東京精密の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

東京精密の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

東京精密の2026年3月期2Q決算は、生成AI・HBM向け需要が牽引し売上高は上期過去最高を更新。不具合対策費21億円を計上するも、次世代接合技術の量産準備や飯能工場の用地取得など、半導体市場の拡大を見据えた投資を加速。最先端デバイスの進化を支えるエンジニアの活躍フィールドを解説します。


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編集部が注目した重点ポイント

AIサーバー需要が牽引し売上高は上期過去最高を更新

2026年3月期第2四半期(累計)の売上高は、生成AIを含むHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)関連の需要が旺盛だったことにより、前年同期比8%増の771億円となり、上期として過去最高を更新しました。特にAIチップに不可欠なHBM(広帯域メモリ)向け装置が想定を上回る受注を獲得しており、先端半導体領域でのキャリア機会が急拡大しています。

製品不具合への誠実な対応に向け21億円の特損を計上

半導体製造装置部門の一部製品における不具合対策費用として、21億3百万円を特別損失に計上しました。これにより中間純利益は前年同期比29.1%減となりましたが、品質保証と顧客信頼の維持を最優先する経営姿勢の表れといえます。品質管理やサービスエンジニアリングの体制強化が急務となっており、守りの技術者としての活躍も期待されています。

飯能工場の近接用地取得により将来の生産能力を増強

需要が急増しているプローバ(半導体検査装置)の生産スペースを確保するため、埼玉県飯能市の飯能工場近接用地を取得する計画を決定しました。現在の売上高は5年前の2倍に達しており、中長期的な成長に向けた生産インフラ投資を加速させています。新工場の稼働を見据えた生産技術や工場運営の人材需要が今後高まる見通しです。

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連結業績ハイライト

AI向け半導体製造装置が力強く牽引し、売上高・営業利益ともに前年同期比で大幅な伸長。
2025年度上期連結業績エグゼクティブサマリー

出典:2025年度 (2026年3月期) 第2四半期決算説明会 P.2

売上高
771億円
前年同期比 +8%
営業利益
147億円
前年同期比 +10%
受注高
806億円
前年同期比 +13%

2026年3月期第2四半期の累計実績は、売上高771億円、営業利益147億円と、前年同期を上回る堅調な着地となりました。特に第2四半期単体(7-9月期)での受注高は447億円と前年同期比33%増を記録しており、旺盛な需要が継続しています。なお、親会社株主に帰属する中間純利益については、製品不具合対策費の計上により96億円(前年同期比29%減)となりました。

通期予想に対する進捗状況については、修正後の売上高予想1,640億円に対して47.0%、営業利益予想315億円に対して46.7%となり、数値上は進捗が遅れている状況に見えます。しかし、質疑応答によると第2四半期末には台風による製品輸送の遅れで約50億円の売上期ずれが発生しており、この影響を除けば公表予想並みの順調な着地であると分析されています。

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事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

先端半導体検査装置が牽引する半導体部門と、非自動車分野が底堅い計測部門の二本柱。
セグメント別業績予想の修正内容

出典:2025年度 (2026年3月期) 第2四半期決算説明会 P.13

半導体製造装置(SPE)部門

事業内容:半導体検査装置(プローバ)や加工装置(グラインダ・ダイサ)等の開発・提供。AI、HPC、メモリ市場が主なフィールド。

業績推移:売上高 594億円(前年同期比+9.4%)、営業利益 123億円(同+10.7%)。

注目ポイント:生成AI向けのHBM案件が好調で、通期売上予想を50億円上方修正しました。高度な温度制御機能を備えたプローバの需要が増加しており、OSAT(半導体後工程の受託製造・テスト企業)向けの出荷が好調です。先端パッケージング技術への対応が急がれており、技術革新の最前線で活躍できます。

注目職種:装置開発エンジニア、高精度制御設計、テクニカルセールス、サービスエンジニア

精密計測機器(計測)部門

事業内容:汎用・自動計測機器や、EV・電池向けの充放電試験システム等の提供。航空宇宙、防衛、自動車等、幅広い産業を支援。

業績推移:売上高 177億円(前年同期比+3.2%)、営業利益 24億円(同+5.4%)。

注目ポイント:自動車業界の新規投資には慎重な動きも見られますが、航空宇宙や防衛関連の需要が底堅く推移しています。また、既存設備の更新需要や補助金案件を確実に捕捉しており、安定した収益基盤を維持。非自動車分野での新市場開拓を進める攻めの営業やマーケティング人材の価値が高まっています。

注目職種:計測ソリューション営業、アプリケーションエンジニア、市場戦略立案

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今後の見通しと採用の注目点

HBM4やHybrid Bondingなど、次世代半導体技術の量産フェーズを見据えた先行投資が本格化。
半導体製造装置セグメント 製品別構成比の推移

出典:2025年度 (2026年3月期) 第2四半期決算説明会 P.6

今後の成長の鍵を握るのは、生成AIの進化に伴う先端パッケージング技術への対応です。質疑応答資料によれば、次世代のメモリ接合技術である「Hybrid Bonding(ハイブリッド・ボンディング)」向けグラインダの量産出荷が、2026年度下期から始まる見通しです。また、今後ダイサイズの大型化(100mm角以上)が進むことを見越し、大型ダイ検査用のプローバ開発も3~5年内での具体化を目指しています。

研究開発費および設備投資についても、当初計画からそれぞれ5億円、10億円上方修正し、年間でいずれも120億円規模を投じる計画です。特にプローバの売上高は5年前の2倍の水準まで拡大しており、飯能工場の近接用地取得など、生産能力の抜本的強化が成長の前提となっています。これら一連の動きは、質疑応答でも「HBM4向け需要への期待」として言及されており、最先端デバイスの進化に自社の技術で並走できる、野心的なエンジニアにとって最適なタイミングといえます。

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求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「AIインフラを支える先端検査技術」への貢献を軸にするのが強力です。具体的には、HBM向けプローバの圧倒的な需要や、次世代のHybrid Bonding技術の実用化フェーズに注目しましょう。また、不具合対策費の計上といった「誠実な品質管理」への姿勢に触れ、技術者として「世界最高水準の信頼性を守りたい」という意欲を伝えることも、同社の社風(ACCRETECH:技術と信頼)に合致し、高い評価に繋がります。

Q&A

面接での逆質問例

「飯能工場の用地取得により、今後プローバの生産能力はどの程度のスパンで増強される計画でしょうか?」や、「HBM4に向けた顧客ニーズの変化に対して、現在の開発体制にどのような専門性が求められていますか?」といった質問が有効です。また、「不具合対策費の計上を経て、品質保証プロセスはどのように進化したのでしょうか?」と聞くことで、品質に対する高い意識をアピールできます。

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転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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定時で帰ろうと思えば帰れる

残業はありますが、せっぱつまった時だけありました。 他の人を巻き込んだ仕事でない限り、定時で帰ろうと思えば帰れますし、白い目でみられることもありません。 休日出勤は基本的にありません。

(30代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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業績将来性に問題 

業績・将来性に問題を感じる。シェアのみに依存している体制のままだと難しい。

(20代後半・総務・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 株式会社東京精密 2026年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 株式会社東京精密 2025年度 (2026年3月期) 第2四半期決算説明会資料
  • 株式会社東京精密 2025年度(2026年3月期) 第2四半期 決算説明会 質疑応答 要約

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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