収益3,057億円(前年比1.6%減)となったものの、セグメント利益は83億円(前年比58.1%増)と大幅な収益改善を達成。
注目ポイント:最需要期の猛暑対策や新アルゴリズムを活用した「利益基準での品揃え最適化」により、1台あたりの収益性が向上しています。また、「いつもより2℃冷たい自動販売機」の導入など、体験型マーケティングによるブランド価値向上も推進。不採算資産の整理を進める一方で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した効率的な次世代オペレーションの構築を急いでおり、データサイエンティストや業務変革リーダーが活躍できる領域です。
OTC事業
事業内容:スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、オンラインショップ等の手売りチャネルを通じた飲料販売事業。
業績推移:売上収益3,213億円(前年比2.5%増)、セグメント利益405億円(前年比6.4%増)と増収増益を継続。
注目ポイント:価格改定後の出荷価格維持に注力しつつ、コアカテゴリー(炭酸・茶系)のシェアを拡大しています。特にオンラインチャネルは前年比17%増の高い成長率を維持しており、専用商材の導入やデジタル販促が奏功。また、小型PET製品での価格プレミアム維持と大型PETの採算改善を両立させるなど、緻密なプライシング戦略が成果を上げています。キーカスタマーとの戦略的パートナーシップを深める法人営業や、デジタルマーケティングの知見を持つ人材への期待が高い領域です。
フードサービス事業
事業内容:レストラン、ファーストフード店、レジャー施設等の飲食店・業務用ルートへの飲料供給および機器メンテナンスサービス。
業績推移:売上収益333億円(前年比8.3%増)、セグメント利益63億円(前年比27.8%増)と、全部門で最も高い利益成長率を記録。
注目ポイント:新規取引の獲得活動が順調に進み、販売数量・売上収益ともに力強く成長しています。外出機会の増加に伴うレジャー需要の回復を確実に捉えており、飲食業界の多様なニーズに応えるソリューション提供が競争力の源泉となっています。シロップ製品からサーバー機器のメンテナンスまで包括的な提案を行う、コンサルティング要素の強い営業スタイルが求められています。
その他
事業内容:他のボトラー社への販売取引や、各セグメントに帰属しない共通費用等。国内のボトリングネットワーク全体を支える機能を含みます。
業績推移:売上収益233億円(前年比7.6%増)、利益307億円。前年比での利益貢献は、全社共通費の効率化やバックオフィスの変革効果が反映されています。
注目ポイント:サプライチェーン改革やITインフラの刷新を通じ、グループ全体のコスト構造を抜本的に改善しています。機能統合型物流センター(IDC)の稼働や、IT・バックオフィス業務の最適化など、全社基盤の強化を加速させており、大規模なトランスフォーメーションを推進するプロジェクトマネジメント人材が必要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年 第3四半期 決算説明会 P.4
経営陣は2026年第1四半期までに「緑茶製品の追加価格改定」を実施する方針を明言しており、原材料価格の高騰を上回る収益性の向上を徹底する構えです。また、中長期成長戦略「Vision 2030」では、ROIC(投下資本利益率)10%以上、1株当たり配当金140〜150円という極めて高い目標を掲げています。
この目標達成には、従来の飲料メーカーの枠を超えた「テック企業的なアプローチ」が不可欠です。IDC(機能統合型物流センター)の新設や、自動販売機への新アルゴリズム実装など、実務レベルでの変革が進んでおり、現場のオペレーションと最新技術を繋ぎ、「収益モデルを再設計できる人材」への門戸が広く開かれています。
4 求職者へのアドバイス
「Vision 2030」という明確な成長ロードマップに共感し、その一翼を担いたいという姿勢が重要です。特に、「3つのビジネスユニット制への移行」による組織の進化に対し、自身の専門性(営業、デジタル、SCM等)がどのように貢献できるかを具体的に伝えましょう。また、価格改定を通じた「価値に見合った価格戦略」やDXによるオペレーション刷新など、同社が推進する「変革」のキーワードに自身の経験を紐付けることが高い評価に繋がります。
- 「Vision 2030において、私の配属予定のビジネスユニットにはどのような『独自の変革マイルストーン』が設定されていますか?」
- 「ベンディング事業における新アルゴリズムの活用は、現場の意思決定やマネジメント業務をどのように具体的に変えていますか?」
- 「2026年の利益成長に向けた基盤強化において、中途採用人材に最も期待する『外部の知見』は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
福利厚生は充実しています
福利厚生は充実しています。全国に保養所があり、人気の施設に格安で宿泊することができます。また、レクリエーション費用も支給され、部署ごとにイベントや社員旅行に活用しています。
(20代前半・総務・女性) [キャリコネの口コミを読む]定時で帰ることはほとんどありません
勤務時間は長いです。社内向けの資料作成が多く定時で帰ることはほとんどありません。タフな人が多いせいか、夜遅くに仕事が終わってからでも飲みに行きます。フレックスはありません。有休はあまり取得できません。
(40代前半・企画営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- コカ・コーラボトラーズジャパンHD 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕
- コカ・コーラボトラーズジャパンHD 2025年 第3四半期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。