0 編集部が注目した重点ポイント
① 通期計画の上方修正と増配を決定する
2026年3月期第2四半期の業績が、クラウド事業の好調や効率的な広告宣伝活動により計画を上振れて推移しました。これを受け、通期の売上高を600億円、営業利益を160億円へと上方修正しています。あわせて1株当たり配当予想も増額しており、高い収益性と成長性を背景とした強気な投資姿勢が鮮明になっています。
② 構造改革でクラウド事業へ経営資源を集中する
2025年5月に公表されたIT人材事業の譲渡方針に基づき、現在は譲渡先との協議を継続しています。祖業である同事業を分離し、高成長・高収益なクラウド事業へリソースを完全集中させる体制へと移行します。これにより、次期中期経営計画で掲げる「売上成長率+営業利益率」で50%以上を目指すRule of 50の実現に向けた土台が整いつつあります。
③ 資本業務提携により人事労務領域を強化する
プラスアルファ・コンサルティング社との資本業務提携を締結し、タレントマネジメントシステム「タレントパレット」をベースとした「楽楽人事労務(仮)」のOEM展開を決定しました。2026年1月以降の販売開始を目指しており、バックオフィス領域におけるマルチプロダクト戦略がさらに加速します。新規サービスの立ち上げに伴い、専門人材の活躍機会が大きく広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.5
売上高
28,781百万円
+25.1%
営業利益
7,708百万円
+65.4%
営業利益率
26.8%
+6.5Pt
第2四半期累計の連結業績は、売上高・利益ともに過去最高水準を更新しています。特に営業利益は前年同期比65.4%増と飛躍的に拡大しました。これは「楽楽精算」や「楽楽明細」といったストック型収益モデルの積み上がりに加え、効率的な広告宣伝費の投下、および一部採用の遅れによる人件費の抑制が寄与したものです。
修正後の通期計画に対する進捗率は、売上高が48.0%、営業利益が48.2%となりました。下期に「楽楽クラウド」へのブランド統合や新プロダクト投入に向けた投資を見込んでいるものの、上期実績が極めて堅調であることから、通期目標の達成は順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.17
クラウド事業
【事業内容】 経費精算、請求書発行、販売管理等のバックオフィス業務を効率化するSaaSサービス「楽楽シリーズ」を展開。圧倒的な知名度と顧客基盤を誇ります。
【業績推移】 売上高は24,687百万円(前年同期比+26.0%)、セグメント利益は7,067百万円(同+68.0%)と爆発的な成長を継続中です。
【注目ポイント】 「楽楽精算」が売上高100億円を突破し、成熟期に入りつつもエンタープライズ市場への進出によりさらなる開拓を進めています。また、生成AIを活用した「AIエージェント」の搭載を順次進めており、既存プロダクトの付加価値向上を図るためのAIエンジニアや企画職の需要が急増しています。
IT人材事業
【事業内容】 ネットワーク・インフラ領域を中心としたITエンジニア派遣サービス。未経験からの育成・輩出に強みを持っています。
【業績推移】 売上高は4,093百万円(前年同期比+20.1%)と、エンジニアの高稼働率を維持し二桁成長を達成しています。
【注目ポイント】 現在は譲渡を念頭に置いた運営ですが、事業そのものは極めて堅調です。需要好調により採用・教育体制を強化しており、利益率も改善傾向にあります。譲渡後は「ベストオーナー」の下でさらなる投資が期待されるため、キャリアの安定性と成長性は維持される見通しです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.36
ラクスは次期中期経営計画(2027年3月期〜2029年3月期)において、Rule of 50(売上成長率+営業利益率≧50%)の実現を目標に掲げています。これまでは広告宣伝費を積極的に投下しシェア拡大を優先してきましたが、今後はオーガニック成長と収益性のバランスを重視するフェーズへ移行します。
特筆すべきは、2025年10月に新設されたCAIO(最高AI責任者)を中心とするAI戦略です。「AIによる業務の自動化」を全プロダクトに実装することで、ARPU(1顧客あたりの平均売上)の向上を目指しています。また、10月からは期初計画外のベースアップも実施しており、優秀な人財の獲得・維持に強い意欲を見せています。
4 求職者へのアドバイス
「国内シェアNo.1のSaaSを複数持つ安定感」と「AIによる徹底的な業務自動化という先進性」の双方が魅力です。特に、従来のSMB市場からエンタープライズ市場への進出や、複数プロダクトを提案する統合型ベストオブブリード戦略への共感は、同社が今まさに注力している領域であるため、強いアピール材料になります。
・「Rule of 50の実現に向けた収益性強化において、現場の営業手法やKPIはどのように変化していく想定でしょうか?」
・「楽楽人事労務(仮)の立ち上げにおいて、既存の楽楽精算ユーザーへのクロスセルを最大化するための組織的な工夫はありますか?」
・「CAIO新設に伴い、エンジニア以外の職種でもAIの利活用に関する教育制度や目標設定は始まっていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
できなかったことができるようになる喜び
できなかったことができるようになる喜びなどはあります。その分、勉強などは他の業界と比べるとかなりする必要がありますが、そこで学んだ知識は持ち運びもできるものなので、損することはないかと思います。
(20代前半・プログラマ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ラクス 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料
- 株式会社ラクス 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 通期連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。