0 編集部が注目した重点ポイント
① 営業利益が前年比118.5%増と大幅な増益を達成
2026年8月期第1四半期において、営業利益は1,211百万円(前年同期比118.5%増)と極めて高い成長を記録しました。Windows10のサポート終了に伴うパソコンの買い替え需要や、東京都の助成制度拡充によるエアコン販売の好調が主因です。高付加価値商品の提案強化により、利益率の改善も進んでおり、収益構造の強化が鮮明になっています。
② 電子棚札を119店舗へ導入し人時生産性を引き上げる
「生産性向上戦略」の一環として、2025年11月末までに119店舗への電子棚札導入を完了させました。これにより価格変更業務の効率化を図り、捻出した時間を接客対応へ充てることで、顧客満足度の向上と販売機会の最大化を両立させています。2026年8月末までには、ほぼ全店への導入完了を目指すスピード感のある投資が進行中です。
③ 住宅設備事業が35.3%増収と成長事業が収益を牽引
家電販売に留まらない成長戦略として、住設事業(リフォーム・再生エネ等)が前年同期比35.3%増と大きく伸長しています。31店舗で水回りリフォーム売場の改装を実施し、専門人財の育成に注力した成果が現れています。また、神戸法人事業所の新設など、B2B領域でも顧客接点の拡大を積極的に進めており、多角的なキャリア機会が生まれています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年8月期 第1四半期決算 補足説明資料 P.3
第1四半期の売上高は65,668百万円となり、前年同期を上回る推移を見せています。利益面では、比較的粗利率の低い携帯電話の構成比が高まったものの、大型白物家電等の粗利率向上や、電力コスト削減による水道光熱費の減少が寄与し、営業利益は倍増以上の結果となりました。創業70周年特別施策による広告宣伝費の増加を吸収しての増益であり、収益体質の改善が示されています。
通期予想に対する進捗状況については、第1四半期時点で売上高が22.3%、営業利益が15.9%となっており、第2四半期(12月-2月)の年末年始商戦を控えていることを考慮すると、概ね順調に推移していると評価できます。会社側も当初の業績予想に変更はないとしています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年8月期 第1四半期決算 補足説明資料 P.5
情報通信機器商品部門
事業内容:パソコン本体、周辺機器、スマートフォン等のモバイル端末およびアクセサリの販売を担当します。
業績推移:売上高は21,474百万円(前年同期比112.0%)と、全カテゴリー中で最も高い成長を達成しました。
注目ポイント:Windows10のサポート終了(2025年10月)に伴う特需が発生し、パソコン本体が40.2%増と驚異的な伸びを見せました。単なる販売だけでなく、初期設定や買い替えに伴うサービス提案の需要が急増しており、ITリテラシーを活かしたコンサルティング型の接客が求められています。
家庭電化商品部門
事業内容:冷蔵庫、洗濯機、エアコン、調理家電、理美容家電などの生活必需家電を取り扱います。
業績推移:売上高26,075百万円(前年同期比99.4%)と、前年並みの実績を維持しました。
注目ポイント:冷蔵庫や洗濯機が買い替えサイクルの長期化で苦戦する中、エアコン(季節家電)が9.4%増と好調です。特に「東京ゼロエミポイント」の制度変更に伴い、東京都内の店舗が大きく売上を伸ばしています。高機能・省エネ製品への関心が高まっており、ライフスタイルに合わせた専門的な製品知識の提供が差別化の鍵となっています。
その他の商品(住宅設備・工事・ゲーム等)
事業内容:住宅設備(リフォーム)、工事代金、ゲーム、玩具、医薬品、日用雑貨など多角的な商材を網羅します。
業績推移:売上高9,120百万円(前年同期比126.1%)と、急速な拡大を続けています。
注目ポイント:住宅設備・工事が35.3%増と大幅に成長しています。リフォーム専任者の育成や、水回り展示の刷新により、家電の買い替え時に住まい全体の改善を提案する「コジマ流リフォーム」が浸透しています。また、ゲーム(13.0%増)や玩具(26.7%増)も好調で、ファミリー層の集客力が高まっています。
地域別パフォーマンス(東京都・その他)
事業内容:全国139店舗の運営状況を地域ごとに分析し、エリア特性に合わせた施策を実施します。
業績推移:東京都(30店舗)が前年比108.1%、東京都以外(106店舗)が105.2%と全エリアでプラス成長です。
注目ポイント:東京都内の店舗は助成金制度の影響を強く受け、エアコン販売を中心に高い成長率を記録しました。一方で東京都以外でも、仙台市への「イオンモール仙台上杉店」の新規出店など、スクラップ&ビルドを通じた店舗網の最適化が進んでいます。地域密着型の店舗運営を担う店長候補やエリアマネージャーの役割が重要視されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年8月期 第1四半期決算 補足説明資料 P.16
今後の成長戦略において注目すべきは、人時売上高の継続的な向上です。電子棚札の全店導入に加え、9月に新設された「営業支援部」が、生産性の高い店舗オペレーションの共有や接客研修の拡充を主導しています。これにより、単なる効率化だけでなく「お客様視点での満足度向上」を両立させる体制が整いつつあります。
また、ブランド戦略としてサンリオの人気キャラクターやアニメ「呪術廻戦」とのコラボキャンペーンなど、若年層や新規顧客層へのリーチを加速させています。リブランディングの推進により、地域の「くらし応援企業」としての認知度をさらに高める方針です。
環境面では、国際的な環境評価団体CDPより、気候変動分野で最高評価の「Aリスト」に初選定されるなど、サステナビリティ経営の成果が客観的に証明されました。社会的責任を果たす企業としての価値向上は、中長期的な組織の安定性と、優秀な人財の確保において大きな優位性となるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
コジマは今、単なる家電量販店から「くらし応援企業」への脱皮を急いでいます。志望動機では、好調な住宅設備事業やリフォーム提案に触れ、「家電を入り口とした住まい全体のコンサルティング」に興味があることを伝えると効果的です。また、人時生産性の向上(電子棚札導入等)という具体的な経営戦略を理解した上で、効率的な店舗運営と質の高い接客の両立に貢献したい姿勢を示すのが良いでしょう。
面接での逆質問例
・「電子棚札の全店導入が完了した後、現場の販売スタッフに期待される『新たな接客の役割』とはどのようなものでしょうか?」
・「住宅設備事業の増収率が35.3%と非常に高いですが、未経験からこの領域の専門人財へ成長するための具体的な研修ステップを教えてください。」
・「CDPの『Aリスト』企業選定を受け、店舗現場レベルで取り組まれている具体的な環境配慮アクションはありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社コジマ「2026年8月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」
- 株式会社コジマ「2026年8月期 第1四半期決算 補足説明資料」



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