0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期営業利益を上方修正し過去最高の売上高を更新する
2026年3月期中間期の売上高は2,560億円を突破し過去最高を記録しました。海外即席麺事業の好調な販売状況を反映し、通期の営業利益予想を期初計画の760億円から800億円へ上方修正しています。原材料費や物流費の高騰を価格改定や効率化で吸収する収益力の強さが鮮明となっています。
② つくばフーズを完全子会社化し製造体制を強化する
当第2四半期より、つくばフーズ株式会社の全株式を取得し新規連結を開始しました。国内即席麺事業における具材設備の整備や生産の最適化を目的とした構造的変化であり、転職者にとってはサプライチェーンの再編や製造マネジメントの領域で新たなキャリア機会が拡大する可能性があります。
③ 米国新工場の稼働に向けた大規模投資を継続する
成長の柱である海外事業において、カリフォルニア工場の拡張工事を推進しています。2026年3月期第4四半期の稼働開始を予定しており、その後も第2期・第3期の増設を計画中です。中南米市場の体制強化を含め、グローバルな生産・物流拠点の構築に携わる専門人材の需要が非常に高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料 P.4
中間連結会計期間の業績は、売上高が過去最高の2,561億円を達成しました。営業利益については、原材料費や人件費の増加といったコストアップ要因を、主力製品の販売拡大と価格改定の効果で着実に吸収しています。為替の円高によるマイナス影響(13億円)もありましたが、実質的には前年並みの高い利益水準を維持しています。
修正後の通期営業利益予想(800億円)に対する第2四半期末時点の進捗率は49.7%となりました。下期に需要期を迎える即席麺カテゴリーの特性や、米国での新工場稼働による供給能力向上を考慮すると、業績進捗は極めて順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料 P.6
海外即席麺事業
事業内容:米国・メキシコを中心とした即席麺の製造・販売。北米市場で圧倒的なシェアを誇ります。
業績推移:売上高 1,158億円(△1.9%)、営業利益 289億円(△1.3%)。※ドルベースでは増収増益。
注目ポイント:メキシコでの袋麺強化(構成比20%目標)や米国での新商品「Saucy Noods」投入など、現地需要の深掘りを加速させています。大規模な工場拡張に伴い、生産技術や海外営業、物流管理のスペシャリストの活躍の場が急速に広がっています。
国内即席麺事業
事業内容:「赤いきつね」「緑のたぬき」「マルちゃん正麺」等の製造・販売。国内市場の基盤事業です。
業績推移:売上高 463億円(+1.5%)、営業利益 37億円(△7.8%)。
注目ポイント:「緑のたぬき」45周年や「マルちゃん正麺カップ」10周年などの周年企画による活性化を図っています。つくばフーズの子会社化により具材内製化を推進しており、サプライチェーンの効率化や商品開発のスピード向上を牽引する人材が求められています。
低温食品事業
事業内容:「マルちゃん焼そば 3人前」を中心としたチルド麺・冷凍食品の製造・販売。
業績推移:売上高 325億円(+4.1%)、営業利益 48億円(+10.8%)。
注目ポイント:「マルちゃん焼そば」50周年に向けた販促活動や、冷凍麺の需要拡大により大幅な増益を達成しました。時短・簡便ニーズに応える新商品展開を強化しており、国内の食卓を支える製品戦略の立案に携わるチャンスがあります。
加工食品事業
事業内容:無菌米飯・レトルト米飯、フリーズドライ(FD)スープ、魚肉練り製品等の展開。
業績推移:売上高 108億円(+0.8%)、営業損失 5.6億円(前年同期は利益3.2億円)。
注目ポイント:米価高騰や新工場稼働に伴う償却費増により利益面は苦戦していますが、青森FD新工場の本格稼働により供給体制は大幅に強化されました。健康意識の高まりを背景とした玄米・麦ごはん等の高付加価値化戦略において、マーケティング人材の重要性が増しています。
水産食品事業・冷蔵事業
事業内容:国内外の原料調達から、全国22事業所の拠点を活用した冷蔵保管サービスまでを展開。
業績推移:水産営業利益 9億円(+65.4%)、冷蔵営業利益 16億円(+35.2%)。
注目ポイント:価格改定の浸透と気温高に伴うアイスクリーム等の取扱い増加により、収益性が飛躍的に向上しました。自然冷媒への切り替えや物流の3温度帯シナジー創出など、サステナブルな物流基盤の構築に向けた投資を加速させています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料 P.30
同社は2028年3月期を最終年度とする中期経営計画において、売上高6,000億円、営業利益820億円という野心的な目標を掲げています。質疑応答では、米国新工場の稼働による来期の減価償却費負担増についても言及されていますが、マーケティング費用の調整やメキシコでの価格改定タイミングの最適化により、海外事業トータルでの利益バランスを堅持する方針です。
特に注目すべきは、3年間で2,500億円規模を見込む大規模なキャピタルアロケーション(資金配分)です。海外工場の新設・拡張のみならず、国内即席麺・生麺工場の再編や、全社的な基幹システムの刷新など、ハード・ソフト両面でのインフラ整備を推進しています。これら一連の変革をリードできる、IT、生産、財務等の高度専門人材にとって、活躍のフィールドはかつてないほど広がっています。
4 求職者へのアドバイス
「Smiles for All.」というスローガンのもと、世界中の食を支える社会的責任感に共感することが重要です。特に北米市場での圧倒的なブランド力を背景に、さらなるグローバル展開を加速させるフェーズにあります。自身の専門性を活かし、伝統あるブランドの構造改革や海外生産拠点の高度化にどう貢献できるかを語るのが効果的です。
- 「米国カリフォルニア工場の拡張により供給体制が強化されますが、中南米市場の深掘りにおいて中長期的にどのような組織体制を構想されていますか?」
- 「つくばフーズの連結化による具材内製化の推進は、今後の新商品開発のプロセスにどのような影響を与えるとお考えでしょうか?」
- 「中期計画にある全社基幹システムの更新において、DX推進による業務効率化はどの程度まで現場レベルでの浸透を期待されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会における質疑応答



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。