日本化薬の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

日本化薬の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

日本化薬の2026年3月期2Q決算は、全事業で増収し純利益が95.7%増と躍進。バイオシミラーのシェア拡大や半導体材料の回復が寄与しています。新設工場や新薬の立ち上げを控え、品質保証やエンジニアの採用が活発化。「なぜ今日本化薬なのか?」、転職希望者が狙うべき領域を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

中間純利益が前年比95.7%増と大幅に伸長する

2026年3月期第2四半期の親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期の約2倍となる116億89百万円に達しました。これは事業の伸長に加え、投資有価証券売却益として62億円を計上したことが大きく寄与しています。資産効率の向上と財務基盤の強化を同時に進めており、攻めの投資に向けた余力が拡大している点は、転職者にとってもポジティブな材料です。

ライフサイエンス部門が利益成長を強力にけん引する

ライフサイエンス事業領域のセグメント利益が前年同期比48.1%増と飛躍的な成長を遂げています。特にバイオシミラー(バイオ後続品)の市場浸透が加速しており、主力製品の「ベバシズマブBS」は市場シェアを約30%から約50%へ拡大させました。高品質な医薬品を安定供給する体制が整っており、製薬・バイオ領域の専門人材にとって活躍の場が広がっています。

170億円規模の自己株式取得で株主還元を強化する

2025年度において、上限170億円の自己株式取得と取得した全株式の消却を決定しました。ROE(自己資本当期純利益率)8%達成を目指し、株主価値の向上にコミットする姿勢を鮮明にしています。2025年4月から2年間で約320億円の取得を目指すなど、経営の規律と成長を両立させる方針を打ち出しており、安定した経営基盤と変革への意欲を感じさせる内容です。

1 連結業績ハイライト

全ての事業領域で増収を達成し、通期業績予想を上方修正へ。
2025年度第2四半期業績サマリー

出典:2025年度(2026年3月期) 第2四半期業績説明 P.3

売上高 1,135億75百万円 (前年同期比 +4.1%)
営業利益 106億18百万円 (前年同期比 -4.9%)
中間純利益 116億89百万円 (前年同期比 +95.7%)

2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が1,135億75百万円となり、全ての事業領域で前年を上回る増収を記録しました。営業利益については、原材料高や為替の影響を受けたモビリティ&イメージング領域での減益により微減となりましたが、特別利益として計上した投資有価証券売却益62億円等が寄与し、中間純利益は過去最高水準の伸びを見せています。

通期業績予想についても、期初公表値から上方修正を行い、売上高2,398億円、親会社株主に帰属する当期純利益204億円を見込んでいます。中間期末時点での進捗率は、売上高で47.4%、営業利益で49.8%となっており、期末に向けた業績の達成見込みは概ね順調と言える状況です。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

半導体市況の回復やバイオ医薬品の躍進が成長をドライブ。
セグメント別業績見通し

出典:2025年度(2026年3月期) 第2四半期業績説明 P.13

モビリティ&イメージング事業領域

事業内容:エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)等の安全部品や、車載用偏光板を展開しています。

業績推移:売上高は462億69百万円(+0.6%)と微増でしたが、原材料高の影響等でセグメント利益は52億8百万円(-25.9%)となりました。

注目ポイント:中国市場での事業拡大が顕著で、現地資本メーカーへの新型インフレータの拡販が進んでいます。マレーシアの新工場も2025年春に稼働を開始しており、グローバルな生産管理や品質保証の経験を持つ人材が、拠点の立ち上げや拡大フェーズで強く求められています。

注目職種:海外工場運営、生産技術、品質保証、グローバル法人営業

ファインケミカルズ事業領域

事業内容:半導体用エポキシ樹脂や産業用インクジェットインク等の機能性材料を提供しています。

業績推移:売上高は342億45百万円(+5.0%)、セグメント利益は49億65百万円(+1.2%)と堅調に推移しました。

注目ポイント:AIやハイエンドサーバー向けの半導体市況が回復しており、厚狭工場でのエポキシ樹脂新工場が2026年稼働に向けて準備中です。DXや省人化を推進する最新鋭の工場において、プロセス設計やプラントエンジニアリングのスキルを活かす絶好の機会があります。

注目職種:プラント設計、研究開発(半導体材料)、製造プロセス開発

ライフサイエンス事業領域

事業内容:抗がん剤を中心とした医薬品やバイオシミラー、農薬事業を展開しています。

業績推移:売上高は330億60百万円(+8.4%)、セグメント利益は53億16百万円(+48.1%)と大幅増益を達成しました。

注目ポイント:バイオ後続品が市場シェアを急速に伸ばしており、収益の柱となっています。また、新規抗がん剤「イブトロジー」の承認・新発売(2025年11月)など、スペシャリティ領域での新薬開発と提供に注力しており、臨床開発や安全性情報の専門家にとって、社会的意義の高い挑戦が可能です。

注目職種:臨床開発、薬事、学術(MSL)、医薬品品質管理

3 今後の見通しと採用の注目点

中期事業計画の最終年度として、成長市場への投資と還元を加速。
今後の事業展望

出典:2025年度(2026年3月期) 第2四半期業績説明 P.23

日本化薬は中期事業計画「KAYAKU Vision 2025」の最終年度にあり、ありたい姿の実現に向けたロードマップを加速させています。下期以降も半導体市場の回復基調が維持される見込みであり、封止材向けエポキシ樹脂の需要増への対応が急務となっています。

また、医薬事業においては、新規のROS1阻害剤「イブトロジー」の立ち上げが重要なマイルストーンとなります。高崎工場での統合品質保証棟の新設(2026年7月完了予定)など、インフラ整備への投資も活発です。安定供給と品質保証体制の強化に向けたエンジニアやQA(品質保証)人材の採用意欲は高く、将来の成長を支える組織基盤の構築に携わることができる時期です。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社が掲げる「世界的すきま発想」に注目してください。大手企業が手がけにくいニッチ領域で世界トップシェアを狙う戦略は、高い技術力と独自の着眼点を裏付けています。特に「バイオシミラーの市場浸透」や「AI向け次世代樹脂の開発」など、現在進行形で市場を席巻している具体的事例を挙げ、「自身の専門性がそのニッチ領域でどう貢献できるか」を語ることで、強い説得力が生まれます。

Q&A

面接での逆質問例

「中国やASEANでのインフレータ増産体制が強化されていますが、現地の技術指導やマネジメントにおいて中途採用者に期待される役割は何ですか?」や、「統合品質保証棟の新設により、医薬事業の供給安定化と品質管理プロセスはどう進化する計画でしょうか?」といった、投資計画に基づいた具体的な質問を推奨します。経営計画を詳細に読み込んでいる姿勢が評価されるはずです。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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住宅補助が9割出る

住宅補助が9割出るため、可処分所得はかなり高く感謝している。

(20代前半・MR・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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統一性がないため非効率さを感じる

中途入社の人が多く、それぞれがそれぞれのやり方で仕事をしていて統一性がないため非効率さを感じる。

(20代後半・研究開発・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 日本化薬株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 日本化薬株式会社 2025年度(2026年3月期) 第2四半期業績説明資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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