0 編集部が注目した重点ポイント
① AI需要の急拡大で通期業績予想を上方修正
2025年度第2四半期の売上高が四半期最高業績に匹敵する水準となったことを受け、通期業績予想を売上高9,500億円(前回比1,150億円増)へ上方修正しました。AIデータセンタ向けの高性能半導体テスト需要が当初の想定を超えて推移しており、先端技術領域での採用ニーズが極めて強まっています。
② 中期経営計画の目標値を大幅に引き上げる
AI関連需要の堅調な推移と市場シェアの拡大を反映し、第3期中期経営計画(MTP3)の財務目標を改定しました。売上高目標を従来の7,000億円から最大9,300億円(3ヵ年平均)へ引き上げ、HPC(高性能計算)デバイスやHBM(高帯域幅メモリ)向けテスタの供給能力強化を通じて、圧倒的な市場リーダーシップを堅持する構えです。
③ 2セグメント体制への再編でソリューションを統合
2025年度第1四半期より、報告セグメントを「テストシステム事業」と「サービス他」の2つに集約しました。包括的なテストソリューションの提供を目指すマネジメント体制への刷新により、デバイスインタフェース等の周辺機器まで含めた一気通貫の提案を加速。転職者にとっては、より広い技術領域をカバーするキャリア機会が拡大しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度(2026年3月期) 第2四半期決算説明会 P.6
売上高(中間期)
5,267億円
+60.0%
営業利益(中間期)
2,324億円
+145.0%
営業利益率
44.1%
+15.3pts
2026年3月期第2四半期累計期間は、データセンタ向けのHPCデバイスや高性能DRAMなど、AI市場の成長に伴う半導体需要が牽引。増収に加え、高収益製品の販売比率が上昇したことで、営業利益は前年同期の2.4倍以上となる2,324億円に達しました。部材調達および製品供給能力の拡大をタイムリーに実施したことが、顧客の強い製品納入要請に応える鍵となりました。
通期予想に対する中間期末時点の進捗率は、売上高で55.4%、営業利益で62.1%となっており、業績は順調に推移しています。下期に想定していた調整が当初予想より緩やかになる見通しから、さらなる上振れも期待できる状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度(2026年3月期) 第2四半期決算説明会 P.7
テストシステム事業部門
事業内容: SoCテストシステム、メモリテストシステム、テストハンドラ、デバイスインタフェース等の開発・製造。
業績推移: 売上高 4,780億円(前年同期比+68.0%)、セグメント利益 2,406億円(同+135.1%)。
注目ポイント: HPC(高性能計算)やAI関連半導体の複雑化に伴い、テスト需要が爆発的に増加。特にHBM(高帯域幅メモリ)向けが好調です。先端デバイスに対応する設計・開発エンジニアの重要性がかつてないほど高まっており、市場シェア拡大を支える供給体制の強化が急務となっています。
サービス他部門
事業内容: 保守サポート、ナノテクノロジー製品群、テスト用インタフェースボード等の消耗品販売。
業績推移: 売上高 488億円(前年同期比+9.3%)、セグメント利益 30億円(同+404.6%)。
注目ポイント: 設置台数の着実な増加により、サポート・サービスの需要が堅調。また、事業の一部譲渡による譲渡益(約25億円)も利益を押し上げました。テスト用インタフェースボードなどの消耗品販売は、顧客の稼働率上昇に直結するため、顧客の課題解決に貢献するフィールドエンジニアや技術営業の活躍の場が広がっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度(2026年3月期) 第2四半期決算説明会 P.18
今後の事業環境は、グローバルなAIデータセンタ能力の増強が継続し、好環境が続く公算が高いと見ています。2025年10月には、中計の財務指標を大幅に上方修正しており、利益率30%超を安定的に創出する高収益体質を目指しています。戦略的に成長投資を推進する方針を打ち出しており、技術開発やテスト自動化、サプライチェーン強化への投資を強化する計画です。
特に、今後売上高1兆円を目指す「1兆円収益モデル」では、研究開発費比率を10%程度(1,000億円規模)に維持し、R&D主導の成長を確固たるものにしようとしています。これは、エンジニアにとって最先端の技術開発に潤沢なリソースで挑戦できる環境が整いつつあることを示唆しています。また、1,500億円を上限とする自己株式取得の決定など、株主還元と成長投資のバランスを重視した経営姿勢も転職者にとって安心材料となるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
AI革命の黒子として、半導体の信頼性を支える同社の役割は社会的にも極めて重要です。「世界シェアNo.1を目指す先端技術への貢献」や、「HPC/AI領域での供給能力強化を通じたグローバルインフラへの寄与」といった視点は、同社の成長戦略と強く合致し、説得力のある志望動機になります。
「中計で掲げられている供給能力の強化において、具体的にオペレーション効率をどう改善しようとしていますか?」や、「1兆円モデルの実現に向け、テスト自動化などの隣接市場への展開が現場のエンジニアにどのような新しい役割を求めていますか?」といった質問は、事業を深く理解している姿勢をアピールできます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
部署によってやりがいに差がある
部署によってやりがいに差がある。
上司が会社の利益を考えている部署では、無理なユーザー要求を短納期でこなさなければならないため、仕事は残業も多くとても大変。
(30代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年度(2026年3月期) 第2四半期決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。