0 編集部が注目した重点ポイント
①南米の拠点を新規連結しグローバル展開を加速させる
当第3四半期より、ブラジルのStanley-Angstrom Electric da Amazonia Ltda.をグループ会社(連結子会社)へ加えたことで、売上高の押し上げ効果が生まれています。前年同期には含まれていなかった拠点であり、南米市場における生産・販売体制が強化されました。海外でのキャリア機会やグローバルプロジェクトに携わるチャンスが拡大する可能性を示唆しています。
②800億円規模の自己株式取得で資本効率を引き上げる
2025年7月から開始された総額800億円を上限とする自己株式の取得は、2026年1月末時点で約799億円に達し、計画をほぼ完了しました。これは株主還元の充実だけでなく、資本効率の向上を強く意識した経営姿勢の現れです。財務基盤の最適化を進めながら、持続的な企業価値向上を目指す姿勢は、安定性を重視する転職者にとって心強い材料となります。
③生産革新により58億円超の利益改善効果を創出する
米国関税や半導体不足といった外部環境の逆風に対し、自社の「生産革新による合理化効果」で58.7億円もの利益押し上げを実現しています。これは、製造現場の効率化やコスト削減が着実に成果を結んでいる証拠です。同社が掲げる「光に勝つ」というビジョンのもと、生産技術やプロセス改善といったエンジニアリング領域での貢献が非常に高く評価される環境といえます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算補足説明資料 P.2
第3四半期累計の業績は、米国での関税引き上げや半導体不足、さらには人件費の高騰といった厳しいコスト増に直面しました。しかし、ブラジル拠点の新規連結による増収効果や、二輪車用ランプが堅調なアジア・大洋州地域が下支えとなり、売上高は前年同期を上回る3,802.8億円を達成しました。純利益については、段階取得に係る差損などの特別損失が減少したこともあり、前年比で12.6%の増益となっています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が76.1%と順調に推移しています。一方で、営業利益の進捗率は63.5%に留まっており、当初予想の達成に向けては、引き続き生産革新による徹底した合理化と、関税影響等のコスト転嫁が重要な鍵を握る状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算補足説明資料 P.4
自動車機器事業
【事業内容】
自動車用・二輪車用ヘッドランプやテールランプ等の開発・製造を担う同社の柱です。
【業績推移】
売上高3,289.8億円(前年同期比1.5%増)、営業利益294.8億円(同6.8%減)。
【注目ポイント】
ブラジル拠点の新規連結による売上増があった一方、米国関税や半導体不足、さらに品質問題に関わる費用が発生し、利益面では苦戦しました。しかし、二輪車用はアジア地域で堅調を維持しています。外部環境の影響を最小化するための生産革新が急務となっており、現場改善の経験を持つ人材の需要が高まっています。
コンポーネンツ事業
【事業内容】
LEDデバイスや車載向け液晶パネルなどの電子部品を提供しています。
【業績推移】
売上高286.6億円(前年同期比3.7%増)、営業利益28.4億円(同30.9%増)。
【注目ポイント】
車載向け液晶の販売増が業績を大きく牽引しました。前年に計上した一過性の棚卸資産処分費用がなくなったことも利益改善に寄与しています。営業利益率は9.9%に達しており、高付加価値製品へのシフトが鮮明です。デバイスレベルでの技術革新に携わりたい技術者には魅力的な環境です。
電子応用製品事業
【事業内容】
液晶用バックライト、操作パネル、電子基板などを手掛けています。
【業績推移】
売上高831.9億円(前年同期比4.6%減)、営業利益66.7億円(同4.8%増)。
【注目ポイント】
中国やアジアでの厳しい市場環境により減収となりましたが、PC用バックライトの販売増や拠点統合などの効率化により増益を確保しました。既存事業の収益性改善と、新市場への適合を両立させる戦略が進んでおり、事業構造の再構築をリードできるマネジメント人材や企画人材が活躍できる場面が増えています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算補足説明資料 P.6
通期の業績予想は当初の計画を据え置いています。注目すべきは、設備投資額が通期見通しで860億円と、前年の535億円から大幅に増加している点です。このうち約400億円が「戦略投資」に割り当てられており、将来の成長に向けた積極的な姿勢が伺えます。
一方で、米国関税の影響や、人件費増といった利益減少要因は依然として予断を許さない状況です。同社はこれらに対し、合理化効果の積み上げと拠点の最適化で対抗する構えです。生産プロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)や、グローバルでのサプライチェーン最適化を担える人材は、まさに今、同社が最も必要としている人材層といえるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「生産革新」による合理化効果が、逆風下での経営を支えているという事実に着目しましょう。自身のこれまでの経験が、いかにして同社のコスト構造の改革や生産性向上に寄与できるかを具体的に語ることが重要です。また、ブラジル拠点などのグローバル展開の加速に触れ、異文化間でのプロジェクト遂行能力や海外市場への関心を示すことも、高く評価されるポイントとなります。
面接での逆質問例
「米国関税や半導体不足といった外部リスクに対し、現場レベルではどのような迅速な意思決定メカニズムが働いていますか?」「戦略投資として割り当てられている400億円は、具体的にどのような次世代技術や新領域の開拓に投入される予定でしょうか?」「海外拠点の新規連結が進む中、日本本社のエンジニアにはどのような役割や交流が期待されていますか?」といった質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
福利厚生が充実している
地方に住んでいた私にとって、家賃補助や独身寮の制度は非常に助かりました。また、都心部で持ち家がある場合でも、毎月2万円の住宅手当が支給されるのは嬉しいポイントです。さらに、子供がいる家庭には毎月1.8万円の手当が支給されるため、家計の助けになりました。福利厚生が充実しているおかげで、生活の安定感が増し、仕事に集中できる環境が整っていると感じます。
(30代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]若手が長く働き続けるための環境整備が必要
離職率が低いという点に惹かれて入社を決めたのですが、実際には年配の社員が多く、若手は次々と辞めていく状況に驚きました。若手が長く働き続けるための環境整備が必要だと感じます。
(40代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- スタンレー電気株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算補足説明資料
- スタンレー電気株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。