東京エレクトロンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

東京エレクトロンの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

東京エレクトロンの2026年3月期2Q決算は、売上高1.17兆円で前年比5.2%増と堅調。AI需要の急拡大を受け通期純利益を上方修正しました。研究開発費も過去最高の2,900億円を計画。「なぜ今東京エレクトロンなのか?」、先端半導体領域で転職希望者が担える戦略的役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

AI需要を追い風に通期の純利益予想を上方修正する

生成AI用途のメモリや先端パッケージ向け投資が顕著に伸長し、通期の親会社株主に帰属する当期純利益を前回予想から440億円引き上げました。データセンター向けAIサーバーの需要拡大が成長を牽引しており、先端デバイス領域での高いシェアを持つ同社にとって大きなキャリア機会となっています。

政策保有株式の売却により資本効率の向上を推進する

2025年10月に投資有価証券の一部を売却し、下半期に特別利益372億円を計上する計画です。これは資本効率の向上を図る経営体制の刷新の一環であり、財務基盤の強化とともに、機動的な事業投資や株主還元を可能にする構造的変化として注目されます。

次世代の成長を支える大規模な設備投資を継続する

2025年4月の宮城、10月の熊本での新棟竣工に加え、岩手や宮城で新たな生産・物流拠点の建設を予定しています。過去最大級の研究開発・設備投資を計画通りに実施しており、技術革新を支えるエンジニアや製造現場での専門人材の必要性が一層高まっています。

1 連結業績ハイライト

売上高は前年同期比5.2%増と拡大。AI向け投資が牽引し、通期予想も上方修正。
FY2026 H1 連結決算概要

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料 P.6

売上高

1兆1,796億円

+5.2%

営業利益

3,031億円

-3.4%

中間純利益

2,416億円

-0.9%

中間期の売上高は、生成AIに関連する最先端のロジック半導体やDRAM(記憶用半導体)向けの設備投資が活発だったことにより、前年同期を上回る増収を達成しました。利益面では、研究開発費や設備投資などの先行投資を積極的に実施した影響で微減となりましたが、前回発表予想に対しては売上・各利益ともに上振れて着地しています。

通期予想に対する中間期までの進捗率は、売上高で49.6%、営業利益で51.7%となっており、業績は順調に推移しています。下半期には保有株式の売却による利益も加わるため、純利益ベースではさらに上積みが期待される状況です。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

地域別では中国・韓国・台湾が大きなシェアを占め、最先端の技術革新が各地域で進展中。
地域別売上高構成

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料 P.7

中国地域

事業内容: 成熟世代向け半導体製造装置の販売・保守サービスを主軸に、広範な顧客基盤を持つ市場。

業績推移: 第2四半期売上高は2,541億円。構成比40.3%を占め、依然として最大規模の市場を維持。

注目ポイント: 成熟世代向けの設備投資に一服感がみられるものの、地場顧客の需要は根強く、安定したサービス需要が見込まれます。ローカルな顧客対応やサプライチェーン管理のスキルが、事業の安定運営に不可欠となっています。

注目職種: 海外営業、フィールドエンジニア、サプライチェーンマネジメント

韓国・台湾地域

事業内容: 世界最先端のファウンドリ(半導体受託製造)やメモリメーカーが集結する、最重要技術拠点。

業績推移: 韓国は1,325億円、台湾は1,197億円と、前四半期比で大幅な伸びを記録。

注目ポイント: HBM(広帯域メモリ)や先端ロジック向けの投資が加速しており、同社のBonder(接合装置)やEtch(エッチング装置)の需要が急増しています。最先端プロセス開発を顧客と共同で進めるための、高度なプロセス技術者が強く求められています。

注目職種: プロセス開発エンジニア、技術営業、共同開発プロジェクトマネージャー

日本・北米・欧州地域

事業内容: 次世代技術の研究開発拠点や、特定の車載・産業機器向け半導体生産を担うエリア。

業績推移: 日本は529億円、北米は384億円。最先端投資の端境期にあり、前回比ではやや軟調な推移。

注目ポイント: 各国政府の補助金等を背景とした新工場の建設が進んでおり、中長期的な設備導入が見込まれています。グローバルなプロジェクト展開に対応できるPM(プロジェクトマネージャー)や法務・財務の専門人材の活躍の場が広がっています。

注目職種: プロジェクトマネージャー、グローバル法務、知財戦略

3 今後の見通しと採用の注目点

WFE市場は2025年に1,150億ドル規模へ。AIサーバーと先端パッケージが成長を牽引。
研究開発費・設備投資計画

出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料 P.17

半導体製造装置市場(WFE:Wafer Fab Equipment)は、旺盛なAIサーバー需要に牽引され、2025年も引き続き拡大傾向が続くと見込まれています。特にHBM(広帯域メモリ)向けの投資は来年以降も二桁成長が期待されており、同社が強みを持つボンディング技術やエッチング技術の事業機会が飛躍的に拡大する見通しです。

この成長を確実に取り込むため、研究開発費は2,900億円と過去最高水準を計画しており、国内各拠点での新棟建設も予定通り進められています。最先端デバイスの微細化と3次元実装(異種デバイスの集積)という二つの技術革新を同時に支えるため、物理、化学、機械、電気など、広範なエンジニアリング領域での人材採用が今後も継続されるでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は「AIによるデータ社会への移行」というメガトレンドの根幹を支える装置メーカーです。「世界シェアトップクラスの製品群」「過去最大の研究開発投資」といった事実を基に、自身の技術力や経験がどのように次世代の半導体革新に寄与できるかを語ることが有効です。特にHBMや先端ロジック等の成長領域への貢献意欲は高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

「AIサーバー向けの需要拡大に伴い、3次元実装技術への注目が高まっていますが、当該領域でのエンジニアに求められるスキルの変化について教えてください」や、「国内各地での新拠点竣工に伴い、製造・物流のデジタル化(DX)において中途採用者が期待されている役割は何ですか」など、具体的事実に基づいた質問が効果的です。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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努力次第で評価され出世のチャンスも広がる

学歴や年齢に関係なく、努力次第で評価される環境が整っており、成果を出せば出世のチャンスも広がります。

(40代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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競合他社と比較するとまだ改善の余地がある

金銭的な報酬が主なモチベーションとなる方には魅力的かもしれませんが、競合他社と比較すると、まだ改善の余地があると感じます。

(20代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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