ニチアスの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

ニチアスの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

ニチアスの2026年3月期2Q決算は、売上高1,227億円と堅調な進捗。新基幹システム構築への30億円投資や、研究所統合によるR&D強化など、DXと技術革新への攻めの姿勢が鮮明です。「働きやすさ」を独自指数で追う人的資本経営にも注目。「なぜ今ニチアスなのか?」を転職希望者の視点で整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

新基幹システム構築で経営を迅速化する

「NXプロジェクト」と称する新基幹システム(ERP)の構築を推進しており、2026年10月の運用開始を目指しています。意思決定のスピードアップと業務標準化を図るため、今期は約30億円の経費を投入。DXを通じた抜本的な業務改革に挑む、IT・企画系人材の活躍の場が広がっています。

研究所統合で技術開発スピードを高める

鶴見と浜松の両研究所の統合検討(中央研究所構想)が公表されました。研究開発(R&D)体制の質とスピードを向上させる狙いがあり、開発と開拓をテーマにした新たなステージへ移行します。技術者にとって、拠点の集約はより高度で専門的なコラボレーションを生むキャリアの転換点となります。

独自指数で社員の幸福度を可視化する

「働きやすい明るい会社」の実現に向け、独自の評価指標である「ニチアス幸せ価値指数(NGI)」を導入。2024年度の結果は75.9点となり、2026年度には80点以上を目指しています。社員の満足度や働きがいを経営の重要課題(KPI)として追いかけており、人的資本経営を重視する文化が根付いています。

1 連結業績ハイライト

半導体需要の軟調をプラント向け工事の堅調さでカバーし、上期予想を上回る着地。
2026年3月期 第2四半期 決算の要点

出典:2026年3月期第2四半期 決算説明会資料 P.3

売上高

1,227億円

▲3.1%

営業利益

178億円

▲10.5%

営業利益率

14.5%

予想比+1.0pt

2026年3月期中間期の業績は、売上高1,227億円(前年同期比3.1%減)、営業利益178億円(同10.5%減)となりました。高機能製品部門において半導体製造装置向けの需要が軟調に推移したことが響きましたが、主力のプラント向け工事や国内インフラ向け製品は堅調を維持しています。

通期予想に対する進捗状況は、売上高で48.3%、営業利益で48.7%となっており、進捗は概ね順調です。当初の社内計画を利益面で上回って推移しており、不透明な事業環境下でも高い収益性を確保しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

エネルギー、自動車、インフラと多角的な事業ポートフォリオが強固な基盤を形成。
セグメント別業績

出典:2026年3月期第2四半期 決算説明会資料 P.7

プラント向け工事・販売

事業内容:石油精製、石油化学、原子力プラント向け等の断熱・耐火工事および資材販売。

業績推移:売上高384億円(前年同期比+0.8%)。石油精製・化学向け需要が底堅く推移。

注目ポイント:メンテナンス需要に加え、脱炭素社会に向けた省エネ工事のニーズが増大しています。現場施工管理や技術営業など、インフラの長寿命化に貢献する専門人材の重要性が一段と高まっています。

注目職種:施工管理、技術営業、プラントエンジニア

工業製品

事業内容:ガスケット(パッキン等のシール材)や環境対策用製品の製造販売。

業績推移:売上高266億円(前年同期比+2.2%)。国内インフラ向けシール材が堅調。

注目ポイント:中国向けを中心とした環境製品の伸びが顕著です。グローバルな供給体制の最適化が進んでおり、サプライチェーン管理や海外拠点との連携を担うポジションでの期待が大きくなっています。

注目職種:海外営業、生産管理、製品開発

高機能製品

事業内容:半導体製造装置向けのふっ素樹脂製品等の高純度・高機能資材。

業績推移:売上高189億円(前年同期比18.1%減)。半導体需要の調整局面が継続。

注目ポイント:足元は厳しいものの、次世代半導体の微細化に伴い、同社の「断つ・保つ」技術への期待はむしろ高まっています。市場の回復期を見据えた先端技術開発への投資は継続されており、ハイテク分野の研究開発人材にチャンスがあります。

注目職種:化学開発、材料解析、品質保証

自動車部品

事業内容:エンジン周辺のシール材や、吸音・遮熱部品の製造販売。

業績推移:売上高253億円(前年同期比0.4%減)。海外需要がやや軟調。

注目ポイント:電動化へのシフトを見据え、熱管理(サーマルマネジメント)技術の応用が進んでいます。既存のエンジン向けから次世代モビリティ向けへの事業変革を推進できる、柔軟な発想を持ったエンジニアが求められています。

注目職種:車載製品設計、先行開発

建材

事業内容:不燃意匠内装材や耐火被覆材等の建築資材。

業績推移:売上高135億円(前年同期比3.4%減)。大型物件の工期遅延が影響。

注目ポイント:工期遅延の影響は一時的であり、利益率は営業利益ベースで前年の4.4%から7.5%へと大幅に改善しています。高付加価値製品へのシフトと施工効率化の成果が出ており、収益性の高い事業運営が可能です。

注目職種:営業、施工計画

3 今後の見通しと採用の注目点

過去最高水準の利益を維持しつつ、新基幹システム構築とR&D強化に大規模投資。
中期経営計画・全社課題

出典:2026年3月期第2四半期 決算説明会資料 P.23

通期予想は、売上高2,540億円(前期比1.0%増)、営業利益365億円(同8.1%減)を据え置いています。減益予想となっているのは、将来の成長基盤となる新基幹システム関連費用30億円を計上しているためであり、本業の稼ぐ力は依然として高い水準を維持しています。

特筆すべきは、2026年4月に本社内に次世代ショールームのオープンを予定していることです。自社の「魅せる」技術をアピールすることで、採用市場における認知度向上も図っています。また、総還元性向50%以上の株主還元方針に加え、自己株式取得(上限50億円)を決定するなど、攻めの財務戦略も鮮明に打ち出しています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「断つ・保つ」という唯一無二の技術で、石油精製から半導体、自動車まで幅広い産業の下支えができる点に触れるのが有効です。特に、現在進行中の「中央研究所構想」や「NXプロジェクト」などの変革期にある社内体制に、自身のスキルをどう融合させたいかを語ると高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「2026年運用の新基幹システム構築によって、現場の業務の進め方や働き方にどのような変化を期待されていますか?」
  • 「研究所統合による中央研究所構想において、異分野の技術者同士の交流を促すためにどのような工夫を計画されていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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若いうちから重役として経営を学べる

子会社がたくさんあり、若いうちから、そこの重役として、経営を学べる。

(50代前半・海外営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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全部丸投げにされてしまう

試作品を作る際に、納期が短い場合、時間がなさすぎるあまり、全部丸投げにされてしまうことがありました。

(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年3月期第2四半期 決算説明会資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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