五洋建設の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

五洋建設の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

五洋建設の2026年3月期2Q決算は、過去最高の売上高を更新。特に海外受注が前年比約10倍と急増しており、グローバルな活躍の場が広がっています。「なぜ今、五洋建設なのか?」を洋上風力発電やDX施工の進捗から整理。転職希望者が海洋土木のトップランナーで担える役割を分析します。


0 編集部が注目した重点ポイント

売上高・各利益ともに第2四半期として過去最高を更新

2026年3月期第2四半期において、売上高が前年同期比15.5%増の3,790億円に到達し、営業利益も71.1%増の258億円と大幅な増収増益を達成しました。豊富な手持工事の順調な進捗に加え、設計変更等による採算改善が利益を大きく押し上げており、経営基盤の強固さが示されています。

海外受注高が約10倍へ急増しグローバル展開が加速

シンガポールのチャンギ空港トンネル工事や香港の無人交通車両システム関連など、大型プロジェクトの相次ぐ受注により、海外建設事業の受注高が前年同期比957.4%増の1,767億円を記録しました。真のグローバル・ゼネラルコントラクターを目指す同社にとって、海外市場でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。

洋上風力発電とDX投資で建設業界の構造変革をリード

北九州響灘での国内最大規模の洋上風力建設が順調に進むほか、3隻目のSEP船「Sea Challenger」が2025年度に稼働予定です。また、AIによるコンクリート締固め管理や高層ビル内での位置情報システム「IMADOCO」の導入など、先端技術を用いた生産性向上に注力しており、技術者にとって魅力的な環境が整っています。

1 連結業績ハイライト

豊富な手持工事の消化と採算改善により、中間期として過去最高の売上高および各段階利益を達成。通期計画に対しても極めて順調な推移を見せています。
第2四半期決算実績(連結)

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明資料 P.3

売上高 3,790億円 +15.5%
営業利益 258億円 +71.1%
中間純利益 171億円 +73.3%

当中間期の業績は、売上高が前期比509億円増の3,790億円となり、通期予想7,270億円に対し進捗率は52.1%となりました。特筆すべきは営業利益で、前年同期の151億円から大幅に増加し258億円に達しています。国内における大型工事の進捗や設計変更による利益の上積みが寄与しており、売上総利益率は10.3%(前期比1.8ポイント改善)と高い水準を確保しています。

通期予想に対する営業利益の進捗率は65.4%に達しており、中間期時点での状況は極めて順調であると評価できます。国内工事の採算改善が想定以上に進んでいることから、今後の成長にも強い期待が持てます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

国内では港湾・建築ともに大型プロジェクトが目白押しであり、海外ではシンガポールと香港を中心に歴史的な受注ラッシュが続いています。
受注高の状況(個別)

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明資料 P.1

国内土木事業

事業内容:港湾、道路、空港等の社会インフラ建設を主導。特に海洋土木(マリコン)としての強みを発揮。

業績推移:売上高は前年同期比7.2%増の1,525億円。セグメント利益は35.9%増の186億円と大幅増益。

注目ポイント:防衛関連の施設整備や、カーボンニュートラル(CN)関連の民間大型工事が受注を牽引しています。北九州での洋上風力発電プロジェクトなど、難易度の高い海洋施工技術を必要とする現場が増えており、専門性を磨きたい技術者にとって最前線のフィールドです。

注目職種:土木施工管理、海洋土木エンジニア、設計変更交渉担当

国内建築事業

事業内容:物流倉庫、データセンター、再開発事業など、大規模な民間施設建設を中心に展開。

業績推移:売上高は前年同期比35.7%増の1,402億円。セグメント利益は93.3%増の72億円と驚異的な伸び。

注目ポイント:ESR川西ディストリビューションセンターなどの大型物流施設が順調に進捗。BIM(3次元モデル)を活用した省力化工法や、超高層ビルでの生産性向上システム(POEM/IMADOCO)の実装が進んでおり、最先端のDX施工を経験できる機会が豊富です。

注目職種:建築施工管理、BIMマネージャー、生産技術開発

海外建設事業

事業内容:シンガポール、香港を拠点に、地下鉄、空港、埋立等の大規模土木・建築プロジェクトを施工。

業績推移:売上高は802億円。利益面は4億円の損失(前年は23億円の損失)となり、収支が大幅に改善

注目ポイント:シンガポールでの受注高が1,400億円超と突出。チャンギ空港第5ターミナルのトンネル工事(約761億円)など、数年間にわたる長期プロジェクトが始動しています。多国籍なチームを束ねるマネジメント力が求められており、グローバルキャリアを志向する方には最適なタイミングです。

注目職種:海外施工管理(シンガポール・香港)、海外営業・契約管理、プロジェクトマネージャー

3 今後の見通しと採用の注目点

洋上風力発電とグリーン・デジタル(GX・DX)への戦略投資が、次なる成長の柱として確固たる地位を築きつつあります。
GXの推進・洋上風力建設への挑戦

出典:2026年3月期 第2四半期決算説明資料 P.12

今後の成長を牽引するのは「洋上風力発電」の本格化です。北九州での実績を基盤に、秋田や西海といった一般海域の次なるラウンドに向け、自社船団(SEP船、HLV、CLV等)を活かした営業展開を強化しています。2028年には大型基礎施工船(HLV)やケーブル敷設船(CLV)の完成も見込まれており、エネルギーインフラ建設のスペシャリストとしての採用ニーズが高まっています。

また、人財戦略においても「人財価値の最大化」を掲げ、インターンシップ受け入れ人数を昨年度の243名から400名へと大幅拡大。キャリア採用も積極的に行っており、ジョブリターン制度の改定や不妊治療休暇の導入など、ウェルビーイング向上による離職防止と多様な人材の確保に本腰を入れています。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

五洋建設は「海洋土木のパイオニア」から「真のグローバル・ゼネコン」へと進化の過程にあります。シンガポールや香港での圧倒的な海外実績や、国内をリードする洋上風力発電事業は、他社にはない独自性です。これらの成長領域において「技術をもって社会に貢献したい」という軸を、最新のプロジェクト(チャンギ空港、北九州洋上風力等)と絡めて語ることで、強い意欲が伝わります。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「シンガポール等での大型プロジェクトにおいて、キャリア採用者が多国籍チームのマネジメントを任されるまでの期待値やスピード感について教えてください。」
  • 「洋上風力関連の特殊船舶(SEP船等)の建造が進んでいますが、現場でこれら自社船団を活用した施工革新に携わる機会はどの程度ありますか?」
  • 「サステナビリティ経営を現場レベルで浸透させる『サステナビリティ朝礼』など、現場の意識改革においてどのような手応えを感じられていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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住宅手当をはじめ福利厚生は手厚い

住宅手当をはじめ、福利厚生は手厚い。また、互助会制度もあり、子どもの小学校入学のタイミングなどでお祝い金ももらえる。

(30代後半・セールスエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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残業は非常に多い

残業は非常に多い。構造的に問題があり、変えていくには抜本的な改革が必要となる。しかし解決策は見つかっておらず、採用人数を増やす事で対応している。これから先、労働時間をいかに減らしていくかが会社がか変えている1番の課題である。

(20代前半・経理・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期決算説明資料(2025年11月)
  • 2026年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。

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