※本記事は、株式会社コジマ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
コジマは、物品販売業部門として家庭用電化製品等の販売を手掛けています。同社グループは、家電小売業界において、スマートフォンやパソコン、エアコンなどが好調に推移し、堅調な売上を維持しています。
同社の単体従業員数は2,919名です。
主な国内グループ会社は、ビックカメラ(家庭用電化製品等の販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
コジマは、家電量販店としてお客様の暮らしを支える企業です。従業員の平均勤続年数や平均年齢から、長期的なキャリア形成が期待できる環境であることがうかがえます。また、多様な人材が活躍できる職場づくりや健康経営にも力を入れており、従業員の働きやすさを重視する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、従業員が安定して働き続けている傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,518,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.9年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 単体従業員数 | 2,919人 |
同社は、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。国内の従業員を対象としています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は25.9億円、年金資産は63.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
コジマは「従業員」を最も大切な資本と捉え、従業員エンゲージメントの向上を通じて持続的な成長を目指す人的資本経営を推進しています。人財育成、ダイバーシティの推進、健康経営を重点テーマとしています。
具体的には、企業理念の浸透を目的とした「理念研修」や、各階層に応じた「階層別研修」、幹部候補者向けの「選抜研修」、自己啓発支援としての「eラーニングシステム」など、体系的な人財育成プログラムを実施しています。また、タレントマネジメントシステムを活用し、従業員の適性や能力に応じた人財配置やキャリア形成を支援しています。販売員の「接客力・専門性の強化」にも注力し、研修センターでの実践的な研修や「家電製品アドバイザー」などの資格取得支援を行っています。
ダイバーシティ推進では、「ダイバーシティ推進室」を設置し、女性活躍、育児・介護との両立支援、シニア人財・障がい者の活躍推進に取り組んでいます。これらの取り組みにより、「えるぼし認定(2段階目)」や「プラチナくるみんプラス」の認定を取得しています。健康経営においては、「健康経営宣言」と「戦略マップ」を策定し、「ウェルネス推進室」を中心に健康増進施策を展開しています。代表取締役社長がCWO(最高健康責任者)に就任し、経営層が積極的に関与するほか、働き方改革と連動した長時間労働の削減や有給休暇取得率向上にも努め、「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」に6年連続で認定されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男女賃金差異は女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。男性育児休業取得率は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 82.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 50.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 83.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 86.5% |
人財育成
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 家電製品アドバイザー資格取得率 | 80.7% |
| 研修参加人数 | 10,593人 |
| 研修時間 | 3,781時間 |
| 研修費用 | 42百万円 |
ダイバーシティの推進
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 障がい者雇用率 | 2.81% |
健康経営の推進
ワークエンゲージメントの測定尺度は、新職業性ストレス簡易調査票ワークエンゲージメント関連2問に独自質問3問を追加した5問で構成した質問紙により調査されています。回答結果をスコア化し、FiNCウェルネスサーベイ導入企業全回答者を母集団とする偏差値と、その全回答者平均を算出し、自社従業員結果においての偏差値50以上の従業員割合を指標としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ワークエンゲージメントの向上 | 46.0% |
| 健康診断実施率 | 100.0% |
| ストレスチェック実施率 | 98.9% |
| 特定保健指導実施率 | 86.4% |
| 平均残業時間 | 15.6時間 |
| 有給休暇取得率 | 64.1% |
| 傷病による休職率 | 1.60% |
| 離職率 | 3.85% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社コジマは、家庭用電化製品の販売を主軸とする企業です。同社グループは、親会社であるビックカメラとともに物品販売業部門を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、家庭用電化製品の販売を通じて収益を上げています。主力商品はスマートフォン、パソコン、エアコンなどが好調に推移しており、テレビや冷蔵庫は低調な傾向にあります。販売員の接客品質向上に努め、他社との差別化を図っています。
EC事業では、決済方法の拡充や配送サービスの強化により、利便性向上と収益拡大に取り組んでいます。住設事業では、リフォームや再生可能エネルギー関連商品の販売に注力し、販売力の強化を進めています。また、スマートフォンやゲーム機等のリユース品の販売も開始しています。
同社の売上高は、家庭電化商品が最も大きな割合を占めています。情報通信機器商品は前年同期から大きく増加しており、その他の商品も堅調に伸びています。音響映像商品は前年同期から減少しています。
海外の外部顧客への売上高はないため、同社の事業は国内市場に集中しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の当事業年度の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて前年同期から増加しました。増収増益の傾向を示しています。
売上総利益額は前年同期を上回りましたが、粗利率が比較的低い携帯電話等の売上構成比が上昇したことにより、売上総利益率は前年同期を下回る結果となりました。販売費及び一般管理費は、人的資本投資やシステム投資、リブランディング費用など、将来の成長に向けた積極的な投資により増加しています。一方で、物流費や広告宣伝費などの効率的な経費コントロールに努めた結果、売上に対する販管費率は減少し、各段階利益は増益となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は2,919人です。従業員の平均年齢は41.2歳、平均勤続年数は16.9年となっています。平均年間給与は5,518,000円です。これらの平均値には嘱託社員が含まれていません。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業の安定性と将来の成長性を示す重要な指標です。自己資本の厚みや資金の流れから、安心して働ける環境であるかを確認できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準にあります。これは、財務基盤が安定している傾向を示しています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 57.9% | 58.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は当事業年度において、営業活動により資金を獲得しています。これは、本業で安定的に資金を創出している状況を示しています。
投資活動では資金を使用しており、有形固定資産の取得などを行っています。財務活動では長期借入れによる収入があり、資金を調達しています。
これらの資金の流れから、同社は本業で安定した資金を創出しつつ、将来に向けた投資も行い、財務基盤も安定している傾向にあることがうかがえます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 131.9億円 | 39.8億円 |
| 投資CF | △11.1億円 | △30.2億円 |
| 財務CF | △17.2億円 | 11.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 120.8億円 | 9.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同業他社との競争激化や消費低迷が、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、冷夏暖冬等の異常気象による季節商品の需要低下も、業績に影響を与えるリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は販売員の接客品質向上や生産性向上、新たな人事評価制度の導入、従業員エンゲージメントの向上に努めています。これらの取り組みが滞る場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
コジマは、「家電を通じて 笑顔あふれる 明るく暖かいみらいをつくる くらし応援企業であること」をパーパスに掲げ、お客様のくらしを豊かにすることを目指しています。地域に根ざし、愛される企業となることを追求する姿勢が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
コジマは、「家電を通じて 笑顔あふれる 明るく暖かいみらいをつくる くらし応援企業であること」をパーパス(存在意義)としています。このパーパスのもと、「お客様のくらしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をビジョンに掲げています。地域の皆様から最も身近で愛され、必要とされる企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
コジマは、従業員一人ひとりが自主性・主体性を持って社会課題解決に取り組む「サステナビリティ経営」を推進しています。お客様視点を重視した顧客満足度の向上と、家電販売力の強化を重視する姿勢です。
また、従業員エンゲージメントの向上を重視し、一人ひとりが活躍できる人財の育成や健康経営の推進に取り組んでいます。多様な人財が活躍できる職場環境の整備と、従業員の物心両面の満足度向上を目指す企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
コジマは、中期経営計画において「人的資本経営の推進」と「事業継続基盤の確立」を重点戦略としています。サステナビリティ経営を推進し、環境課題の解決、地域社会との関係構築、ガバナンスの強化に努める方針です。
ESG情報の開示を充実させ、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。お客様視点での顧客満足度向上や従業員教育の強化、業務効率化による接客環境の整備にも取り組んでいます。
創業70周年を機にリブランディングを推進し、店舗ブランド力の強化を図っています。また、社長がCWO(最高健康責任者)として健康経営を推進し、従業員一人ひとりのエンゲージメント向上を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
コジマは監査等委員会設置会社であり、社外取締役を含む監査等委員会が取締役会の意思決定と業務執行を監査する体制をとっています。意思決定の迅速化のため、執行役員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
コジマの筆頭株主はビックカメラであり、事業会社が主要な株主として同社を支えています。また、上位株主には複数の個人名や有限会社が名を連ねており、創業家に関連する株主が資本構成に一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ビックカメラ | 50.44% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.25% |
| 小島 章利 | 3.02% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
コジマの役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長社長執行役員は中澤裕二氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中澤 裕二 | 代表取締役社長社長執行役員 | 1995年6月同社入社。店長、マネージャー、部長職を経て、執行役員営業本部営業部営業企画管理支援室長、営業企画・管理部長を歴任。2020年9月社長執行役員、同年11月代表取締役社長社長執行役員に就任。株式会社ビックカメラ取締役、株式会社とちぎテレビ社外取締役も兼任。 |
| 荒川 忠士 | 代表取締役専務専務執行役員経営企画本部長 | 1991年10月同社入社。情報システム本部長、情報システム本部長兼経営企画室長を経て、執行役員経営企画室長兼情報システム本部長、執行役員経営企画本部長を歴任。2013年11月取締役執行役員経営企画本部長、2020年9月代表取締役専務専務執行役員経営企画本部長に就任。 |
| 紫藤 竜二 | 取締役常務執行役員総務人事本部長兼内部統制担当 | 1995年4月同社入社。複数店舗の店長、営業本部営業部ブロックマネージャーを歴任。2018年9月執行役員総務人事本部長兼人事部長兼内部統制担当、同年11月取締役執行役員、2020年9月取締役常務執行役員に就任。2025年9月より現職。 |
| 久保田 一史 | 取締役執行役員営業本部長 | 1997年4月同社入社。複数店舗の店長、営業本部営業部、営業本部営業部新店準備室長、営業本部営業部開発室長、営業本部開発部長兼店舗リノベーション室長を歴任。2018年9月執行役員、2020年9月執行役員営業本部長兼開発部長、同年11月取締役執行役員に就任。2025年9月より現職。 |
| 秋保 徹 | 取締役 | 1997年3月ビックカメラ入社。執行役員第二商品部長、商品部長、EC事業部長、常務執行役員EC事業本部長、EC本部長を歴任。2018年11月同社取締役常務執行役員EC本部長、2022年9月同社代表取締役社長社長執行役員に就任。2022年11月よりコジマ取締役。 |
社外取締役は、相澤光江氏(TMI総合法律事務所パートナー・監査等委員)、土井充氏(中和有限責任監査法人代表社員・監査等委員)、髙井章光氏(髙井総合法律事務所代表パートナー・監査等委員)です。
コジマは監査等委員会設置会社であり、社外取締役が監査等委員として独立した立場から取締役の職務執行を監査しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
コジマの役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的として設計されています。報酬体系は、役職や職責に応じた金銭による基本報酬、会社業績と個人のミッション達成状況に基づく金銭による業績連動報酬等、そして中長期インセンティブとしての譲渡制限付株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役には、独立した監査の役割を担うことから基本報酬のみが支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 1.8億円 | 45.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 16百万円 | 16.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 17百万円 | 5.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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