0 編集部が注目した重点ポイント
① 第3四半期累計で過去最高益を更新し中計目標を早期達成する
2026年3月期第3四半期累計の収益は1兆4,897億円(前年同期比47.0%増)、税引前利益は4,333億円(同141.6%増)となり、過去最高の更新を果たしました。2029年3月期目標の税引前利益5,000億円に対し進捗率は86.6%に達しており、目標の早期達成が確実視されています。事業拡大に伴い、金融・ITの融合領域でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。
② 銀行・資産運用事業の再編でグループシナジーを最大化させる
2025年10月に住信SBIネット銀行の全株式を売却する一方、同年12月にはSBI新生銀行の再上場を完了させるなど、銀行事業の管理体制変更を断行しました。また、SBI岡三アセットマネジメントの連結子会社化やレオス・キャピタルワークスの吸収合併も推進。これにより、転職者にとっては資産運用プラットフォームの構築に関わる専門職の重要性が高まっています。
③ 暗号資産交換業の統合により国内市場の覇権を確立する
2026年4月1日を効力発生日として、SBI VCトレードを存続会社、ビットポイントジャパンを消滅会社とする暗号資産事業の経営統合を決定しました。重複領域の効率化を図りつつ、Web3やデジタル資産の普及に向けた新サービス創出を加速させます。最先端のフィンテック領域において、エンジニアや新規事業開発担当者にとって挑戦しがいのある統合プロセスが始まります。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料 P.5
収益(売上高)
1兆4,896億円
前年同期比 +47.0%
税引前利益
4,333億円
前年同期比 +141.6%
親会社所有者帰属利益
3,491億円
前年同期比 +245.1%
当第3四半期累計期間(2025年4月〜12月)は、金融サービス、資産運用、PE投資、暗号資産、次世代事業の全報告セグメントで増収を達成し、過去最高益を更新しました。特にPE投資事業における公正価値評価の大幅な上昇や、暗号資産価格の上昇に伴う評価益が利益に大きく貢献しています。年換算ROE(自己資本利益率)は29.9%と非常に高い水準を維持しており、創業30周年となる2029年3月期のROE目標15%を大幅に上回る推移を見せています。
通期業績予想は非開示であるものの、中期ビジョンで掲げる連結税引前利益5,000億円という目標に対し、第3四半期時点で既に進捗率は86.6%に達しており、通期での目標達成は順調どころか「前倒し達成」の勢いです。好調な業績を背景に、さらなる戦略投資や人財確保へ向けた原資が豊富に蓄積されている状況と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料 P.9
金融サービス事業
事業内容:SBI証券、SBI新生銀行、SBI損害保険などを中核とする、証券・銀行・保険の複合金融サービスです。
業績推移:収益は1兆2,152億円(前年同期比+40.1%)、税引前利益は3,213億円(同+89.3%)。住信SBIネット銀行の売却益が寄与しました。
注目ポイント:SBI証券の「ゼロ革命」後の収益拡大や、SBI新生銀行のリテール口座数417万突破など、顧客基盤が圧倒的な規模へ成長。銀行と証券を繋ぐ「ハイパー預金」のような新機能開発をリードする、フィンテック企画人財へのニーズが拡大しています。
資産運用事業
事業内容:SBIグローバルアセットマネジメント(SBIGAM)を中心に、投資信託の設定・運用や投資教育を行います。
業績推移:収益は292億円(前年同期比+15.4%)、税引前利益は55億円(同+28.0%)と好調に推移しています。
注目ポイント:SBI岡三アセットマネジメントの連結化やレオス・キャピタルワークスの統合など、グループ内再編を加速。2027年度の運用資産残高20兆円達成に向けた体制強化が進んでおり、ファンドマネージャーや投資助言スペシャリストの活躍の場が広がっています。
PE投資事業
事業内容:ベンチャー企業への投資や、プライベート・クレジット事業を国内外で展開しています。
業績推移:収益は1,517億円(前年同期比+160.7%)、税引前利益は952億円(同+442.3%)と爆発的に成長しました。
注目ポイント:投資セグメントでの公正価値評価益が利益を大きく牽引。米国や東南アジアなどグローバルな投資案件が活発化しており、世界市場でのベンチャー・キャピタル業務に携わりたいプロフェッショナルにとって、日本最大級のフィールドが提供されています。
暗号資産事業
事業内容:SBI VCトレード、ビットポイントジャパンなどを通じた暗号資産の交換・取引サービスです。
業績推移:収益は720億円(前年同期比+14.7%)、税引前利益は220億円(同+21.8%)を達成しました。
注目ポイント:主要な暗号資産の価格高騰を背景に、売買代金が堅調に推移。2026年4月の取引所統合を控え、トークンエコノミーの構築に向けたインフラ整備が進んでいます。Web3技術の社会実装を牽引するフロントランナーとしての役割が期待されています。
次世代事業
事業内容:バイオ・ヘルスケア事業や、持分法適用会社化したマイナビを含む人材関連事業です。
業績推移:収益は447億円(前年同期比+124.5%)、税引前利益は223億円(黒字転換)と大幅改善しました。
注目ポイント:暗号資産の報酬獲得やマイナビの業績貢献(43億円)により黒字転換。金融の枠を超えた「生態系」の広がりを象徴する部門であり、多業種とのアライアンスや事業創出に関わりたい人にとって、極めて多様性に富んだ環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料 P.57
SBIグループは、生成AIやAIエージェントの全社導入を推進する「AIオリエンテッドな組織への戦略的変革」を最優先戦略の1つに掲げています。持分法適用会社であるRidge-iとの協業を通じて、「AIが働き、人が導く」次世代の経営モデルの構築を急いでおり、コスト構造の抜本的改革と収益向上を同時に目指しています。
また、証券・銀行・保険といった多岐にわたる金融機能を一元化した「金融スーパーアプリ」の開発に向け、SBIネオ金融プラットフォーム社を設立。中部電力ミライズなどのパートナー企業への機能提供(FPaaS)を強化しており、顧客基盤を1億件へ拡大させる構想を強力に推進しています。これらの戦略遂行に向け、金融の枠を超えたデジタル人財やプロジェクトリーダーの募集が加速しています。
なお、質疑応答(想定)では、住信SBIネット銀行株の売却益等の活用についても言及されており、潤沢な資金を「第4のメガバンク構想」の加速化や、さらなる戦略的M&Aへ充当する方針です。常に「組織は戦略に従う」を実践しており、新たな戦略が生むポストへの転職チャンスは極めて豊富です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
SBIグループは「オープンアライアンス」を通じてNTTやSMBCといった巨大企業、地方銀行とも深く連携しています。志望動機では、「自社完結ではなくプラットフォーマーとして日本経済の構造改革に貢献したい」といった視点を含めると、同社の戦略と共鳴します。特に「AIオリエンテッドな組織への変革」や「Web3の社会実装」など、最先端技術で既存の金融システムを再構築することへの熱意を示すことが、高く評価される近道となります。
面接での逆質問例
・「AIエージェントの全社導入において、現場の業務プロセスをAI主導へ切り替える際に、人財に求められる役割の変化(導く力)について具体的に伺いたいです。」
・「住信SBIネット銀行からの売却益等、豊富になった手元資金を第4のメガバンク構想の具体化に向けてどのように優先配分される予定でしょうか?」
・「アセットマネジメント事業の統合プロセスにおいて、各社の強みであるアクティブ運用やインデックス運用を融合させ、どのような独自の運用商品を創出されようとしていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
中途社員は相対的に優秀
中途社員はメガバンク・大手証券会社・大手保険会社から転職してくる人が多い。 中途社員についても、非常に優秀な人はあまりいないが、新卒の段階で大手の金融機関に内定を取り、そこでしばらく働くことで一定のレベルを担保できている。 そのため、新卒社員に比べると相対的に優秀に感じる。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]すぐに事業撤退となり虚しくなる
会社規模や年数にそぐわない意思決定をすることが多く、(ベンチャー気質の裏返し)、また検討もされないままOKサインが出て進むため、すぐに事業撤退となり、虚しくなることも多々ある。
(20代後半・財務・会計関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。