0 編集部が注目した重点ポイント
① 収益性改善と物流費抑制で営業利益が12.4%増を達成する
当第3四半期の営業利益は、前年同期比12.4%増の9,435百万円となり、売上高とともに過去最高額を更新しました。ロングテール(少量多品種)商品の粗利率改善や輸入品の採算向上に加え、物流関連の諸施策により運賃および倉庫作業料の増加を抑制。高収益体質への転換が着実に進んでいます。
② 九州DCの移転拡張と新サービス拠点への投資を加速させる
2025年6月より九州DCが延床面積2.6倍へと拡張稼働を開始しました。さらに、2027年1月の稼働を目指し「レンタル&校正センター」を着工。物販だけでなくメンテナンスやレンタルといったサービス領域を強化することで、サプライチェーン全体でのハブ機能を高度化し、将来の成長基盤を強固にしています。
③ 取扱商品1,320万点超のデータベースがEC成長を牽引する
商品データベース「SHARE-DB」の取扱商品を1,320万点超へ拡大しました。集中購買システム「ocean」の接続先も598社へ増加。DX(デジタルトランスフォーメーション)を背景としたECチャネルの伸長が、不透明な景気情勢下における研究開発需要の確実な取り込みを支える強力な武器となっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.4
当第3四半期累計期間は、売上高・各利益ともに過去最高額を更新する極めて堅調な決算となりました。外部環境としては円安や金利上昇などの不透明感があるものの、研究開発投資の底堅い需要を確実に捉えています。特に利益面では、eコマース比率の向上や輸入品の価格適正化が寄与し、2桁増益を達成しました。
通期連結業績予想に対する進捗率は、売上高で72.7%、営業利益で75.4%となっており、利益面を中心に進捗は順調です。15期連続の増配も予定されており、収益力の向上とともに資本効率を意識した経営が継続されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.14
ラボ・インダストリー部門(ラボラトリー分野)
【事業内容】
大学、公的研究機関、企業の研究部門を対象とした理化学機器・備品・消耗品の卸売を主導する、アズワンの基幹事業です。
【業績推移】
売上高 49,334百万円(前年同期比7.0%増)。企業の業績見通し上方修正に伴い購買活動が活発化し、堅調に推移しました。
【注目ポイント】
ネット通販事業者向けECや、集中購買サイトを通じた販売が大きく寄与しています。1,320万点を超える膨大なロングテール商品をデジタルで結び、ユーザーに「必要なものがすぐ届く」体験を提供。データ分析に基づいたWEB単独掲載品の価格見直しなど、マーケティングとテクノロジーを融合させた戦略が成果を上げています。
ラボ・インダストリー部門(インダストリー分野)
【事業内容】
民間企業の製造現場等で使用されるクリーンルーム消耗品、衛生管理用品、計測器などの供給を担う事業領域です。
【業績推移】
売上高 17,281百万円(前年同期比6.3%増)。計測・測定機器等多方面で売上が伸長し、増収を確保しました。
【注目ポイント】
半導体研究開発や食品関連のMRO(修理・保守・運用)需要の拡大を背景に、高い成長性を維持しています。特に九州DCの移転開設により、半導体クラスターへの供給体制が強化されました。現場の課題をソリューションとして解決する、専門性の高い技術営業やSCM(サプライチェーンマネジメント)人材の活躍の場が広がっています。
メディカル部門
【事業内容】
病院、クリニック、介護施設向けに「navis(ナビス)」ブランドで看護・医療用品を供給する事業です。
【業績推移】
売上高 12,164百万円(前年同期比3.1%減)。医療経営の厳しさから耐久品の引き合いが軟化したことが要因です。
【注目ポイント】
売上高は微減ながらも、顧客の関心は「経営効率化」へ向かっており、集中購買システムの接続数は加速しています。また、細胞培養加工施設(CPC)の施工案件や新規開業支援など、物販以外の高付加価値サービスへの注力が進んでいます。医療現場のDXや施設施工管理の専門知識を持つ人材にとって、新たな市場開拓のチャンスとなっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 中間期決算説明会 P.31
アズワンは「AS ONE VISION-2035」に向け、単なる卸売業からイノベイティブ・プラットフォームへの進化を推進しています。その中核となるのが「4-Stock」コンセプトです。サプライヤー、自社、販売店、そしてユーザーまでの在庫をデータでつなぎ、調達のムダ・ロスを極限まで減らす「調達革命」に挑んでいます。
このビジョン実現のため、ITと物流への積極投資を継続しています。2027年1月稼働予定の「レンタル&校正センター」は、従来の3倍の規模に拡張され、サービス領域の飛躍的な成長を支えます。また、女性管理職比率の向上(2030年目標20%以上)に向けた環境整備や、えるぼし・くるみん認定の取得など、多様性を強みに変える組織づくりも進んでおり、変革をリードできる人材にとって魅力的な環境が整っています。
4 求職者へのアドバイス
アズワンの強みは、1,300万点を超える圧倒的なロングテール商品を扱う「プラットフォーム機能」にあります。「4-Stock」コンセプトによるサプライチェーン全体の効率化は、日本の科学・医療インフラを支える社会的意義の大きい取り組みです。単なる営業や物流管理ではなく、データとハブ機能を活用して「業界の常識を変える」という変革への意欲を志望動機に盛り込むことが、高く評価されるポイントになるでしょう。
・「九州DCの拡張により、半導体関連企業との取引において具体的にどのようなシナジーを期待されていますか?」
・「レンタル&校正センターの新設に伴い、従来の物販中心からサービス主導型へのビジネスモデル転換において、組織運営面でどのような変化を想定されていますか?」
・「4-Stockコンセプトを深化させる上で、販売店様とのデータ連携における最大の課題と、それをテクノロジーでどう乗り越えようとされていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
もう少しやりがいがあればなおよい
もう少しやりがいがあればなおよいと思うが仕事はかなり楽なので気にすることはない気もする家族がいるならもう少しほしい気もするがまあとりあえずいい
(20代前半・ルートセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- アズワン株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- アズワン株式会社 2026年3月期 中間期決算説明会資料



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