0 編集部が注目した重点ポイント
① 子育て世代を狙った価格・MD戦略で客数を伸ばす
子育て世代のニーズに対応し、利用頻度の高い商品を戦略的な価格(KVI)で訴求した結果、30~40代の稼働会員数が3.1%増、顧客単価も4.2%増と大幅に伸長しました。大容量パックの強化や「無印良品」などの人気テナント誘致も功を奏しており、特定のターゲットに特化したマーケティング職やMD職の重要性が増しています。
② 不採算事業の売却と子会社統合で経営基盤を固める
2025年5月にアミューズメント事業を運営するユーイングの全株式を譲渡し、同年8月には総合小売業のエールを吸収合併するなど、構造的変化を伴う組織再編を断行しました。経営資源を中核の小売事業に集中させる方針が鮮明になっており、PMI(買収後の統合プロセス)や事業管理、組織改革を推進できる管理部門系人材のキャリア機会が拡大しています。
③ パート社員の部門責任者登用で生産性を高める
深刻な人手不足に対応するため、パート社員(SP社員)の教育を強化し、部門責任者として積極的に登用しています。教育修了者は累計518名に達し、正社員の業務見直しや売場レベルの向上に直結させています。働き方の多様化とマルチスキル化を同時に進める人事戦略は、現場マネジメントのあり方を根本から変える挑戦的な取り組みです。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 第2四半期 決算説明資料 P.3
2026年2月期中間連結会計期間は、営業収益2,235億円(前年同期比3.2%増)、営業利益68億円(同8.4%増)となり、営業収益は中間期としての過去最高を記録しました。光熱費単価の上昇や人件費増といった販管費の増加要因がありましたが、戦略的な価格設定による客数の増加と既存店売上の伸長により、増収増益を達成しています。
通期業績予想に対する進捗率は、営業収益で49.0%、営業利益で47.1%となっており、計画に沿って概ね順調に推移しています。特に主力である平和堂単体の営業収益が5.4%増と牽引しており、下期に予定されている新規出店や改装効果を合わせることで、通期目標の達成に強い自信を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 第2四半期 決算説明資料 P.38
小売事業(平和堂・中国平和堂ほか)
事業内容:滋賀・京阪神・北陸・東海でのスーパーマーケット・SC運営。中国湖南省での百貨店業。
業績推移:営業収益2,134億円(前年同期比3.3%増)、経常利益68億円(同5.7%増)。
注目ポイント:国内では丸善から承継した6店舗の業態転換や、滋賀県東近江市でのドミナント強化(フレンドマート八日市妙法寺店出店)により地域シェアを拡大しています。一方で中国湖南省の事業は現地の商環境悪化により減収減益。国内の複数フォーマット(SC・SM)の最適化を担う、店舗開発やエリア戦略のスペシャリストが求められています。
小売周辺事業(ベストーネ・ナショナルメンテナンスほか)
事業内容:惣菜・生鮮品の製造加工(ベストーネ)、ビル管理(ナショナルメンテナンス)。
業績推益:営業収益282億円(前年同期比5.2%増)、経常利益8億円(同3.5%減)。
注目ポイント:ベストーネが新デリカセンターの生産数を伸ばし、平和堂の生産性改善を裏から支えています。センター供給高の増加は店舗作業の削減に直結しており、グループ全体のコスト構造改革の中核を担っています。食品工場のマネジメントや、効率的なサプライチェーンを構築できるロジスティクス人材の価値が高まっています。
その他事業(ファイブスター・シー・オー・エムほか)
事業内容:外食事業(ココス、ピソラ、ケンタッキーフライドチキン運営等)。
業績推移:営業収益84億円(前年同期比1.5%減)、経常利益5億円(同12.4%増)。
注目ポイント:不採算だったアミューズメント事業の売却により、外食事業が利益貢献の主軸となりました。新業態「ピソラ」の順調な進捗や、販促キャンペーンの効果による客数増が利益を押し上げています。ポートフォリオの最適化が進んでおり、収益性の高い店舗運営を横展開できる店舗指導(SV)人材への期待が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 第2四半期 決算説明資料 P.14
2030年までに「連結営業収益5,000億円以上、営業利益率4.5%以上」を掲げる中、採用と投資の焦点は「デジタル基盤の強化」に置かれています。昨今のサイバー攻撃のリスクを鑑み、IT投資計画ではネットワーク・セキュリティへの投資を拡大。さらに「HOPアプリ」を通じた会員データ(登録者数105万人以上)を活用するOne to Oneマーケティングを本格化させており、データドリブンな経営を支える専門人材の確保が急務となっています。
また、滋賀県全域をカバーする「ホームサポートサービス」やネットスーパーの拡大など、ラストワンマイルのチャネル構築も継続中。店舗を単なる売り場ではなく、地域のコミュニティ拠点として再定義する戦略は、地域の課題解決に貢献したい志向を持つ方にとって、非常に魅力的なプロジェクトが豊富な環境と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
平和堂は「地域密着ライフスタイル総合(創造)企業」への変革を掲げ、単なる小売から、データとデジタルを駆使した生活インフラへの転換を図っています。「100万人を超えるアプリ会員データをどう売場や商品開発にフィードバックさせるか」という視点や、「パート社員の戦力化による生産性向上」という組織改革への共感は、中途採用面接において強力なアピールポイントとなるでしょう。
面接での逆質問例
- 「HOP経済圏の拡大に向けて、アプリ会員から得られる購買データは具体的にどの部門の意思決定に活用されていますか?」
- 「パート社員の部門責任者登用が進む中、正社員には今後どのような高度なマネジメントスキルや役割が期待されますか?」
- 「滋賀以外の京阪神や東海エリアでの新規チャネル拡大(小型店・ネットスーパー)において、地域ごとにどのようなMDの差別化を考えていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
シフトの変更が急に入ることもある
残業を減らすような方向性であるが、シフト制であるのであまり望んだタイミングや土日祝日、連休などは休めない。
(10代後半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]大型連休は無いものと考えた方が身のため
お盆、年末年始、ゴールデンウイークなどは無いものと考えた方が身のため。基本的に稼ぎ時のため7連勤など普通。土日休みの友人とは疎遠になってしまうのが常
(20代後半・店舗スタッフ関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 第2四半期 決算説明資料



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