0 編集部が注目した重点ポイント
① 米国SCC社の買収で商品群を大幅に拡充する
2025年7月に米国ミシガン州の食品ショーケース大手、SCC(Structural Concepts Corporation)社の買収を完了しました。これにより米国での商品ラインナップが劇的に広がり、スーパーやカフェなど幅広い顧客層へのアプローチが可能になります。生産部材の共同購入やサービス網の共有といったシナジーも期待されており、米州事業でのキャリア機会が飛躍的に拡大する局面です。
② 売上・営業利益ともに過去最高を更新する
2025年12月期第3四半期累計において、売上高は前年同期比10.3%増、営業利益は8.7%増となり、過去最高収益を達成しました。国内の設備投資需要への的確な対応に加え、インドや米州での冷蔵庫・ディスペンサー事業の好調が業績を牽引しています。安定した財務基盤を背景に、攻めの経営姿勢が数値として明確に表れています。
③ 海外売上高比率が51.8%に到達しグローバル化が加速する
海外市場の成長が著しく、海外売上高比率は51.8%と前年同期から2.5ポイント上昇しました。フィリピンでの新規連結やインドでの大幅増収など、アジア圏の成長が目立ちます。五大陸をつなぐ世界No.1ブランドを目指す戦略が着実に進んでおり、グローバルな視点で活躍したい人材にとって、非常に挑戦しがいのある環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年第3四半期業績概要 P.4
売上高
3,654億円
+10.3%
営業利益
462億円
+8.7%
純利益
336億円
+10.8%
第3四半期累計の連結実績は、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。国内では人手不足に対応した設備投資需要が継続し、海外では新規連結したフィリピンの販売・サービス会社やトルコの厨房機器メーカーの業績が加わっています。SCC社の買収費用5億円やトルコでのインフレ会計影響(30億円)をこなしつつ増益を確保した点は、事業の強固さを示しています。
通期予想に対する進捗状況は、営業利益ベースで86.3%(実績462億円/予想535億円)に達しており、極めて順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年第3四半期業績概要 P.7
日本(国内事業)
事業内容:全自動製氷機、業務用冷蔵庫、食器洗浄機等の製造販売・保守サービスを全国428ヶ所の拠点を通じて展開。
業績推移:売上高1,760億円(前年同期比+4.8%)、セグメント利益272億円(同+6.1%)。
注目ポイント:既存の飲食市場だけでなく、流通販売業や加工販売業といった「飲食外市場」への拡販に成功しています。人手不足を背景とした自動化・効率化ニーズは根強く、保守サービスの収益も安定しています。既存顧客の深掘りと新規開拓、両方のスキルを活かせるフィールドです。
米州
事業内容:米国・中南米での製氷機、ディスペンサー、冷蔵庫等の販売。2025年7月にSCC社を子会社化。
業績推移:売上高898億円(前年同期比+11.7%)。(注:SCC社は当3Q末のみ貸借対照表を連結、損益への影響は4Qから本格化)
注目ポイント:SCC社の買収完了により、これまでのホシザキ製品に食品ショーケースが加わり、製品ポートフォリオが完成しました。今後はPMI(買収後の統合プロセス)が重要となり、グローバルな組織運営や拠点を跨いだシナジー創出を担える人材への期待が極めて高まっています。
アジア
事業内容:インド、中国、東南アジア諸国での製品販売。フィリピン2社の新規連結による影響大。
業績推移:売上高570億円(前年同期比+27.4%)。
注目ポイント:特にインドでの冷蔵庫事業が好調に推移しており、市場の爆発的な成長を取り込んでいます。フィリピンでの販売会社買収など、自社網の整備を急速に進めており、新興国市場での立ち上げや拠点マネジメントを経験できる貴重なステージです。
欧州
事業内容:欧州各国およびトルコ、中東、アフリカ地域での製氷機、冷蔵庫等の販売。
業績推移:売上高424億円(前年同期比+11.2%)。利益面はトルコのインフレ会計影響により減益。
注目ポイント:トルコの厨房機器メーカー「オズティ社」の完全子会社化(2024年3月)により、中東・アフリカ市場へのハブ機能を強化しています。地政学リスクや経済変動といった難易度の高い課題に対応しつつ、グループ間連携を深める戦略的な役割が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年第3四半期業績概要 P.22
通期業績予想は売上高4,600億円、営業利益535億円と、前期比で増収増益を見込んでいます。第3四半期時点での進捗は非常に良好ですが、今後の注目点はSCC社の連結効果とシナジー創出です。経営陣は、SCC社の買収により米国での販売機会が大幅に広がるだけでなく、部材調達コストの削減といった実利面での成果を確信しています。
一方で、価格競争の激化や人件コストの上昇といった外部環境の厳しさも認識されています。これに対し、継続的なコストダウン活動と、高品質な製品力による差別化を徹底する方針です。単に売るだけでなく「仕組みで稼ぐ」体制への移行が進んでおり、事業構造の変革を支えるITやDX、グローバルSCMの専門家にとって、非常に裁量の大きい環境といえます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「国内での確固たる地位を基盤に、M&Aを通じて世界No.1を目指すダイナミズム」を軸に構成すると良いでしょう。特にSCC社の買収による米国市場での商品群拡充や、飲食外市場への展開といった「変化」に対して、自身の専門性がどう貢献できるかを語ることが重要です。過去最高の収益を支える盤石な経営基盤があるからこそ、長期的な視点で新しい領域に挑戦できる点を強調しましょう。
面接での逆質問例
- 「米国SCC社の買収後、具体的な製品・サービスの統合(PMI)において、現場レベルで現在最も注力している課題は何ですか?」
- 「国内の飲食外市場(流通・加工等)への拡大において、既存の営業体制からどのようなアップデートを図っているのでしょうか?」
- 「グローバル売上比率が50%を超えましたが、本社機能として、各拠点のガバナンスと現地主導のバランスをどのように定義されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
キャリアアップを望む女性が少ない傾向
女性役職者比率が飛躍的に向上している感じではありません。変化の途上といったところでしょうか。キャリアアップを望む女性が少ない傾向と聞いています。
(40代前半・商品開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年第3四半期業績概要(ホシザキ株式会社 2025.11.7 HP掲載資料)



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