0 編集部が注目した重点ポイント
① 北米の利益体質を抜本的に改善させる
北米地域において、タスクフォースチーム(TFT)活動による原価改善が大きな成果を上げています。米国関税や円高といった外部逆風がある中、生産性向上を通じて前年同期の赤字から黒字化を達成しました。現場主導の収益改善プロジェクトを完遂できる人材への期待が高まっています。
② 欧州事業の構造改革を加速させる
2025年8月1日付で欧州ニードルローラーベアリング(NRB)事業の譲渡を完了しました。不採算領域からの撤退と、成長領域への資源集中という「選択と集中」が明確になっています。事業ポートフォリオの再構築に伴い、新たな主力製品の立ち上げを担うエンジニアや管理部門の活躍機会が拡大しています。
③ 需要回復を背景に売上収益を上方修正する
日本・北米での販売回復を受け、通期の売上収益予想を1兆8,400億円に上方修正しました。一部、米国関税の客先回収に期ズレのリスクはあるものの、中長期的にはマイナス影響を跳ね返す方針を明示。拡大する需要に対し、供給網の最適化や生産管理のプロフェッショナルが求められる局面です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.4
※事業利益=売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した独自の管理指標。
2026年3月期第2四半期は、円高影響(USD:6.59円の円高)があったものの、日本や北米を中心に販売が回復し増収増益となりました。特に、北米でのコスト改善活動(TFT活動)が寄与し、事業利益率は3.6%に向上。欧米での構造改革に伴う一時費用を金融収支の改善などで補い、中間利益は前年比約2倍の121億円を記録しました。
通期予想に対する進捗について、修正後の事業利益予想(600億円)に対し、中間期時点で331億円を計上しており、進捗率は55.1%となっています。下期の関税リスク等を織り込みつつも、業績は順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.6
自動車事業(ステアリング・駆動)
事業内容:ステアリングシステム、駆動系部品等の製造販売。トヨタグループを中心に、日産、ホンダ等へも幅広く供給。
業績推移:売上収益6,587億円(+1.7%)、事業利益164億円(+34.1%)。
注目ポイント:北米でのTFT活動(Task Force Team)が劇的な成果を生んでいます。円高や関税の逆風を、徹底した原価改善と生産性向上で跳ね返し、前年同期の赤字から脱却しました。大規模な改善プロジェクトを回せるPMO経験者や、生産技術のエキスパートにとって、挑戦しがいのある環境です。
産機・軸受事業
事業内容:産業機械用ベアリング(軸受)等の製造販売。半導体やロボット向けなど重点分野に注力。
業績推移:売上収益1,721億円(▲2.2%)、事業利益76億円(+51.9%)。(注:欧州事業売却の影響あり)
注目ポイント:欧州NRB事業の譲渡により、事業のスリム化が進行。不採算領域を整理したことで、利益率が大きく向上しました。成長分野である半導体向け(前年比+21.3%)やロボット向けが伸長しており、ニッチトップを狙う精密機械の技術者にとって、知見を活かせるフィールドが広がっています。
工作機械事業
事業内容:工作機械、制御機器等の製造販売。自動車向けや一般産業向けに展開。
業績推移:売上収益992億円(+4.5%)、事業利益89億円(+11.9%)。
注目ポイント:日本・北米での旺盛な設備投資需要を背景に、安定した成長を継続中。事業利益率は9.0%と高水準を維持しています。単なる機械提供に留まらず、制御技術を含めたトータルソリューションへの転換を急いでおり、DXやソフトウェア制御に精通したエンジニアの採用が急務となっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.10
通期の売上収益は当初予想から700億円プラスの1兆8,400億円へと上方修正されました。円安効果のほか、北米を中心とした需要動向を反映しています。一方で、利益面は据え置きとなっていますが、これは米国関税の客先回収が一部期ズレするリスクを慎重に見極めた結果です。
経営方針としては、北米でのTFT活動を継続し、生産性向上による収益体質改善を確実に遂行する構えです。また、欧州での構造改革による利益発現も見込まれています。不確実な外部環境下でも、自社の対策でマイナス影響を跳ね返そうとする攻めの姿勢が鮮明であり、グローバルでの構造改革や収益改善の実務経験を持つ人材へのニーズはかつてなく高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機では、単なる「モノづくり」への関心に留まらず、同社が推進する「収益体質改善(TFT活動等)」や「構造改革」に、自身のスキルをどう活かせるかを具体的に伝えるのが効果的です。特に、グローバル拠点での改善実績や、半導体・ロボットといった成長領域での知見は強力なアピール材料になります。
逆質問の例:「北米のTFT活動で黒字化を達成されましたが、他地域への水平展開において、外部人材にはどのような変革推進力が期待されていますか?」「欧州の構造改革が一段落した今、次なる成長投資として注力される製品・技術領域について教えてください」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
薄利多売のビジネスモデルが課題
利益率の低下が続いており、薄利多売のビジネスモデルが課題です。新規顧客の獲得には苦戦しています。
(20代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]時間を有効に活用することが可能
特に期間社員の場合、業務を習得し、必要なスキルを身につけた後は、個人の目標に向けてプライベートでの時間を有効に活用することが可能です。
(20代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ジェイテクト 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料(2025年11月5日発表)
- 株式会社ジェイテクト 2026年3月期 第2四半期 決算短信〔IFRS〕(2025年10月31日発表)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。