0 編集部が注目した重点ポイント
① 年功要素を完全撤廃し若手の抜擢を促進する
2025年7月に人事諸制度を大幅改定し、昇格要件から年齢や滞留年数などの年功的要素をすべて撤廃しました。若手層の早期活躍を促すとともに、地域限定型総合職への転換制度導入など、多様な働き方を支援する体制を整えています。中途採用者にとっても実力次第で早期にキャリアアップを狙える環境へと進化しています。
② 2025年4月にエネルギー事業本部を新設する
建設事業に次ぐ収益の柱として、「エネルギー事業本部」を2025年4月に新設します。2025年6月には国内最大級の坂出バイオマス発電所が営業運転を開始し、2028年には系統用蓄電池事業の開始も目指しています。脱炭素社会の実現に向けた非建設分野でのキャリア機会が飛躍的に拡大する構造的変化といえます。
③ 政策保有株式の縮減を加速し企業価値を高める
資本効率の向上を目指し、政策保有株式を連結純資産の10%未満まで縮減する方針を推進しています。直近では株価上昇により比率が24.3%まで上昇していますが、売却益は成長投資や株主還元へ充当されます。財務体質の強化により、攻めの投資判断ができる経営基盤の構築が着実に進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会 P.4
売上高
2,010億円
+7.6%
営業利益
120億円
+24.2%
中間純利益
77億円
+18.3%
2026年3月期第2四半期は、国内の民間建設投資や政府投資が堅調に推移する中、大型工事の順調な進捗により増収となりました。営業利益についても売上総利益の増加により前年同期比で大幅増益を達成しており、政策保有株式の縮減に伴う特別利益の計上も純利益を押し上げています。自己資本比率も51.8%と前期末比で+5.8ポイント改善し、財務の健全性がさらに高まっています。
通期の営業利益予想271億円に対し、中間期実績は120億円で進捗率は44.6%となっています。例年、建設業界は下半期に完成工事が集中する傾向にあるため、計画比で概ね順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会 P.11
土木事業
事業内容:道路、トンネル、ダム、発電施設などのインフラ建設。山岳トンネル等の高難度案件に強みを持つ。
業績推移:完成工事高は673億円(前年同期比+10.7%)。総利益率は15.6%と非常に高い水準を確保。
注目ポイント:「i-NATM」等の自動化・遠隔化技術の導入により現場の生産性を劇的に改善しています。国土強靭化に伴う維持更新案件もターゲットとしており、技術力を武器にしたインフラ維持・更新の専門家としての活躍が期待されます。
建築事業
事業内容:物流倉庫、生産施設、官庁建築。特に民間企業の工場や倉庫建設における環境負荷低減技術に注力。
業績推移:完成工事高は1,184億円(前年同期比+4.7%)。総利益額は前年比+26.4%と大きく成長。
注目ポイント:国内初となるISO準拠のLCA(ライフサイクルアセスメント)に基づくEPDを取得するなど、「環境建築」のフロントランナーとしての地位を確立しています。脱炭素投資を行う民間企業からの引き合いが強く、付加価値の高い設計・提案スキルが求められています。
グループ事業・その他
事業内容:不動産開発、ビルサービス、PCa(プレキャスト)コンクリート製品の製造販売など。
業績推移:売上高は前年同期比で14.1%〜75.2%増と、グループ全体で成長を加速させている。
注目ポイント:PCa工場の強みを生かした「低炭素型セグメント」の製造や、コンクリート製品の事業化を推進しています。建設外事業の多角化が進んでおり、メーカー的機能や不動産開発における新たなビジネスモデルの構築に関わるチャンスがあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会 P.26
今後、同社は「建設業界で社員を一番大切にする会社」を掲げ、人的資本への投資を強化します。シニア層が役職定年なしで活躍できる制度や、若手向けの完全実力主義への移行は、全世代においてキャリアの自律性を高める狙いがあります。
ビジネス面では、新たに参入した系統用蓄電池事業(2028年度運転開始予定)や、PPA(電力販売契約)事業など、エネルギー分野への成長投資が本格化します。既存の建設事業においても、資材価格・労務費の高騰という課題に対し、DXによる効率化と適正価格での受注維持で利益率を守る戦略です。不確実な市場環境下でも、安定した財務基盤と大胆な組織変革を併せ持つ同社は、長期的なキャリア形成を目指す求職者にとって極めて魅力的なフェーズにあります。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
「建設業界の変革(ChangeBuilder)」というビジョンに対し、自らの専門性をどう活かせるかが鍵です。特に、新設されるエネルギー事業本部への関心や、年功序列を廃した新制度のもとで早期に責任ある立場を目指したいという意欲は、現在の経営方針と強く合致するため、説得力のある志望動機になります。
Q&A 面接での逆質問例
- 「2025年4月新設のエネルギー事業本部において、中途採用者に期待される具体的なミッションや役割は何でしょうか?」
- 「新人事制度への改定後、実際に若手社員の抜擢や評価にどのような具体的な変化が現れていますか?」
- 「環境LCA評価などの先進的な取り組みを推進する上で、現場のエンジニアにはどのようなスキルのアップデートが求められますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
有名な建造物が多くやりがいを感じる
中堅ゼネコンの中では、比較的大きな案件に携われることが多いと思います。実績としても、黒部ダムや東京ビックサイト等、有名な建造物が多く、やりがいを感じて仕事をすることができると思います。
(30代前半・構造解析・男性) [キャリコネの口コミを読む]まだまだ残業休日出勤が多い
ワークライフバランスは以前に比べると社内環境が整ってきたが、まだまだ残業、休日出勤が多い状態が続いています。どうしても現場や得意先の関係で土日出勤が多くなってしまいます。これは業界的にしかたないことだと思いますが、会社として制度化をすることで改善の余地はもっとあると思います。
(30代前半・構造解析・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会(2025年11月17日発表)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月7日発表)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。